奥歯を使わずに食事をしているというお子さんは多いです
奥歯で噛めないと前歯での噛み潰しや、すり潰しができないので荒刻み状態となり、食欲旺盛な子どもは丸呑みしてしまいますが、通常は口から出すか、溜めてしまいがちです
また、食事時間が長くなり、子どもの負担になることもあります
保育園でも完食するのに1時間かかるよ!
どうしたら奥歯で噛めるようになるでしょうか?この記事で解説していきます
奥歯で噛まない原因
奥歯で噛む機能の発達には、様々な要因の関与が考えられ、また発達の個人差も大きいです
これらの要因は相互に関連して「食べ方」に関わってくることも多いので、子どもの口の中の状態や生活状況なども含めて対応していくことが大切だね!
口の中の問題
乳歯の萌出の遅れや、重症な虫歯、噛み合わせの異常(不正咬合)、舌小帯が短いために舌の動きが制限されるなどで、食べ物を舌で奥歯の方に送ったり、噛むことができないという状態になります
歯並びについて気になる方は「子どもの不正咬合と矯正歯科治療」「幼児の歯並びと噛み合わせ」の記事を参考にしてください
食べる機能の発達が不十分
乳歯の生え方が遅い場合、月齢に合わせて離乳が進められると、奥の歯茎も発育しておらず前歯で食べ物を処理することになり、奥歯が生えてもその食べ方が続きます
舌で食べ物を側方に送る動きが習得されていな場合も、奥歯で噛む経験の不足が起こりやすくなります
発達についてもっと知りたい方は「口腔機能発達不全症を治す方法3選」の記事を参考にしてください
食環境・生活状況から食べる意欲がない
口呼吸でいつも唇が開いている場合、口を閉じると息が苦しいので、奥歯でよく噛んでいられないことが多くなります
食事の時に猫背で前傾姿勢だと、下顎が前方に行き前歯での方が噛みやすくなることもあります
環境面の要因としては、睡眠不足や運動(体を動かす遊び)不足で食べる意欲が湧かなかったり、食事が楽しくなかったりすると、噛む意欲が出てこないことがあります
いつ奥歯で噛めるようになる?
「奥歯で噛む」動きは、離乳後期頃から獲得されていく機能です
離乳の初期に「唇で食べ物を取り込む」「口を閉じて飲み込む」ことを、中期には「舌で押しつぶす」ことを覚えます
離乳後期には、形のある柔らかめな食べ物を「奥の歯茎でつぶす」ことを覚え、1歳を過ぎて乳歯の最初の奥歯(第一乳臼歯)が生えてくると「奥歯を使って食べ物を噛み潰す」練習が始まります
奥歯を使うには?
食形態を工夫する
第一乳臼歯だけのうちは、噛み潰す程度で飲み込みやすい食べ物(煮野菜や卵焼き、肉団子など)で噛む練習をしよう!
2歳半頃には第二乳臼歯という噛む面の大きな奥歯が生えてきて、3歳頃に上下の第二乳臼歯が噛み合うと、すりつぶしが必要な食べ物(塊肉や繊維のある野菜、生野菜、キノコなど)も徐々に食べられるようになります
歯科医師に相談
噛み合わせの状態や舌小帯、口呼吸の有無(鼻呼吸の可否)などをかかりつけの歯科医院でチェックしてもらうと良いよ!
公的歯科検診や保育園での歯科検診で歯科医師に相談してもいいと思います
食事時間の見直し
保育園に通っていれば生活リズムは整っていると思いますが、1時間かけて完食することが負担になっていないかや、家庭でも食事をせかしていないか、子どもが食事を楽しんでいるかなどを見直すことも必要です
食事の場面がトレーニングになると、「食べる」ことが子どものストレスになる場合もあります
食事を楽しむ
好きなおやつや好みの味の食べ物などで練習をするのもいいね!
カリカリと食感が楽しめるえびせんや子どもに好まれるフライドポテト、噛むと味が出るドライフルーツなどもおすすめです
奥歯で噛むと唾液の分泌も高まるので、おいしさを味わいやすくなります
「よく噛むと美味しいよ」ということを、ぜひお子さんに伝えていこう!
まとめ
今回は奥歯で噛めない子への対応のコツについて解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります
子どもの歯についてもっと知りたい方は↓の記事を参考にしてください
・「子どもの歯の健康のため知っておくべきこと」
・「子どもの歯の健康のためにすべきこと」
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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