普段の育児で、このようなことにお困りではありませんか?
もうすぐ5歳なのに、一人で着替えができません
服を脱ごうとしても、袖から手を抜けずに悪戦苦闘
立ったままパンツを履こうとしたら、よろけて転んでしまう
ボタンの掛け外しは、やっているうちにイライラが募ってきます。でも、大人が手伝おうとすると、とても嫌がります
子どもの気になる姿、困った行動には、それぞれ理由があります
同じ行動に見えても、人によって、状況によって、その理由は異なります
そのため大人は「なぜそうなのか」その理由を知った上で関わっていくことが大切です
これならできそう!やってみたい!と思えることから試してみてください
原因
思うように体を動かせない
いつまで経っても着替えができないという場合、その要因として、ボディイメージ(自分の体の感覚)の持ちにくさが考えられるよ
自分の体がどうなっているかが分かりづらく、見ないで体を動かすことが難しいため、服を脱ぎ着する時に、どのくらい肘を曲げれば良いのか、どのくらいの力で服を引っ張ればいいのかが直感的に分かりません
また、見る力が弱く、服の表裏、上下・左右が分かりづらいということもあります
さらに、手先が不器用だと、ボタンの掛け外しなど指先の細かい作業は難しいでしょう
こだわり
もう1つ、着替えがスムーズにいかない要因に、これじゃなきゃダメという特定の服へのこだわりということがあります
皮膚感覚が鈍感で、暑さ・寒さを感じにくく、気候に合わない服を着たがったり、触覚過敏から特定の素材やタグ、靴下のゴムが原因で着ないということもあります
さらに手順へのこだわりもあります
急いでいるからと親が勝手に着せてしまうと、全部脱いで初めからやり直しとなり、かえって時間がかかってしまうこともあるよ!
対応の仕方のコツ
①見ることを意識
体をどうしていいのかわからない場合、動かすところを見せて意識を向けることが大切だよ!
初めは「手をここに入れて」と実際に手を持っていきながら援助しましょう
入れるところを子どもがしっかり見ていることが大事
肘や膝を曲げる時も、どこまで曲げれば良いか形を作って、実感できるようにしましょう
子どもの手足を触るときは、その部位に意識が向くように、少し強めに触るといいでしょう
ボタン掛けは、目で見えて、一番やりやすい1つだけをやるようにして、それ以外は親が留めてあげるのもいいでしょう
1つだけでもできた!という達成感を味わうことから始め、徐々に2つ、3つと増やしていく、スモールステップがいいでしょう
できた時には思い切り褒めよう!
なお、根本的な支援として、ボディイメージや手先の動きを育てていくことも大切です
②服や環境の工夫
マークや紐をつける
服の前後・表裏・靴の左右などがわかりづらい場合は、印やマークをつけて、わかりやすい工夫をしてみましょう
余裕があれば、着替える前に向きを揃えておいてあげるといいね
ボタン掛けをわかりやすく
自分で着た服でやるより人の着ている服の方がボタンの位置がよく見えてやりやすいです
厚手の布と大きめのボタンのものを選んで練習をしてみましょう
ボタンの糸を長めに付け替えて操作しやすくするという工夫もおすすめです
低い台を用意
パンツやズボンは、低い台があると履きやすいよ!
子ども用の椅子やベンチを利用するほか、牛乳パックなどで作るのも良いですね
音楽をかける
着替えの最中に、ぼーっとして手が止まってしまう子もいます
そんな場合は、好きな曲をかけて、「これが終わるまでに着替える」とすると、楽しく取り組めて、始まりと終わりもわかりやすいです
手伝いの中で
手伝いとして服を畳む作業をしているうちに、洋服の前後左右が認識できるようになるということもあります
③その子なりの納得ができるように
自分一人ではできないけれど、手順にこだわるという場合は「この順番がいいのね」と認めた上で、難しいところを手伝ってあげましょう
その時、気づかれないようにさりげなく、がいい場合もあれば、きちんと、「ここはお母さんがやるね」と知らせて納得してから手伝う方がいい場合もあるなど色々なので子どもに合わせて対応していきましょう
また、夏なのに厚着など季節に合わない服装にこだわる場合、温度計を見せて「25度になったから半袖を着るんだよ」「10度だからコートを着ようね」など、わかりやすい基準を示して説明するといいでしょう
園服などの衣替えに対応できない場合は、カレンダーに衣替えの日を記入して1〜2週間前から予告しておくと、心の準備ができて納得しやすくなるよ!
まとめ
今回は着替えがうまく行かない、時間がかかる子への関わり方のポイントを解説してきました
今回の記事の要点をまとめるとまず、以下の2点があります
また、各年齢の発達について他の記事でもまとめていますので、よろしければ参考にしてください↓
・「3〜5歳児で保健師が「あれ?」と発達が気になる子」
・「5歳〜7歳児で保健師が「あれ?」と発達が気になる子」
また、こだわりの強さについて他の記事でもまとめていますので、よろしければ参考にしてください
・「こだわりの強い子への食事の対応4選」
・「自閉症と関わり方のポイント6選」
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば幸いです
最後までご覧いただきありがとうございました
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