普段子どもの健診や子育て相談を聞いていると
うちの子発達障害ですか?
私のせいで発達障害になりましたか?
と聞く親御さんが多くなりました
「発達障害」について調べれば調べるほど混乱し、かえって不安が強くなったということもあるのではないでしょうか
また、発達障害のある子どもには、わがまま、自分勝手、と思える行動が見られるため、よく
「しつけがなっていないからだ」
と親が責められたり、親自身がそう思い込んだりして落ち込んでしまうことも少なくありません
発達障害の要因は様々な理由が指摘されていますが、結論から言うと、発達障害は育て方が原因ではないです
この記事ではそもそも発達障害とは何なのかという知識を深め、お子さんに合った対応の仕方ができるよう詳しく解説していきます
発達障害とは?
発達障害の原因
発達障害の原因を知るには、改めて発達障害とは何か、という点を理解する必要があります
人によって少しずつ捉え方の違いはありますが、発達障害とは
「脳の働き方に偏りがあり、物事の捉え方や行動に目立った違いが表れ、そのことで日常生活に困難が生じる状態」
ということができます
なんだか難しい言い回し…要するにどういうこと?
重要なことは「脳の働き方に偏りがある」と「日常生活に困難が生じる」という2つのワード!
ここで言いたいのは、発達障害の原因が、親のしつけや育て方ではないということです
発達障害の原因は「脳の働き方」とされており、決して親の育て方のせいではない!
「脳の働き方に偏りがある」とは?
発達障害は「脳の働き方に偏りがある」と言われていますが、脳のどの部分がどのように関わっているのか的確に分かってはいません
脳の働き方
人の発達には、全て脳が関わっていますが、脳はそれぞれの部位に役割があり、色々な仕事を担いながら総合的に働いています
歩けるようになった、喋れるようになった・・・というようにできなかったことができるようになる、発達するのは、脳がその役割ごとにうまく働いた証拠です
この脳の働きは、部位によって性能が異なり、1つの脳の中でも
・高性能の働きをするところ
・普通のところ
・あまりうまく働かないところ
があります
つまりこれが脳の働き方の偏りです
発達の凹凸
「脳の働き方の偏り=発達の凹凸」は誰にでもあるよね!
この凹凸は、人によってあまり差がなかったり、とても大きかったりします
差があまりない場合は「得意・苦手」という捉えになり、差がとても大きいと、凸は能力が高い「才能」と捉えられ、凹はその程度によって「障害」と捉えられる場合があるのです
発達の凹凸の差が大きいと障害となり得る!
なんだか「天才」と言われるか「発達障害」と言われるかは紙一重な感じ…
困難度が1つの診断基準
発達障害の特性(症状や特徴)については、
これって障害?個性では?
と思うようなことがたくさんあります
発達障害の定義の中の「物事の捉え方や行動に目立った違い」と言うのは、どの程度だと「目立った違い」になるのかは、捉える人によって違います
ここでもう一つのワード「日常生活に困難が生じる」が関わってきます。
なぜなら、この障害と捉えられる発達の凹凸の程度として、「日常生活に困難が生じているか否か」が1つの基準になっているからです
具体的にその特性の表れ方(程度)が同じでも、生活に支障がなければ、障害と診断されないことが多くあります。
発達障害は、時に「生活障害」とも言われますが、それにはこのような理由があるのです
日常生活に困難が生じていなければ「障害」ではなく、「個性」の範疇!
障害かどうかの境界は曖昧だね!
発達障害の種類
発達障害にはそれぞれに目立った特性があるとされ、それが診断の基準となっています
ところが障害かどうかの境界線は曖昧で、なおかつ、それぞれの障害についてもはっきり線引きできるものではありません。
ASDの特性がありながら、ADHDの特性もある、というように、いくつかの障害が重なることもあるのです
「人と関わるのが難しいのはASDの特性だけど、落ち着かないのはADHDの要素かもしれません」ということもあるよ!
発達障害をいくつも診断されることがある
発達障害と診断されたら
子どもに発達障害があると診断された時、多くの親御さんがショックを受けます。
肯定的に受け止める方もいれば診断をなかなか受け入れられなかったという人も多いです
どうしてうちの子だけ…
障害であって欲しくない
今まで分からなかった子どもの行動が、診断名がつくことで納得できた、楽になった
診断は受け入れなくても良い
これらは親として当然の思いです。
無理に診断や障害を受け入れようとする必要はありません。
ただ、子どもにどんな特性があるのか、そのことは気にしてほしいと思います
診断のメリット
診断には、その子どもに特別なニーズがあることを周囲の大人が共通認識できるというメリットがあります
早期に診断されれば、適切な支援を早い時期から進めることができ、周囲の無理解から自尊心を傷つけられ、本来の障害とは別の二次的な症状が現れる「二次障害」のリスクも少なくなります
大切なのは子どもにどんな特性があるかを知ること!
特性がわかれば、診断名がなくても子どもに合った適切な支援を進めることができます
診断・障害を認めなくても支援は進められる
発達障害は遺伝する?
結論から言うと、遺伝するかどうかは、どちらとも言えません
というのも、子どもは、親から色々なことを受け継いで生まれてきます。
それは、目が似ている、足の形が似ていると言ったことから「足が速いのはお父さん譲りだね」「几帳面なのは、お母さんに似たのかな?」など、親子で共通してみられる要素があります
脳の働き方についても、受け継がれる部分と受け継がれない部分がある、そういう意味で遺伝する可能性がゼロではないということなんだね!
(↓子どもの能力の遺伝子を検査してみたい方はこちらを参考にしてみてください)
発達障害は治るのか
これは「治る」「治らない」ではなく、「発達します」という言葉で答えるのが適切でしょう
特に子どもは発達の過程にあるので、発達の特性も環境や対応により変化していきます。
そのため、診断は固定的なものではなく、診断がつかなくなる状況も当然出てきます
「生活に支障をきたしている困難=発達障害」は、適切に関わり、育てていくことで、困難が気にならなくなる位に「発達」する
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました
この記事で発達障害について知り、親の責任ではないと言うことも理解できたと思います
各疾患の詳しい関わり方のポイントが知りたい方は↓でより理解を深めてください
・自閉症
・注意欠如多動症(ADHD)
・学習障害
・発達性協調運動障害
この記事が、少しでも皆様の不安解消と育児の軽減に役立てればなと思います
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