【支援者向け】発達障害のある子への支援のコツ

日々、母子支援の仕事に携わっている人は、発達障害のある子とその親への支援は避けては通れない道です

この記事では、発達障害のある子への支援をする上で、抑えておきたいポイントを紹介していきます

必要なのは診断ではなく丁寧な支援

発達障害の診断

発達障害とは、集団行動が苦手だったり、じっとしているのが難しかったり、興味を抱く範囲が極端に狭かったりと、生まれつきの様々な特性があり、それが生活に支障をきたしている状態

発達障害は、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)などいつくかの分類がされていますが、同じ人に幾つかの発達障害があることもありますし、同じ発達障害でも特性の内容は一人一人異なります

一つの症状を捉えただけでは判断できないといった特徴が発達障害の理解を難しくしています

カバさん
カバさん

「ちゃんと歩くことや話もできるのに」「見た目では普通の子なのに」と親や周囲が戸惑ってしまうことも発達障害の難しいところだね

発達障害の乳幼児期のサインとしては「寝ない、食べない、泣き止まない」といった育てにくさや、「首の座りが遅い、つかまり立ちをしない」などといった運動発達の遅れが挙げられますが、これだけならよくある育児の悩みに過ぎません

乳児期の育てにくさ

1か月:突っ張って抱きづらい、泣き止まない、寝ない
3か月:あまり泣かない・笑わない、首が据わらない、体が柔らか過ぎる、寝返りしない、寝ない
6か月:お座りができない、離乳食を食べない、ハイハイしない、夜泣き
9か月:後追いをしない、人を避ける、ハイハイやつかまり立ちをしない、手がかからず「育てやすい子」
18か月:癇癪がひどい、手を繋いで歩けない、母親から離れない

また自閉スペクトラム症の症状の一つに「つま先歩き」というものがありますが、小さい子はつま先立ちで歩くこともありますよね

カバさん
カバさん

発達障害は「この症状があるから発達障害です」とすぐ判断することは難しいよ!

発達障害は経年で見ていく必要があります。
例えば夜泣きなどはある時期を過ぎると大抵落ち着きますが、それがずっと続き他にも発達障害のちょっとしたサインなどが加わって組み合わさってくると、発達障害かな?という気づきにつながるのです。

発達障害かどうかは、総合的な発達で判断していく

診断より支援が大切

カバさん
カバさん

発達障害の子への支援で大切なことは早期に診断することではなく、その子が健やかに育つことを支援することだよ!

これまで現場では「発達障害を早期発見し、いち早く専門機関につなげること」を目指してきました

ですが、子どもへの対応テクニックを親に伝えることを専門機関だけに任せ、専門家しかアドバイスができないという状況をそろそろ変える時期に来ていると思います

これからは、子育てに関わるすべての人が、その場その場で発達障害の子がうまく適応するための対応テクニックをアドバイスできるようになって欲しいと思っています

療育現場だけでなく、支援者全員が対応テクニックをアドバイスできれば、療育につながる前に余裕を持って対応できるようになる

カバさん
カバさん

発達障害と診断されても、適切な支援の結果、学校などで多少の躓きはあっても成長し、社会で活躍する人もたくさんいるよ!

例えば、発達障害の子はマイペースな子が多いので、自分のやりたいことを静止されるとパニックになったり癇癪を起こしたりしてしまいます。
そこで前もって「次はこうするよ」「今日は〇〇するよ」などと予告してあげると、癇癪を起こすことなく、理解ができ、適応できるようになります

療育現場では、こうした対応テクニックのほか、自閉スペクトラム症の子に対し認知行動療法を取り入れて対応をしたり、児童発達支援事業によって全国で療育が受けられるようになってきています

環境づくり

今でいう発達障害の子も昔は「ちょっと厄介な子」として普通の子と同じ枠の中で扱われてきました

昔は「発達障害」という概念がなく気づかれていなかったということもあるでしょう

ですが、発達障害の認識が広まった現代では、発達障害だから仕方ないと対応を諦めたり専門家だけに任せるのではなく、その子の特性や困りごとに応じた対応テクニックを保健師、保育士など子どもに関わる人全員が身につけていくことが必要だと思います

「座っていられるための工夫」や「指示が通りやすい言い方」など、発達障害の子への対応を通常の子育てに使用することは効果的であることが多いです

カバさん
カバさん

そうした対応テクニックが広がれば、発達障害の子も定型発達の子も同じように見ていけるね!

発達障害の子のための環境は、定型発達の子のための環境にもなる

療育の現場だけでなく、社会の中に発達障害の子に対応できる環境が整えば、子どもたちもよりスムーズに適応していけるようになるし、保護者も子育てしやすくなるでしょう

複数の目で見守る

健診での支援だけでは足りない

発達障害には息の長い支援が必要となってくるため、定期的に親子に会い、切れ目なく寄り添い続けることが重要です

カバさん
カバさん

健診だけで親子と接する機会を賄おうとするととても足りないよ!

就学前までに国に定めている健診は1歳6か月児健診と3歳児健診の2回のみで、その他、1歳までに市区町村ごとにあと数回加わるだけです

特に、3歳児健診後から就学前健診までの期間は大事な育ちの時期にもかかわらず親子との接点がなくなってしまいます

他職種との連携

それを補うためにできるのが、保健師だけで抱え込まずに地域の他職種と連携し、複数の目で見ていくこと

健診で気がかりがあったらそのままにせず、保育園の先生に伝えてもらったり、親に了承を得た上でかかりつけ医に健診の状況を伝えたりして、連携していって欲しいと思います

カバさん
カバさん

母子健康手帳もぜひ活用しよう!

健診ですべきこと

そして、健診でも「今日はできなかったけど、またチャレンジしにきてね」と次につながる声がけや、「こんなことがあったら相談しにきてね」といった予防的な声がけによって、その後もフォローできる関係を作ることも大切です

「この機会を逃したら次に伝える機会がない」と思うと、その場で何らかの解決を図らねばと思ってしまいますよね

カバさん
カバさん

気になることがあったらまた会うようにする。そして保健師だけでなく皆で見守っていけるように目線を広げていく、ということが大事だね!

多くの子たちを見ている保健師は、健診の場で「この子は自閉スペクトラム症かな?」などと感じると思います

でも、その子に遅れや違和感があることをそこで親に認めさせようとすると、健診での対応そのものが難しくなってくるし、保健師も親もお互いに苦しくなってしまします

健診の場ですべきこと

気になることの指摘ではなく、普通の子育て相談と同じように、目の前の子が抱える一つ一つの困難に丁寧に対応し、アドバイスしていくこと

例えば子どもが○をかけなかったときに、発達の遅れを指摘するのではなく、「◯が書けない」という事実を親と共有するだけでも十分です

課題を共有した上で、「こういう遊びをすると◯が書けるようになるよ」などと、課題への対応法をアドバイスできれば親も安心できるでしょう

カバさん
カバさん

まずは子どもが適応できる助言をする。背後にある遅れなどについてまで言う必要はないよ

そしてできなかったことができるようになったら、子どもはもちろん保護者も褒めること。
親が喜んだりやる気を出したりできると、それが子どもに向かっていきます

親も、健診での発達の遅れなどを「指摘される」と思うと、健診に行くのが怖くなってしまいます

カバさん
カバさん

親が前向きに相談できたり、意欲的に子育てに取り組めたりする環境を作っていくことが重要だよ!

そのためにも、個別でじっくりその親子に向き合うように健診が求められていると感じます

子どもも親も褒めて伸ばす!

親の不安や心配事、困りごとをしっかり受け止め、課題を共有する。
その上で先ほど言った対応テクニックをアドバイスできるようになれば、健診は子育てを楽しめる環境を整える役割を担えるのではないでしょうか。

子どもの特性に合わせた対応例

マイペースな子への対応
事前に予告をする、間違いをその場で修正してあげる、主導権を子どもに渡さない、生活の流れを一定にする

落ち着きがない子への対応
褒める(できたことだけでなく、やったことも褒める)、怒られないように工夫する(片付けやすいように工夫する)

発達がゆっくりな子への対応
絵本読み、身辺自立を確実に

まとめ

先ほども言いましたが、これからの支援で大切にして欲しいのは、早期発見をし、いち早く専門機関に繋げるだけではなく、みんなが発達障害の子への対応テクニックを身につけて支援をしていくことです

目の前にある困難についてアドバイスを重ねていく中で、親が「また相談に来たい」「頑張って子育てしていこう」と思えるような育児への意欲を育み、良い循環を作っていければ、子どもたちも社会生活に適応しやすくなり、結果的に「発達障害」と診断される子は減っていくのではと思います

発達障害の子も、普通の子育てと同じように、みんなで育てていける、理想の環境が実現できるよう、ぜひ力強いサポートをよろしくお願いいたします

また、支援者としての個人の力を伸ばす・より力を発揮できる場所で働くという点では転職を考えてみるのも一つの方法です↓(保健師の求人も多くおすすめです)
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