【支援者向け】小児慢性特定疾病の概要と支援

小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象となる疾病は788疾病となり、制度を利用している子どもは約11万人いるとされています

治療法が確立されていなかったり長期間の治療が必要だったりすることから、小児慢性特定疾病児本人はもとより家族の負担は大きいです

この記事では、小児慢性特定疾病とは何なのかから支援の方法まで紹介していきます

小児慢性特定疾病とは

小児慢性特定疾病とは、小児慢性特定疾病対策の対象となる16疾患群788疾病の慢性疾病

カバさん
カバさん

慢性疾患とは、風邪の様にすぐに治ったりする病気とは異なり、長期にわたって医学的な介入が必要になる病気だよ!

対象となる慢性疾患に関しては、小児慢性特定疾病対策という施策が講じられています。
この施策は、小児慢性特定疾病を抱える子どもと家族を支援する国の制度です

支援の3つの柱

①患者家族への医療費助成等の支援
②患者の自立支援
③疾病の調査や研究の推進

対象者

小児慢性特定疾病対策の根拠となる児童福祉法では、18歳未満のものを児童として定義していますが、小児慢性特定疾病に関しては継続して支援が必要な場合には20歳未満まで支援が受けられます

疾病の対象要件

どの様な疾病を対象とするかについては、定期的に厚生労働省による専門委員会で検討されています

対象要件

①慢性に経過する疾病であること
②生命を長期にわたって脅かす疾病であること
③症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
④長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること

カバさん
カバさん

先天性の病気や子どものうちに発症する慢性疾患はほぼカバーされており、患者数が極めて少ない希少疾病も含まれているよ!

医療技術の進歩との関係

昨今医療技術の進歩により、小児領域の疾病構造が大きく変化してきています

昔は治せなかった病気が治せる様になり、またワクチンにより予防もできる様になりました

中には、完全な治癒に到達できず疾病を抱えて成人期に到達する子ども達が増えてきています

生命は助けられたが、長期に療養が必要な疾病が増加しており、本制度の必要性が上がっている

対象となる病状の程度

新たに指定する疾病がどの疾患群に属するかを検討した上で、当該疾患群内で用いられている統一基準と整合性を考慮し、追加する疾病の病状の程度を設定しています

そのため、疾患群ごとに概ね共通の基準となっています

病状の程度の基準

①疾病に罹患していること
②症状があることまたは治療していること
③各疾患群の特性に応じて作成された基準を満たすこと

事業の背景

小児慢性特定疾病対策は、もともと疾患別に行われていた支援施策を50年近く前に1つの施策に統合してできた施策を起源としており、歴史が長く、徐々に対象疾病を拡大しつつ現在に至ります

難病法制定と同時に行われた児童福祉法の改正後

・医療費助成の対象疾病:516疾病→788疾病

・移行期医療支援センターの整備

・平成26年に行われた児童福祉法の一部改正では、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の創設

普段の業務で出来ること

発育の確認

ずいぶん体格が小さいかなと感じた場合に、「低出生体重児で生まれたのか」「最近急に背が伸びなくなったということはないか」などを確認していただき、明らかに体格の伸びが悪い場合は、医師に繋いでください

また、3歳児健診での尿検査により、腎臓病が早期に発見できる場合もあります

成長ホルモン分泌不全性低身長症

カバさん
カバさん

小児慢性特定疾病の中で一番人数が多いのは「成長ホルモン分泌不全性低身長症」で全体の約1割を占めるよ!

原因

①成長ホルモンの分泌が不足
②骨などの病気や、内分泌疾患を伴う症候群
③小さく生まれてきたために低身長となる

3つのケースのうち、小さく生まれたことが原因となる低身長症に関しては、現在のところ小児慢性特定疾病対策の対象にはなりません

成長ホルモン治療が必要になる子は、3歳くらいの開始段階で診断がつき、成長ホルモンの注射を開始していきます

基礎疾患がある子にとっての健診

カバさん
カバさん

健診の場では、小児慢性特定疾病を新たにスクリーニングするというよりは、基礎疾患があり病院通いをしている子どもたちの成長や発達を確認してもらうことが中心になるよね!

基礎疾患がある子でも、健診で気をつける点は、一般の子と大きくは変わりません

健診の際には年齢相応の発達をしているかどうかの確認をお願いします

例えば、何度も手術を繰り返している子の場合は、もしかすると体格が小さいかもしれません

食事がどのくらい取れているか、その子なりのペースで発育できているかを見てください

入院期間が長かった子の場合は発達の進み具合や親子関係(親子の愛着形成)などについてが、確認していただきたいポイントになってくると思います

家族への支援

疾患に対する医学的な対応については、すでに病院と連携が取れているはずですので、その確認を行いつつ、主に毎日の生活や子どもの周りの環境を整えられる様な支援をしてもらいたいと思います

全ての子育て家庭に言えることだと思いますが、産後支援は重要です

カバさん
カバさん

親が育児に一生懸命になりすぎてしまい、次第にストレスが溜まり、人によっては鬱症状が出る様なこともあるよ!

両親のレジリエンスの状態にもよってきますが、病気を抱える子どもの育児は、健常児と比べてより負担感を感じます

多い例

・核家族化を背景に、サポートが得られず、特に母親が一人で抱えてしまう
・病気の子が産まれたことにより、夫婦関係に影響

夫婦関係も含め、親が人的・精神的なサポートを得られているかという点を確認してください

きょうだい児支援

見過ごされがちなのが、きょうだい児です

カバさん
カバさん

親の目が病気の子に向きがちになり、「ママやパパを取られちゃった」という気持ちを抱えている子が少なくないよ!

こうした状況はきょうだい関係や親子関係にも影響していくので、きょうだい児支援についても視野に入れていただきたいと思います

社会資源の提供

医療費などの助成や障害福祉サービスなど行政が提供している支援についての情報提供をお願いします

子育て世代は一般的に収入がそれほど多くありません。
そこに医療費などの負担も加わることになります

多くの自治体で乳幼児や子どもへの医療費助成が行われてはいますが、所得制限などの制約がある場合があります

申請できる公費助成などの行政施策は自分から情報を入手して申請しなければ受けることができない

周囲の支援者が情報提供することで、より適切な行政支援が受けられるきっかけになります

カバさん
カバさん

行政施策は複雑でわかりづらいことが多いから、患者家族の状況を踏まえて、「それであればこっちの助成を使ったほうがいいですね」と言った様な噛み砕いたアドバイスをしよう!

母子保健担当と障害福祉担当とが連携しつつ、情報提供をお願いできればと思います

また、病気の子を連れて役所に行くこと自体が大変なことでもあるので、家に居ながらでも相談や申請ができる様な体制や工夫があると良い思います

おわりに

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