お子さんの気の散りやすさ、落ち着きのなさ、感覚の過敏さに悩んでいませんか?
一見わがままに見える行動には原因があることがあります
その原因を知ることで適切な対応の仕方を知ることができます
この記事では、感覚についての解説から関わり方のコツを解説していきます
「感覚統合」とは
今、皆さんの目には、いろいろなものが映っているはずです
スマホ、スタンドの明かり、自分の手、着ている服の補口の色も、たぶん視野に入っているでしょう
椅子に座っている人は、お尻と太股が椅子の座面に接していて、自分の体重の重さで押されています
でも、お尻が座面に接していることが気になってムズムズしたりもせず、落ち着いて座っていられます
また、着ている洋服のえりや袖口が皮膚にさわっている感じが気になって、文字が目に入らない、ということもないはずです
このようにたくさんの情報が、からだの末端器官から絶えず脳に向かって送り込まれているにもかかわらず、私たちはこの読んでいる文字だけに注意を集中して読むことができます
それ以外の情報については、大脳に行く前の段階でスイッチを切ってしまって、見ないように、感じないようにしているのです
このように、目下必要ない刺邀については電線の途中でスイッチを切り、必要な刺識だけを大脳に送り込むはたらきのことを「感覚統合」といいます
いろいろな感覚の中から必要な情報を取り出して、それを統合的に判断した結果です
このスイッチの切り替えを行なうコントロールセンターが、主として脳幹にあるよ!
生活リズムを整える一方で、からだを動かして遊んだり運動したりすることが、脳幹のスイッチ切り替え(感覚統合)のはたらきを発達させます
感覚統合のうまくいかない子ども
色々な感覚の中から必要な情報を取り出すことがうまくいかない子どもの場合は、いろいろ不思議な行動をします
- 壁のパネルの継ぎ目を横目でジーッと見る
- 天井の明かりを目を細めて見る
- 洋服が気になって袖口や首回りをムズムズ引っぱる
- 「ジッとしていなさい」と言われても座っていられなくてモゾモゾしたり、さまざまな動きをする
- 部屋で遊んでいても、外から音が聞こえると、そのたびに飛び出して行って確かめないと気がすまない
- 裸足で芝生に出そうとすると、大騒ぎして、すぐ家に入る
- ちょっと風が吹くと「寒い」と部屋に逃げ込む
- 手をつなごうとすると、さも汚らわしいものに触るかのように手を引っ込める
- 頭をなでてあげようとすると、ヒョイと逃げる
- 抱っこしようとすると、ワーッとのけぞって逃れようとする
感覚入力がこんなふうに歪んでいれば、抱っこがきらいだったり、他人が近づくだけで身構えたり逃げたりするのも無理ないよね!
子どもの好む遊び=子どもに必要な遊び
感覚統合がうまくいかない子どもには、その子が好む遊びをして、たくさんからだを動かしてあげると、スイッチの切り替えの錆つきや電気の通りの悪さを少しずつ解消することができるようになります
専門的にはそれを「感覚統合開発」といい日本ではOT(作業療法士)が中心になって普及している
感覚統合訓練を受けて、目ざましく変化してゆく子どもたちがいます
感覚入力の基礎の部分でつまづいているために、ことばの遅い子どもたちには、「ことばを教える」ことだけにとらわれることなく、まず、しっかりからだを動かして遊んであげることが大切です
感覚統合を進める上で、どんな遊びが必要かは、子ども自身がいちばんよく知っています
子どもが好む遊び、子どもが求める遊びをたくさんしてあげることが、脳のはたらきを活性化し、発達を進めることになります
からだを使った遊びが脳を発達させ、ことばにつながる
感覚過敏がある子について詳しく知りたい方は「感覚過敏がある子への対応のコツ3選」の記事を参考にしてください
まとめ
今回は感覚統合について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります
また、感覚の感じ方に偏りのある子は発達障害の可能性もありますので、気になる方は「自閉症と関わり方のポイント6選」の記事を参考にしてください
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました