【支援者向け】「ことばの遅れ」をどう捉えるべき?

「この子の言語発達は異常?」と判断に困ったことはありませんか?

対応の仕方によっては、必要以上に親に不安を抱かせてしまうことがあります

では、発達の遅れはどのように判断したらよいのでしょうか。この記事では、言葉の発達の考え方について解説していきます

ことばの遅れの定義って?

ことばに関する問題で一番見きわめのむずかしいのが「ことばの遅れ」です

ことばの発達は個人差が非常に大きい上に、一本調子の上り坂のような発達をせず、進歩したかと思うと後退したり、ジグザグの道を進みます

そういう遅い子と早い子を足して2で割ったものが「平均値」なのですから、半分以上の子は「平均より遅い」ことになります

「標準にくらべてことばが遅い」ことを「言語発達遅帯」という

しかし、たいていのお母さんは、「ことばが遅れている」→「障害なのかしら。さあ、どうしょう!」と混乱し、心配します

また「平均値」に頼りすぎる健診スタッフの言動が、お母さんたちの混乱に拍車をかけているという面も否めません

とはいえ、ちょっと気になる子どもに対して、

  • 「ようすを見ましょう」でいいのか
  • ようすを見る間、何もしないでいていいのか
  • 「心配で・・・・・・」とお母さんに相談されたとき、どう答えればいいのか

などなど悩みは多いと思います

「ことばの遅れ」は、ことばだけの問題だけではなく、子どものこころの発達、子どもの生活、家族環境、もっと大きくいえば子どもをとりまく地域の子育て環境など、全体を見る視点が必要になります

ことばの発達は数値や基準では計れない

1歳6か月では90%の子どもが「パパ」「ママ」以外に3語以上言う、とされています

しかし、何が「遅滞」であるかについては、言語発達に関する「標準」や、個人差の幅のとり方、「障害」の概念など、かかわる人の立場によって千差万別です

カバさん
カバさん

障害のある子どもにかかわる人たちの中には「障害も個性と考えよう」との主張もあるよね!

ことばは、人と人との間で成立し、文化背景の影響も受けます

たとえば、応援団のように大声が求められる集団(文化)内では大声でどなる「オースッ!」はほめられますが、お茶会ではそんな大声での挨拶は失礼にあたります

同じ「声が大きい」という状態が、文化背景によって反対の価値になるわけです

ことばはこのように、多様な側面を持っており、数値や基準できちんと割り切れるものではない

何が標準か、どこまでが個性か、何をもって障害というのか、考えれば考えるほどわからなくなってしまいそうです

まとめ

今回は言葉の遅れの捉え方について解説してきました

今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります

まとめ

①言葉の発達は1つの基準で「遅れ」を判断できるわけではない
②「言葉」だけに注目するのではなく、その子の心身の発達や環境など全体をみて必要な支援について考えることが大切

言葉の発達を伸ばすコツについて知りたい方は「言葉がなかなか出ない子への対応のコツ5選」の記事を参考にしてください

この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです

最後までご覧いただきありがとうございました

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