【支援者向け】子どもたちを性暴力から守るために〜幼児期からの予防教育の重要性〜

子どもと一緒に性暴力について考えたことはありますか

「まさかこの子が」と思い、他人事に考えている人は多いです

また、「性」のことは触れない・触れたくない話題だと思います

しかし、性暴力の予防教育は被害者・加害者・傍観者にさせないための大切な教育です

この記事では、予防教育の必要性や実際の教育の仕方を紹介していきます

大人の偏見が子どもを沈黙に

被害者にも責任がある?

あなたは普段、その日着る服を選ぶ時、何を考えていますか?

多くの人は、「性被害に合わないような服装を選ぼう」などとは考えないですよね

しかし、実際に性被害にあった人は、周囲の人から「そんな服装をしていたから」などと想いもしなかった言葉を投げつけられ、時には身体的な被害よりも深く、心を傷つけられています

性暴力は、相手の同意を得ずに行う性的な行為の強要です

カバさん
カバさん

相手の性的権利を侵害しているのは加害者側であり、「被害者にも責任がある」という考え方は誤りだよ!

子どもの性被害の現状

世の中に浸透している偏見に基づく言動は、それを見聞きして育つ子どもたちにも影響を与え、被害にあった時に「自分が気をつけていなかったからだ」「親に怒られる」などと思わせて相談しづらくさせてしまいます

内閣府の「男女間における暴力に関する調査」によれば、
女性の7%、男性の1%が「無理矢理の性交等」の被害経験があると答え、
被害にあった人のうち8.5%が小学校入学前、11.3%が小学生の時に被害にあっており、
被害については「どこ(誰)にも相談していない」と答えた人が約6割を占めました

カバさん
カバさん

「性的な被害に遭うのは女性」という思い込みも、男児の性被害を打ち明けにくくしているね!

大人の偏見が子どもの性被害に蓋をして、世の中に見えづらくしてしまっている

性暴力の子どもへの影響

子どもは被害を被害と認識できない

知識も経験もない子ども達は、身近な大人から
「これはどこのお家でもやっていることだよ」
「お前のために(お前が悪い子だから)こうするんだよ」
などと言われてしまえば、その言葉に従うしかありません

年齢が幼いほど自分のされていることの意味がわからず、被害を被害として認識できないため、家族や親戚、子どもをケアする立場の人からの性的な被害が長期間続いてしまう

そして、
「誰かに言ったらひどい目にあうよ」
「このことを知ったらお父さん・お母さんはとても悲しむよ」
などと口止めされ、何年にもわたって沈黙を強いられることもある

性被害の影響

幼い頃の性被害は、
「幼いから、きっと意味がわかっていないだろう」
「成長とともに忘れるだろう」
などと思われるかもしれないが、適切な心理的ケアがなければ、その後の成長過程で様々な影響をもたらす可能性があります

影響例

・自分がされたことを自分より幼い子に対して再現すると言った加害的な行為
・リストカット、アルコール・薬物依存、性的逸脱行為など、自傷行為的な振る舞いに走る

カバさん
カバさん

性暴力は、被害者を長期間苦しめる可能性がある極めて重大な人権侵害であり、子ども達を被害者にも、加害者にもしない対策が必要だね!

子どもたちを守るために

私たち大人がすべきことは、体には守るべき部分があること、そこを侵害しようとする人がいたら「NO!」嫌という、「GO!」逃げる、「TELL!」誰かに相談する、という知識や対処法を伝えることです

絵本で教育

幼児期の子どもにもわかりやすく伝えるための教育ツールとして絵本「教えて!クモくん〜プライベートゾーンってなあに?〜」があります

この絵本には、三人の子どもたち(男の子二人、女の子一人)が登場します。
鬼ごっこをして遊んでいる最中に男の子がふざけて他の男の子のパンツを下ろしてしまいます。すると空の上から子ども達を見守っていた「くもくん」が慌てて地上に降りてきて、プライベートゾーンについて子ども達に優しく教えてくれると言うストーリーです

実はこの三人は加害者、被害者、傍観者として描かれており、それぞれにくもくんからのメッセージが伝えられます。

加害をしてしまった子には、プライベートゾーンを守ることの大切さと、被害にあった側の気持ちへの気づきを促す。
被害に遭ってしまった子には「いや」と声を上げると言う対処策と、声をあげたくてもあげられないこともあると言う被害者の実情への共感と勇気づける言葉を伝える。
見ているだけだった傍観者の子には、お友達が困っていたら助けてあげること、自分で助けることが難しければ大人に話すこと、と言う介入策を提示します

あるべき教育の仕方

「性暴力」と言うと、つい、被害に遭わないように「あれをしてはダメ」「これをしてはダメ」と言うダメダメ教育をしがちです

くもくん絵本では、「あれもできるよね」「こうもできるよね」と言う能動的な行動の選択肢の形で、性暴力を予防するために必要なエッセンスを盛り込んでおり、読み聞かせるだけで大事なことが伝えられる内容となっています

付録のページでは、「被害にあった人は悪くない」「内緒にしなくていい」など、併せて伝えておきたい大切なポイントが楽しく学べるようになっており、万が一の時の大人の対処策を記したウェブサイトへのリンク用QRコードも掲載されています

どんなに気をつけていたとしても、被害に遭ってしまうことはあります

カバさん
カバさん

「もし被害に遭ってしまったとしても、悪いのは加害者であって被害者ではないよ」「何があっても私たちはあなたの味方だよ」と伝えておくことが重要だね!

親子で語ろう

「いや!」「やめて!」と声をあげてその場から逃げることができれば、その場の危機を回避するだけでなく、加害者に「この子を襲うのは容易ではない」と言う情報がインプットされ、その後の被害の抑止にもつながります

また、誰かに相談することができれば、第三者や警察の介入により、加害者の検挙や排除につなげることができます

また、絵本は親子で読むことができるため、思春期になる前に読み聞かせたり、おうちの本棚にさりげなく置いたりしておくことで、いざという時に親に相談しやすい関係づくりにもつながります

プライベートゾーンについての知識を学ぶと、性別を問わず、被害の打ち明けなどのSOSが出てくる可能性がある

カバさん
カバさん

被害に遭ってしまった子どもにとって、1番の支援者・理解者になって欲しいのは親ですが、そこで誤った対応をすると被害児の心をさらに傷つけてしまう可能性があるよ!

子どもの言葉を信じる

「まさか」と思う話であったとしても、まずは「話してくれてありがとう」と伝え、子どもの気持ちに寄り添うことが大切である

カバさん
カバさん

子どもの言葉を疑ったり過度に狼狽えたりすると、話を撤回し、二度と話してくれなくなってしまうよ!

専門家へ繋ぐ

性被害の影響は非常に深刻で、適切なケアが提供されなければ、その後の人生をとても生きづらいものにしてしまう可能性があります

被害に蓋をして「なかったこと」にしたい気持ちは抑えて、専門家の支援を求めることが必要です

相談先

・家庭内での虐待が疑われる場合は児童相談所
・その他の性被害は警察や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

NGワード

「なぜ・どうして」と言う言葉は、責められているように感じさせるのでできる限り使わない方が良いです

具体的なことを例示して「はい/いいえ」で答えさせる質問は、「誘導」による記憶の歪みを招きかねないため、なるべく使わないことが望ましいです

代わりに「そのことについてもうすこす詳しくお話ししてくれる?」などオープン質問を用いましょう

×なぜ・どうして・クローズ質問
○オープン質問

「公園のベンチでいつも座っているおじさん」は、最初は「知らない人」でも、笑顔で近寄られてつい話し始めてしまったら、それが数回続いた時点で、もう、その人は「知ってる人」になってしまいます

つまり、「知らない人にはついていかない」と教えるだけでは、子どもたちの安全は守れません

「こう言う話はもっと早く聞きたかった」と子ども達に言われないように、まずは絵本の読み聞かせなどから始めましょう

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