【支援者向け】発達障害と虐待への支援のコツ3選

発達障害がある子の育児は、育てにくさをより強く感じやすく、育児ストレスや育児困難感を通常より強く抱きます

この記事では、発達障害と虐待の関係を解説していきます

発達障害児と虐待のリスク

虐待の現状

カバさん
カバさん

発達障害の子達は虐待を受けるリスクが高いといわれるよ!

児童相談所に一時保護された全事例のうち、27.5%に障害がありました

子どもへの虐待の考えられる要因・背景としては「子どもの疾病・障害」が最も多いです

障害の受け入れと実際

我が子の障害を受け止めることは、大変なことです

我が子の障害がわかった時期が妊娠中か出産後にもよりますが、親は我が子の障害がわかった時、これまで思い描いていた子どもとの出会いの場面や子育てが実際とは違っていることを知ります

想定外の出来事をどう受け止めていくかという大きな葛藤が生じ、時には混乱を伴い現実を直視するのも難しい状況になります

想像と違う→受け止められない

また、もう一つ大変さは、実際の子育てです

カバさん
カバさん

24時間365日、医療的ケアや介護が必要な子もいるよ!

発達障害だけがある子の場合も、睡眠障害、偏食、多動、パニックなど行動面でのケア・ニーズの高い子もいます

公園等で他の子とのトラブルが続き、周囲から「親の躾はどうなっているのだ」と白い目で見られる、謝ってばかりいなければならないなど、親のストレスは高くなります

カバさん
カバさん

子育て困難の状況が続くことで、子どもへの虐待となることもあるよ

障害を受容できても、毎日のストレスが辛い

障害のある子の命も他の子の命と同様に尊いものであることは当然ですが、「障害のある子の育てにくさと、受け止めることが難しい否定的感情」は虐待に繋がりやすいです

カバさん
カバさん

そのため障害のある子の家庭支援は必須で、虐待予防という観点も含めて支援していかなければならないね!

保護者にも問題がある場合

子どもを育てる環境が整っていなかったり、保護者に複雑な成育歴があるなどの場合には、虐待のリスクはより高くなります

障害のある子を持つ家族にアルコール問題、ネグレクト、DV問題、虐待問題などがある場合は、保護者からこれまでの生活歴の複雑な背景の聞き取りを丁寧に行い、支援していかなければなりません

カバさん
カバさん

保護者自身が生きることに精一杯であるところに、育てにくさがある障害のある子の子育てが加わるため、より多くのサポートが必要となるよ!

支援の実際

カバさん
カバさん

保護者の心理状態は、子どもの発達に影響するよ!

そのため、保護者が辛い時は、周りの支援者によるサポートが重要です

支援者は保護者の複雑な心理状況に寄り添い、保護者がネガティブな感情を持つことや我が子の障害を受け止めることは困難を伴い時間がかかることを前提とし、寄り添いながら諦めずに支えていくことが孤立や虐待を防ぐことにつながります

「育てたくない」等のネガティブな気持ちになることは当たり前

ネガティブな感情への支援

乳幼児期の保護者は、思い描いていた子育てと違うことや、先の見通しを持てないことなどから、様々な不安を抱きます

カバさん
カバさん

この時期の保護者には、子どもへ負の感情や辛いという感情は当たり前のこととして、寄り添っていくことが求められるね!

保護者の感情を悪いものとせず、お母さん同士で共感し受け止め合うことが、子どもを大切な我が子として受け入れていく力につながっていきます

そのためには、グループカウンセリングやピアカウンセリング等も含めた子育て支援が必要です

家族支援の実際

グループカウンセリング

保護者の様々な気持ちが表現されますが、どんな感情も大切な感情であるということをベースにカウンセリングは行われます

保護者の困り感を受け止める場ともなり、必要な場合は児童相談所、保健センター、要保護児童対策協議会等と連携します

カバさん
カバさん

障害のある子を育てる場合は特に父親の理解も必要となるよ!

ペアレント・トレーニング

発達障害の子への理解が難しく、その結果として保護者の期待値が子どもの発達と噛み合わないことがあります。
また一歩家の外に出た時に適切な行動が取れず、親子が周囲から批判的な視線や言葉を浴びせられることがあります

批判された経験から、保護者は子どもに対して必要以上に否定的な感情や行動をぶつけてしまうことがあります

その結果として、親子の関係性に悪循環が起き、虐待に至ることもあります

そのため保護者と子どもの間に良い関係を作る必要があります

カバさん
カバさん

関係性作りに役立つ方法として「ペアレント・トレーニング」があるよ!

ペアレントトレーニングとは、誉めることを習慣にするトレーニングであり、良い親子関係を作るだけでなく、保護者が親としての自信を取り戻すのにも役に立つ

発達障害があっても子どもが健全に育っていくためには肯定的な関わりが必要です

ペアレント・トレーニングでは誉めることに加えて、子どもが攻撃的になった時に親子にとって安全な対応をするために、「助けを求める」「離れる」「落ち着く」など、怒りを子どもに直接ぶつけない適切な関わりの練習をします

米国では、子どもを叩くなどして児童相談所に子どもが保護された時、子どもを保護者が引き取ることの条件に、ペアレント・トレーニングやアンガーマネジメントを学ぶ場合があります

トラウマ・ケア

機能不全家族で育ち、トラウマを抱えたまま子育てをしている母親もいます

カバさん
カバさん

前向きに子育てしていくためにはトラウマのケアが必要だね!

エクスポージャー(曝露療法)やサイコドラマを用いて、母親のトラウマのケアをします

トラウマケア後、自己肯定感が高められ、子育てが落ち着いてくるお母さんが多いです

きょうだい支援

保護者だけではなく、きょうだいも障害のある兄や姉、妹、弟の存在を受け入れることに悩み、時間がかかります

家族へのセラピーでは「お母さん、お兄ちゃんばかり可愛がらないで」と妹が自分の思いを語ることがありました

また障害のないきょうだいに対して親の期待値が高くなり「あなたは障害がないのだからしっかりして」と言ってしまうことや、どうしても障害のあるきょうだいの方に親が手をかけてしまうことが多くあり、きょうだい児は我慢が多くなり、心の成長に困り感を持つ場合もあります

カバさん
カバさん

障害児の家族支援を考える時は、きょうだい児も視野に入れて寄り添っていくことが必要だね!

親の自己肯定感を高める

障害児の親はすでに育児ストレスが高い状況にありますが、虐待に至りやすい被害的認知を高めないためには「自尊感情を高める」ことが必要で、自己肯定感は当事者の力で高まります

そのためには、「親(当事者)同士の対話の場所があること」「過去を含めた自分を受容すること」「自分の役割(仕事)を与えられること」が必要です

障害児を虐待から守るためには、医療・福祉・教育の支援は必要ですが、親の心理に大きな変化を生じさせるためには、親(当事者)同士の力が重要です

同じ境遇の保護者との出会いによって障害児の母親としてあゆみや希望につながったというお母さんもいます

カバさん
カバさん

保護者が我が子を含めて周りから肯定されることが、障害のある我が子を肯定することにつながるね!

母子保健関係者の大きな役割

母子保健関係者は、子どもに障害があると分かり、受け入れ難い事実に対して混乱している時の初期に出会う社会の支援者です

カバさん
カバさん

だから、母子保健関係者の存在は大きいね!

お母さんたちの混乱した気持ちを理解して寄り添って欲しいです

しかし時として、我が子の障害を受け入れることができないお母さんたちの気持ちが、支援者への攻撃として表現されることがあります

あるお母さんは「うちの子の発達のこと、そして私のことも心配してくれて、担当の保健師が何度も家庭訪問してくれたが、その度に断って玄関のドアを開けなかった。思わずうるさい帰ってと言葉に出したこともある。でもそのおかげで療育に繋がった今は、諦めないで何度も家庭訪問してくれた保健師さんに感謝している」と語ってくれました

時間はかかりますが諦めずに寄り添って、繋がりを作ってくれるのが保健師です

カバさん
カバさん

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