【支援者向け】周産期ボンディングへの支援のコツ4選

カバさん
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親の心理的苦痛や育児困難感は不適切養育のリスクが高まるよ!

このため、産科医療のみならず母子保健、精神保健及び児童福祉の多領域が協働した包括的な支援及び予防的介入が望まれます

この記事では周産期ボンディングの基本的な情報から支援まで解説していきます

この記事がおすすめな人

・周産期支援に関わる人
・子育て支援に関わる人
・児童福祉関係者

ボンディングとは

ボンディングとは親から子どもへの情緒的絆で、交流を重ねるごとに強まる「愛おしさ」「守りたい」「親密さ」などの肯定的な感情です

カバさん
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妊娠期から赤ちゃんの存在を胎動で実感しボンディングの感情を育むよ!

ボンディングの形成不全になると

ボンディングの形成不全とは親が子どものことをポジティブな感情で捉えられず、怒りや拒絶などの否定的な感情になり、子どもに対してあたたかく親密な関わりができない状態

ボンディングの形成不全の状態となると、育児場面の回避や放置、乳幼児に対する暴言や攻撃的な関わりなど虐待リスクの高い状態に至るため、その困難度や緊急性を判断し介入する必要があります

ボンディング形成不全の症状の具体例

  • 親密な絆の欠如
  • 拒絶
  • 病的な怒り
  • 乳児についての不安
  • 差し迫った虐待のリスク

ボンディングが育児の大変さを支える

24時間休みのない養育的ケアの提供を支えているのが、ボンディングです

養育的ケアとは、ただ授乳やおむつ替えをするだけではなく、応答的な養育により情緒的な暖かさや社会情動的な成長発達に必要な刺激を与えることです

カバさん
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授乳や抱っこ、スキンシップなど暖かく親密なケアは乳幼児に、安心を与えるよ!

育児は疲労が大きいが、養育者のボンディングが大変さを支えている

養育的ケアの効果

養育的ケアにより、親と子どもの間に高い同調性(シンクロニー)が見らます

このような同調性の体験は、親子の安定した関係性(アタッチメント)に発展すると同時に、乳児のコミュニケーション力や感情のコントロール力を向上させます

これらは小児期、思春期のライフコースで遭遇するストレスフルな出来事に対する子どものレジリエンスを高めることになります

大きくなった時も心が安定し、精神状態の良好が保てる

養育的ケアがなされないと

養育的ケアができないと、子どもの共感的なコミュニケーション能力や情動制御機能に困難が生じ、「育てづらさ」が強まる悪循環となります

小児期注意や衝動のコントロール及び学習の困難
思春期・青年期自尊心の低下、不安・抑うつの発症リスクが高まる
時期ごとの困難

このような子どもの成長発達を視野に入れて、親子2世代を支援することが重要です

支援のコツ4選

辛さに気づくことから

カバさん
カバさん

赤ちゃんに否定的な感情を持つことを自ら訴えることは少ないよ!

健診や訪問の場面で自己記入式の質問票や母子健康手帳の中の育児感情についての所定の質問項目への回答をチェックすることは、有効なスクリーニング法の一つです

表出しづらい否定的な感情は、質問票を活用する

軽度の否定的な感情、「自分の子であると感じられない」と言った訴えは質問票を活用した場合に見られやすいです

カバさん
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情緒的な絆が形成されるタイミングには個人差があり、初産の場合や乳児との接触の機会を制限される状況では遅れる場合もあるよ

否定的な感情の背景を知る

親要因

・うつ病などのメンタルヘルスの問題
・予期しない・望まない妊娠
・DVなどの心理的社会的ハイリスク要因

子ども要因

・疝痛(コリック)
・夜泣きや睡眠の問題
・口唇口蓋裂

「腹立たしい」「こんな子でなかったら」「離れたくなる」などと表現される怒りや拒絶の感情が、赤ちゃんの泣きなどの刺激に対して過覚醒状態の親に生じる場合があります

カバさん
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親密な感情の欠如とともに抑うつ感や育児疲労の重なり、情緒的サポートのない孤立した状況などが長期化すると、赤ちゃんに寄り添えない重度の育児困難状況に進行するよ!

連携が不可欠

軽度から重度のボンディング形成不全の母親を母子保健スタッフと医療機関が連携し、切れ目のない母子の見守りと支援を継続する必要があります

また、重度の事例では養育者の苦痛や精神症状への対応について精神科医などメンタルヘルスの専門家との連携を行います

育児困難状況が切迫していると判断される状況では、子育て支援や児童福祉領域との連携が必要となります

カバさん
カバさん

否定的な感情が強く不適切な養育行動により子どもの安全が確保できない場合には、子どもの保護のために児童福祉機関との連携を図ろう!

子育て支援プログラムの活用

親子の関わり合いの場面に同席し親の感情と赤ちゃんの反応の双方に注目し、共感的に言語化しながら親の否定的な感情を緩和し肯定的な関係性を育むガイダンスを行いましょう

小児医療の現場で、NICUなど分離状況にある親子へのケアとしてカンガルーケアやベビーマッサージなど、身体的・情緒的接触の機会を提供することで情緒的な絆の形成が促進されていることが報告されています

カバさん
カバさん

直接の接触が困難な状況では、写真やビデオ視聴を活用しよう!

妊娠中から胎児に向けて子守唄を歌い聞かせる試みも養育者のメンタルヘルスや赤ちゃんへの肯定的なボンディングの形成に有効であることが示されています

まとめ

今回は周産期ボンディングへの支援について解説してきました

今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります

まとめ

①ボンディングとは親子の情緒的絆で、交流を重ねるごとに強まる肯定的な感情
②養育的ケアが将来の良好な精神状態を保つことにつながる
③支援のコツは、まず辛さに気づき、その感情の背景を知った上で、各機関と連携をとりながら、子育てプログラムを紹介する

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最後までご覧いただきありがとうございました

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