発達障害のある子は、様々な理由から事故が多くなりがちです
しかし、事故になりやすい原因を知っていれば予防策を打つことができます
この記事では、発達障害のある子に多い事故とその原因、またその防止策についてお話ししていきます
発達障害のある子に多い事故
発達障害のある子は定型発達の子に比べて、事故を起こす割合が高い傾向にあります
・階段やベランダ、吹き抜け部分から転落
・家具(タンスや本棚など)によじ登って転落
・コンセントで感電した
・扇風機のファンに指を突っ込んで怪我をした
道路への急な飛び出しや高所からの転落
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事故が起こる背景には、障害特性が大きく関係しているよ!
発達障害のある子の中には、目の前に自分の興味や関心のある事柄があったり、ふと頭に何かが思い浮かんだりすると、周囲を見渡すことなく、衝動的に行動を起こしてしまう子がいます
また、注意視野が狭い子も多く、自分の目的の方向にしか視線がいかないため、周りの状況が視界に入っていないことがあります
さらに、先の見通しを持ちにくかったり、危険を予知する認知が弱かったりするために、「この行動をすると、どうなるか」という想像がつかない子もいます
そのほかにも、感覚の鈍感さがある子の中には、強い刺激を求めて危険な箇所(高い場所や足元がぐらぐらしているところなど)に行ってしまったりすることがあります
その子の発達障害の特性を理解することで、事故防止につながる
事故防止のために
発達障害のある子の事故を防ぐためには、事故を起こさせないような環境づくりをするとともに、絵カードなどの視覚的な情報を用いて、事故につながるような行動をしないように指導していくことが大切です
飛び出し事故の防止
飛び出す原因
発達障害のある子の中には、外出の際に大人がしっかりと手を繋いでいても、その手を振り解いて道路に飛び出そうとしてしまうケースがあります
多くの場合、何度も注意を受けているのですが、子どもはその行為を繰り返してしまいます
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このような子に、道路に飛び出してしまった後に、なぜ飛び出すことがいけないのかを繰り返し説明しても、あまり効果はないよ
なぜなら、このような子は、冷静な時には道路に飛び出してはいけないということを理解しているのですが、興味のあるものが視界に入り、興奮してしまうと、飛び出してはいけないというルールをすっかり忘れてしまうからです
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大切なことは、外出の最中に子どもを興奮させないようにすることだね!
飛び出し防止策
・気になるものを視界にいれない
・事前にルールを約束
・ほどけない手の繋ぎ方
大人が車道側を歩くことはもちろんですが、大人が壁となって、なるべく子どもの興味のあるものが目に入らないようにします
例えば、途中に子どものお気に入りのお店がある場合には、子どもの視線がそのお店の方に向かないように大人が半歩前を歩き、さりげなく身体で隠したり、子どもの関心を他のことに向けたりします
なお、外出をすることになった状況で、すでに興奮してしまう子の場合には、外に出る前に子どもをギュッと抱きしめて、落ち着いた状態にしてから、歩き始めるようにすることが効果的です
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また、大人は子どもと手を繋ぐ際に、子どもの手の甲を大人の手のひらで包み込み、親指と小指を子どもの手首に引っ掛かるようにすると子どもの手が抜けにくくなるよ!
発達障害のある子の指導の基本は、子どもが行動を起こす直前に気をつけるべきルールを視覚的な情報で伝え、子どもがそのルールを少しでも守れば褒めることです
飛び出し事故を防ぐためには、散歩に行く直前に絵カードを使って、大人と手を繋いで歩くことを子どもに約束させます
最初は、5歩でも10歩でもその約束が守れたら、褒めるようにします
それができるようになったら、少しずつ歩く距離を伸ばして、褒めていきます
子どもが手を振り解きそうになったら、すかさず絵カードを出して「手を繋いで歩きます」と促し、手を繋いで歩き始めれば、また褒めることを繰り返していきます
高所からの転落の防止
高い所に登る理由
・高いところに登ることで得られる刺激を楽しんでいる
・高いところに登ることはよくないことであると分かっていても興奮すると登ってしまう
・大人の気を引きたいためにわざと登る
転落防止策
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まずは子どもが高いところに登れないように足場になるものを取り除くことが大切だね!
例えば、タンスや棚の横に足場になるようなものが置かれていたら、それらを片付けなければなりません
また、登ってはいけない場所に、あらかじめ「×」または「のぼりません」などと書いたカードを貼っておきます。
日頃から、子どもとその場所に行き、カードを指差しながら「のぼりません」と教えます。
その後、子どもが登っていない時に、登っていないことを褒めます
しかし、登ってしまった場合には、登ってはいけないことを示す絵カードを指差して、冷静に「のぼりません」と伝えます
ただし、子どもがそこから降りられたら、忘れずに褒めるようにします
身体を動かす遊びをさせる、くすぐりをするなど、その子が「楽しい」「心地よい」と感じられる他の遊びに導き、高い所に登らなくても、十分な楽しい刺激を得られるようにする
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