【支援者向け】チャイルド・デス・レビュー

チャイルド・デス・レビューという言葉を聞いたことがありますか?

この記事ではチャイルド・デス・レビューとは何かの解説からどういった意味があるのか、また、母子保健関係者の期待されることを解説していきます

今注目されているCDRとは

チャイルド・デス・レビュー(CDR)とは、「予防可能な子どもの死亡を減らす目的で、他職種専門文科が連携して系統的に死因調査を実施して登録・検証し、効果的な予防策を講じて介入を行おうとする制度」

CDRは子どもの死亡について、死亡の原因や責任の所在、何が起こったのかという事実を明らかにすることが目的なのではなく、現存の情報や知識の中で、子どもにとっての安全な社会とは何かを模索し、「これからどのように社会が変わっていけるか」を探究することも目的としています

例えば、保護者が5分間子どもから目を離し、事故が起こったとします。
CDRは、事故に対して保護者が気をつける等の精神論的な解決策を見出すのではなく、5分間子どもから目を離していても危険のない、子どもにとって安全な環境とは何かについて具体的にみんなで考えるというものです

子どもの死の検証

全ての子どもの死について、
①医療機関はじめ複数の関係者の持つ情報を集め
②死亡の原因や取り得る予防策の可能性などについて多機関(多職種)で検証し
③そこで得られた事柄を提言として発出する
という3つの段階からなると想定されています

カバさん
カバさん

検証は主に個別検証と概観検証、さらに必要に応じて行う専門検証の3段階に分けて考えられているよ!

個別検証

個別検証では、医師や警察だけでなく、日常的に接している教師・保育士・保健師など当事者に関わる様々な専門家が集まり、日頃の生活の中での気づきなどについて情報提供する

その中で「なぜこの子だけ死亡したのか」「危険因子はなんだったのか」という死亡した原因を検証すると同時に、「なんらかの介入で変化させられる事項は何か」「誰がどう介入するか」といった予防のためのアイデア出しを行います

概観検証

個別検証の結果を踏まえて、さらに地域で概観検証を行います

これは第三者が行うのが好ましく、客観的な目でさらに事例を精査しつつ、地域の中で介入していくべき優先事項などを決定するものです

カバさん
カバさん

高度な専門知識を持った人による検証が必要であれば、これに加えて専門検証を行う場合もあるよ!

CDRは責任の追求になることを避けるために、遺族他利害関係者は検証に参加せず、また特に概観検証においては匿名化に配慮して客観的な意見を集約することを特徴としています

日本の死亡検証の現状

日本でも子どもの死亡に関してはあらゆる検証がされてきましたが、従来の方法では取りこぼされるケースが多いことや、具体的な予防策につながらない点が課題でした

例えば経過中に虐待の関与が疑われる子どもの死亡があったとしても、虐待が直接の死因でなければ、虐待として検証されないといったものです

また、今までは一つの事例に対してその都度検証委員が集まり、検証・提言がされたら解散するという運用が多く、継続的に予防策を考える仕組みがありませんでした

そうすると同じような死亡例が生じても、前回の検証が生かされにくいという問題がありました

カバさん
カバさん

CDRはこれらの課題や問題点を克服する制度のため、今必要とされているね!

日本のCDRの現状

厚生労働省の「年齢区別の死因分類」では、0歳児の死亡原因に「先天奇形等」「呼吸障害等」「乳幼児突然死症候群」「不慮の事故」「出血性障害等」などが挙げられています。
年によって順位が変動しますが、死亡原因の上位はほぼこの5つです

ところが、以前愛知県で0歳児の死亡例について、死亡時の月齢が「1か月未満」と「1か月以上(12か月未満)」に分けて調査を行ったところ、「1か月未満」では、先天性の疾患や周産期の問題に関連する死亡例が9割以上であったのに対し、「1か月以上(12ヶ月未満)」では、「原因不詳(あるいは乳幼児突然死症候群)」が4割近くを占め最多でした

「この事故は本当に突発的で防ぎ用のないものか?」などの違和感を抱くケースについて、「本当に適切な養育がされていたのか?」という観点からも死因を再調査した結果、「不適切な養育があったのではないか」と疑われる潜在的な虐待死が全体の12.3%にまで膨らみました。
厚生労働省の発表では虐待によって死亡したこの割合は2%ですので約6倍です

「不適切な養育」の例として挙げると、チャイルドシートを使用せずに乗車していて、交通事故で亡くなった子は、一般的には虐待死ではなく事故死となります。
チャイルドシートを装着するなどの既知の安全管理が不十分であったことをCDRでは、「不適切な養育」と分類しました

喫煙者の多い場所に子どもを連れていくのは健康に悪いからと、外出時に子どもを車の中に置いておくのが適切だと思われていた時代がありました。
ですが今では、車内に置き去りにされた子どもが死亡する事故が多く報告され、これは「不適切な養育」だということがわかってきました

カバさん
カバさん

こういった「しない方がいいこと」を見つけることがCDRの神髄だね!

保健師・助産師に求められる役割

母子保健関係者は以下のことを行っていきましょう

①情報収集
家庭との関与する上で気づいたこと等の情報や、その地域の社会資源の利用のされ方等の情報の提供
②検証の点
自身の専門知識に照らして、家庭や社会にどのような危険因子がありそうか見つけ、具体的な介入案を考案し、それがどの程度の人に対して有効なアイデアであるかを考察
③実際に提言を実現する部分において、それを実行し、どのように有効であったかを考察

さらに、子育て家庭に対して、どのようなリスクが大きいのか、どのような支援が有効なのか、どのような支援が「届く」のか、個々の家庭環境に合わせた支援を行っていきましょう

日頃からCDRに対して、「自分なら何を提案できるか」という目線を持っていただければ、何か気がかりがあったときに、その背景を探る視点を持ち、状況改善につながる気づきになると思います

日頃から子どもに関わっている人の気づきや、それに基づいて考えられる介入のアイデアは大切です。
会議等の場では、ぜひ普段から気になっていたことや、気づいていたことについて積極的に発言し提案をしていただければと思います

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