乳幼児のアレルギーの悩みQ&A

よく悩みの相談がある事柄をQ&Aでまとめました

この記事を参考に正しいアレルギーの知識をつけていきましょう

ワクチン接種後に蕁麻疹が出た

Q.昨年6歳の娘がインフルエンザワクチンを接種した際、1回目はなんともなく、2回目の接種直後に蕁麻疹が目の周りに出ました。
その時はジルテックを服用し、治りました。
娘は卵の食物アレルギーもありますが、数値は極めて低く症状などは出ません。
花粉等による鼻炎の方がひどいくらいです。
小児科では防腐剤が含まれないワクチンを使用しているようですが、アナフィラキシーショックを考えると怖くて、今年の接種をするか悩んでいます。

回答

A.予防接種不適当者ではないので接種できますが、担当医とよく相談しましょう

インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーは、極めて少ないですが毎年報告されています

2014年10月から12月に接種されたインフルエンザワクチンの重篤なアナフィラキシーの頻度は、ワクチンメーカーに関係なく10万接種あたり0〜0.5と報告されています

以前はウイルスを培養する発育鶏卵由来の卵成分によるものとされていたが、アナフィラキシーを引き起こすほどの量ではないとして、現在では原因ではないとされている

防腐剤のチメロサールがアナフィラキシーを引き起こす可能性は否定できませんが、前述のようにアナフィラキシー自体が極めて稀です

また防腐剤を含んでいないワクチンのアナフィラキシーが他より少ないわけではありません

接種直後から蕁麻疹が出現したとなると、ワクチンが原因である可能性は高いと思います。
ただし、どの成分に対するアレルギーなのかはわかりません。
次の接種の時に重篤なアナフィラキシーを起こすかどうかもわかりませんが、注意が必要なことは確かです

「予防接種の接種薬の成分によって、アナフィラキシーを呈したことが明らかなもの」は予防接種不適当者と決められていますが、蕁麻疹という症状だけではアナフィラキシーではありません

従って、次回も接種することはできますが、担当医とよく相談することが必要です

カバさん
カバさん

少量だけ接種して反応を見るという方法もありますが、万一に備えて総合病院などで接種するのも良いね!

一方、インフルエンザには抗ウイルス薬もあります

あえて接種しないのも一つの方法です

集団生活の状況や、心臓や肺の病気の有無なども考慮して、最終的な判断はかかりつけ医とよく相談して決める

アレルギー食はどの程度ならOK?

Q.1歳1か月の娘は、私が卵を食べた後の授乳で顔がマダラに赤くなったり、蕁麻疹が出ることがありました。
生後10か月に血液検査をすると、卵白がクラス2でした。
検査した病院で完全除去と1歳6か月での再検査を指導されました。
先日違う病院で相談すると、少しずつ食べさせるように言われました。
卵ボーロ5粒食べさせたところ口周りに発疹が出て、30分ほどで消えました。
症状が軽いなら食べさせていいと言われましたが、どの程度の症状なら食べさせていいのかわかりません。
どちらの病院の指導に従えばいいのでしょうか。
信頼できる病院の探し方も教えてください

回答

A.近年では、小さいうちから少しずつ食べた方がアレルギーは早く改善するという考えが主流

卵白アレルギーへの心配は非常に多く、また医療機関でのアレルギーへの指導も様々なので、患者さんは混乱することが多いでしょう

最近の食物アレルギーの考え方や食物除去の方法に変化があることを知っておくことが大切です

食物アレルギーの診断

食物アレルギーの診断で、一番大切なのは食べると必ず症状が出るという事実です

血液検査で卵に対する特異的lgE抗体の有無はわかりますが、陽性なら必ず症状が出るわけではありません。
ですから、疑わしい食べ物の負荷試験がアレルギー診断には最も信頼性が高いことになります

負荷試験で怪しいと判断されれば血液検査が行われます。
アレルギーの強さは血液検査ではクラス0から6に分類され、クラス3までは強いアレルギー症状が出ることはあまりありません

最近の治療法

昔は食物アレルギーと判断されると、消化機能が良くなるまで食べずにいるのが良いと考えられていました

しかし、近年はなるべく小さいうちから少しずつ食べた方が食物アレルギーになりにくく、食べないでいるとアレルギーが悪化することさえあると考えられるようになりました

ご相談のお子さんは、口の周りに発疹が出る程度なので、そのくらいの症状であれば食べ続けた方がアレルギーは早く改善するという考え方が、現在は主流になってきています

同じくらいの量を食べさせ続け、症状が減弱してくればさらに量を増やして行って良いと思います

病院の探し方

どの病院が信頼できるかを判断するのは難しいですが、小児病院のアレルギー科、総合病院小児科のアレルギー専門外来などは専門性が高い小児科医が診療をしていることが多いです

また、開業の小児科でもアレルギーを専門としているクリニックがあり、高度な医療を行なっているところも少なくありません

カバさん
カバさん

日本アレルギー学会が「専門医・指導医」を公表していますので、参考にしよう!

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