【支援者向け】心の不調のある妊産婦のメンタルヘルスとセルフケアサポート

妊産婦の心の不調というと、

妊産婦の心の不調

・抑うつ気分が強くて身の回りのことや赤ちゃんの世話ができない
・幻覚や妄想によって現実を吟味する力が落ちている
・感情のコントロールができなくなっている
・衝動的になり「死にたい」気持ちがある

などが考えられると思います

ここでは、このような心の不調のある妊産婦への支援ポイントについて、説明していきます

気になる妊産婦への支援のポイント

ストレスの原因とストレス反応を捉える

一般的に人は、脅威な出来事に直面すると、「闘う」のか「逃げる」のいう闘争ー逃走反応が生じ、緊張や不安が高まります

ストレス反応の種類

・心理的な反応
・身体的な反応
・考え方の変化
・行動に現れる変化

カバさん
カバさん

いわゆる、心の不調と捉える精神状態は、ストレス反応が強く表れている状態ってことだね!

「心理的な反応」と「考え方の変化」は精神症状として、「身体的な反応」は精神状態の行動面として捉えているのです

カバさん
カバさん

心の不調をきたしている人のストレスの原因は何か、またストレス反応にはどのようなものがあるのかを捉え、それらを低減できるようにサポートしよう!

精神状態がどの程度セルフケアに影響しているのかを捉える

セルフケアとは、自分で自分のケアをすることです

セルフケアが出来ているか確認項目

・食事の準備や入浴、身だしなみができているのか
・掃除などの様子
・日常生活における活動状況
・午睡や睡眠などの休息状況
・人との付き合い

カバさん
カバさん

たとえば抑鬱状態が強くなると、食事や掃除などができなくなり、人と会うのも億劫になるよ!

精神状態の悪化は、生産的な活動が著しく減り休息に傾きます

心の不調が現れる前と比べてセルフケアの力が著しく低下している場合や他人の手伝いが必要になると、かなり影響を受けていると捉えることができます

カバさん
カバさん

セルフケアの程度を把握することによって、精神状態のレベルの査定ができるよ!

セルフケアの程度

重度
日内変動がある、あるいは食事や排泄、活動、人との付き合いなどセルフケア(日常生活)への支障がかなり強い。
ストレスの原因となる刺激を減らし、向精神薬を用いて頭を休める。
環境調整をし、日常生活についてはできないことには保護的に関わり、支援する
中等度
日によって変動がある、もしくはセルフケア(日常生活)への支障が見られる。
調子の良い日はセルフケアを支援し、調子が悪い日は症状マネジメントを進める
軽度
3日から1週間落ち着いている、もしくは日常生活への支障がほとんどない。
今後の生活を見据えてリハビリテーションを積極的に進める。
何をストレスだと感じてるのかを振り返ったり、アンガーマネジメントや自己主張の練習を進め、ストレスマネジメントができるように支援する

※中等度以上の場合は専門家の介入が必要となります

どのような対処をしているか捉える

カバさん
カバさん

ストレスの原因に対し、その人が脅威だと評価しなければ、ストレスは発生せず、心身の健康は保たれるよ!

しかし脅威だと評価した場合、人は何らかの対処を試みようとします

カバさん
カバさん

ストレス対処に成功すれば、心身の健康は保たれますが、対処に失敗した場合、不健康に移行するよ!

つまり、心の不調をきたしている人がどのようなストレス対処をしているのかを捉え、対処に成功するように支援することが重要です

心に不調のある妊産婦へのセルフケアサポート事例

事例①感染症により心の不調をきたしている事例

第1子を妊娠中(12週)の25歳のAさん。
身長160cm、体重53kg。仕事は一般企業の事務。
悪阻はあったが食べると治る程度で、悪阻による体重減少は2kgである。
現在妊娠による異常は認められない

感染症に「自分が感染するのではないか」と心配し過剰に手洗いやアルコール消毒をしている。
自分でもおかしいと思うが、夫にも強要してしまう。
帰宅後はすぐにお風呂に入り、その後帰宅した夫と一緒の寝室で寝ることができない。
買い物に行くのも怖い、買い出しは夫に依頼するようになった

夫の帰りが遅い時は、部屋を暗くして、訳もなく悲しくなって泣くことが多くなってきた。
家事全般に気が回らなくなり、部屋も散らかり、食事を作ることもできなくなり、こんな自分を「嫌で嫌で仕方がない」と感じている

ストレスの原因

カバさん
カバさん

Aさんのストレスの原因は感染症の感染への恐怖と考えることができるね!

ストレス反応には「自分が感染するのではないか」という強迫観念が引き起こした、過剰な手洗いとアルコール消毒が挙げられ、それを夫にも強要する行動が見られます

強迫観念は強い不安が生じた時に起こりうる症状で、自分でもおかしいと感じているけれども止められないというのが症状です。
また感情失禁も見られています

この強迫観念により、買い物に行けず食事も作ることができないことや、部屋も片付けることができない、感染を恐れるあまり夫と一緒の寝室で寝ることができないなどの、セルフケアへの影響が見られます

カバさん
カバさん

Aさんは妊娠という状況的な危機に加え感染症というストレスの原因が加わったことで、心の不調を呈したと考えられるね!

Aさんの看護上の問題としては①強迫観念により手洗い行動がすぎる、②感染の不安の高まりに関連して食事に関するセルフケア欠如がある、③脅迫行動を夫に強要することにより、夫婦間の緊張が高まる可能性がある、などが考えられます

事例②産後うつの事例

第1子を出産した30代のBさん。
20歳の時結婚に失敗してうつ病を発症した既往がある。
出産を機にうつ病が再発し、産後うつ病と診断された

産後3か月、子どもと一緒にいるのは2時間が限界で、「どうしていいか分からずにおろおろする」という主訴で、夫と共にメンタルクリニックを受診した。
「子どもの顔を見るのも辛い」と言い、時々自宅を飛び出すことがあったという。
夫が帰宅すると「死にたい、死にたい」ということもある

1日中パジャマで横になって過ごしており、買い物などで外出することも全くなかったという。
食事を作るどころか、Bさんは食欲が低下しており、ほとんど固形物を口にしていなかった。
実母と折り合いが悪いため、夫が仕事をしながら、買い物や育児を可能な範囲で行っている。
Bさんは、横になったまま母乳を与えることはできるが、赤ちゃんのおむつ交換は頻回にできず、おむつかぶれもひどい状態であった。
沐浴は夫が帰宅してから行っている。
夜間も眠れておらず、赤ちゃんが泣いてもあやすことができずにおろおろしてBさんも泣いていたという

ストレスの原因

Bさんのストレスの原因は、妊娠以前のうつ病の発症があることに加え、妊娠出産に関連したホルモンバランスの変化などが考えられます

ストレス反応は、不安、抑うつ気分や睡眠障害があり、希死念慮も見られます。
衝動的な自宅を飛び出すこともあり、かなり医療的な支援が必要な状態だと考えられます

セルフケアへの影響は、不安や抑うつ気分が強く、自分では買い物もせず食事も取れない状況です

清潔面に関しても、掃除ができない、自宅にいると1日中パジャマで過ごすなど、著しく清潔に関するセルフケアが低下しています

ほとんど寝て過ごしており、活動と休息のバランスも著しく低下しています

抑うつ気分が強い上に、育児をしなくてはならず、どうしていいか分からなくなり、衝動性が高まり希死念慮を抱くと考えられます

カバさん
カバさん

Bさんは重度の精神状態だから、精神医療の専門家の介入が必要だよ!

ストレスの原因となる刺激を減らし、向精神薬を用いて頭が休まるようにサポートし、環境調整と日常生活上のできないことを具体的に支援する必要があります

母子保健関係者の心の保ち方

母子保健関係者は、妊産婦の心の不調の原因がDVや自身の虐待からくるケースや、あるいは心の不調の結果、子への虐待に至るケースに関わることがあると思います

ここでは支援側の共感疲労について説明します

医療従事者は、外相的な出来事を体験している患者に共感的配慮をすると共感的反応が起こります

この段階で医療従事者に満足感がなされなければ、残存した共感ストレスが生じます

カバさん
カバさん

長期にわたって暴露し続けたり心的外傷となりうる記憶に晒され続けると共感疲労が生じるよ!

そこで、満足感をできるだけ高める工夫やうまく解放することが重要になります

満足感を高めるには

満足感を高めるためには、自分たちが行った看護の意味を見出すという作業が必要です

カンファレンス等を通して、一生懸命に関わったことに無駄なことは何一つないことや自分たちの看護でできていることを認め合うことが重要です

うまく解放するためには、さまざまなストレスマネジメントの手法を持ち合わせることが重要です

常日頃より緊張状態を緩めるような呼吸法やマインドフルネスを積極的に導入することも効果的です

カバさん
カバさん

自分のストレス反応に目を向け、現実的にできそうなところから自分自身のケアをしていこう!

そして、疲れている時は一人で頑張らないで、時には人の力を借りることも重要です

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