【支援者向け】ASD児と家族への支援のコツ

発達障害では早期発見、早期介入が重要であるということがわかってきました

しかし、実際には発達障害が疑われるお子さんに対して

支援者
支援者

・保護者の理解が得られず、療育につなげることができなかった

・療育を勧めたことで保護者の負担が増し、逆効果になった

という経験を持たれる支援者の方も多いのではないでしょうか

ここでは、自閉スペクトラム症をいつ頃発見し、どのように支援していくのが良いのかについて述べていきます

ASDの診断

1歳6か月児健診の役割

これまで自閉スペクトラム症(以下ASD)は3歳を過ぎないと診断ができないと言われてきましたが、近年、言葉を使わない社会性の発達を確認することによって2歳前後でASDの診断が可能となってきました

カバさん
カバさん

その最初の機会が1歳6か月児健診だね!

1歳6か月児健診では主に、社会性の発達に関して以下の行動の確認をします

・人に対して関心を持っているか
・人と興味を重ね合う(共同注意)ことができるか
・人に対して情動反応があるか
・行動を起こす前に親の反応を確かめるか

上記を網羅するM -CHAT(乳幼児期自閉症チェックリスト修正版)をスクリーニングに導入する自治体も増えています

しかし、チェックリストはあくまでもスクリーニングであり、カットオフを超える=ASDではありません

カバさん
カバさん

知的発達の遅れが大きい、他者に対して全く関心を示さない場合には保護者への支援を行いながら、児童発達支援センターなどへ繋いでいくのが良いね!

グレーゾーンの子達への対応

いわゆる「グレーゾーン」の子たちに対しても、コミュニケーションのサポートは必要です

カバさん
カバさん

通常、子どもからの反応が薄いと親から子どもへのコミュニケーションも乏しくなりがちだよ!

子どもとの関わり方に関して「子どもの行動の真似をする」「子どもが見せたいもの、持ってきたものに対して子どもがわかるように反応する」と言った具体的なアドバイスを行うことが有効です

1歳半から2歳では保護者の心配は「言葉の遅れ」に集約されがちですが、子どもと大人の関わり(ノンバーバルコミュニケーション)は重要であり言語発達の土台となります

グレーゾーンの子達は支援に乗りにくい分、親の関わり方で、発達の伸びに大きな差が出やすい

グレーゾーンの子達はコミュニケーションの支援を行いつつ、2歳でのフォロー、もしくは3歳児健診でのアセスメントを継続的に行います

早期の診断は必要?

先に、ASDは2歳前後で診断が可能であると述べましたが、知的発達、あるいは社会性の発達の遅れが大きいほど幼児期早期に発見されます

知的発達、社会性の発達の遅れが小さいと集団生活に入ってから見つかり、さらには就学後、思春期に見つかることもあります

つまり、特定の疾患と異なり、ASDが発見される時期、発見しなければいけない時期はここの知的水準、社会性の発達水準によって異なるため、何歳までに診断を受けなくてはいけない、療育を開始しなければいけないということはありません

カバさん
カバさん

発達が遅れている、保護者が子育てに困っている、子ども自身が困っている(であろう)状況では、それをいち早くキャッチし、サポートする必要があるよ!

保護者からの相談と対応

よくある相談内容

保護者から

・言葉(最も多い)
・癇癪
・食事の好き嫌いが激しい
・こだわりが強い

保育所や幼稚園

・他児に噛み付くといった他害行動
・集団活動に参加しない
・一斉指示で行動できない
・切り替えが悪い
・友達と関わらず一人遊びをしている

また幼稚園や保育園では問題がないが家で癇癪が激しいといった相談事を受けることがあります

相談への対応

カバさん
カバさん

それぞれの問題行動に対してはなぜそれが生じるのかを考えることから始めるよ!

そのためにはその子にはどんな特性があり、どんな状況で起こったのかといった情報収集が必要となります

例えば、他の子に噛み付く行動一つに関しても「うるさいのが嫌でイライラして隣の子に噛みついた」のと「おもちゃを取られたと思い噛みついた」では対応が異なります。
前者であれば聴覚過敏がないか確認し、もし聴覚過敏であれば、不快に感じる環境を回避する手段を考える必要があります。
後者であれば、おもちゃの貸し借りのルールを教える必要があるでしょう

カバさん
カバさん

問題行動だけに注目し、それを抑えるのではなく、その背景にある子どもの困りごとの解決を行うことが必要だね!

相談への対応は情報収集から

その作業は次に述べる療育的な意味を持つことでもあります

支援

保護者の考え方を正すことから

カバさん
カバさん

発達障害に対する基本的な考え方において、いわゆる「普通」を目指すのではなく、その子らしさを尊重し、その子の特性(=学びのスタイル)に合わせた支援を行うことが重要だね!

そのような支援を受けることによって発達障害のそもそもの特性によって学びにくい事柄にもアクセスでき、子どもが持つポテンシャルを引き出すことが可能となります。

ゆえに、保護者は「周りと同じように」「◯歳だからこれができなければいけない」という考えからのパラダイムシフトが必要となります

環境作り

幼児期に発見されたASDの多くは、「人への意識が薄い、人と関係性を持ちにくい」「周囲の状況を理解し、必要な情報を取り出し行動することが苦手」という特性を有しています

そのため、皆が当たり前にわかっていることも理解できていないことが多いです

カバさん
カバさん

まず、「曖昧なことを明確化する」ことによって子どもにとってわかりやすく整えることが必要だね!

今何をする時間か、次にどうなるのかなど、視覚的にわかりやすい環境を作ることで、子どもの不安や混乱を減らすことが可能となります

何が起こっているかわからない状況→わかる は大きな前進

保護者からは「絵カードを使い始めたが、相変わらずいうことを聞かない」という結果をよく耳にしますが、わかりやすい環境作りは大人の指示に従わせることが目的ではなく、子ども自身が今何をする時間か、次にどうなるのかなど、主体的に理解し行動できるようにすることを目的とするものです

支援に繋げられない

療育にスムーズに繋ぐことができないケースは2つに分類することができます

1.健診や幼稚園、保育所で指摘を受けても保護者自身の気づきが薄い
2.保護者に受け止めの準備ができていない

指摘しても保護者の気づきが薄い

保護者の気づきが薄い場合の多くは、子どもが家庭内では問題行動を起こさず、保護者自身は子育てでは困っていない時に見られます

このような場合には、親子教室など小集団の中で保護者自身に気づきを促すことが有効です

受け止めの準備ができていない

2つ目の受け止める準備ができない背景には、子どもの現状や将来への不安が存在する場合が多く見られます

カバさん
カバさん

まず、保護者の気持ちを否定せずに傾聴することから始め、次に子どもの問題行動、発達に関して具体的な助言を行うことで、保護者の不安を和らげよう!

当然、保護者の価値観によっては受け止められるようになるには時間がかかることもあります

支援者は子どもに療育を受けさせようと焦りがちで、場合によっては保護者に対して「早く療育を受けさせなければ治らない」といった保護者の不安を煽ることで療育につなげようとするケースも時に見られますが、慎まねければなりません

カバさん
カバさん

療育の良さがわかっているからこそ、焦りがちだね!

療育施設だけが支援ではない

先に述べた療育の最初の部分は療育施設だけでなく保健所の親子教室、保育所・幼稚園でも行うことができます

子どもの特性に合わせた対応によって子どもに変化が生じ、それにより保護者の理解が深まり本格的な療育に前向きに進めることもあります

カバさん
カバさん

受容→療育の順番にこだわる必要はないね!

支援者は、発達の遅れ、偏りのある子どもを見つけると早く次のステップ(医療・療育)に繋がなければと焦り、それが保護者への苛立ちになりこじれることが多いようです

早期発見は、レッテルを貼ることではなく、通常の子育てではうまくいかない子を発見すること。
子どもの特性にあった子育て方法を助言することができていれば、それですでに療育はスタートしている

おわりに

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