【支援者向け】発達がちょっと気になる子への対応のコツ

子どもの発達支援に携わっていると、「グレーゾーン」の子への支援をどうしたらよいかと悩まれると思います

支援者
支援者

その特性は個性?個人差の範囲内?

判断は難しいと思います

この記事では、発達に少し遅れがある子へのかかわり方のポイントを解説していきます

この記事がおすすめな人

・子どもの発達支援に携わっている人
・子どもの健診の従事者

障害か個性かは、長い目で

天才か障害か

「アインシュタインは4歳までしゃべらなかった」ことはよく言われることです

カバさん
カバさん

「天才」の中には、「変わった」「ふつうとは違う」幼児期を過ごした人たちが少なくないよ!

もし、その人たちの幼児期に、今のような健診制度があったなら、きっと「要フォロー児」となっていたにちがいありません

グレーゾーン

グレーゾーンの子どもの多くは、健診場面でスタッフにより「ちょっと気になる子」としてチェックされ「要フォロー児」名簿にリストアップされます

しかし、多くの場合、

保護者
保護者

・うちの子はちょっとことばが遅いだけ
・他の子にくらべると活発だけど、小さい子はみんな落ち着きのないのが当たり前

と思っていたり、あるいは無理にそう自分に言い聞かせたりしています

そして、遊びのグループに誘おうとする健診スタッフの意図に反して、「いいえ、結構です」と断ったりします

自分の子どもの発達が遅れているかもしれない、と認めることは、生やさしいことではない

関わり方のコツ

グレーソーンの子どもについては、確信が持てるまでは「障害」とか「療育が必要」と決めつけることはなるべくしないようにしましょう

カバさん
カバさん

障害が個性かは、もっと長い経過を見ないとわからないね!

子どもの発達にとって、今もっとも望ましい環境やかかわり方をお母さん(育者)に表して、今もっとも望ましい部分で納得して選んでゆくように、その過程を助けましょう

「平均より遅い」をどうとらえるか

これは遅れてる?

「正常」とは何か、「平均」とは何か。これは切実な問題です

ことばの遅れがあっても、遊びのグループなどで経過を追ううちに、突然、あるいはだんだんに改善し、幼稚園に入るころには問題がなくなる、という場合が多く見られます

しかし、遅れがあると幼稚園・保育園の時期、ルールのある遊びには参加しにくいし、製作など課題によってはみんなと一緒にやってゆくのはちょっと辛いところもあります

また、発達検査の結果出された知能指数(IQ)が80以上あり、精神発達遅滞とはいえないが、平均よりは確かに遅れている子どもがいます

遅れがあってもやっていける環境

カバさん
カバさん

先生のちょっとした配慮で、十分にやってゆける場合も多いよ!

ちょっとした配慮とは、リーダー的な役割の子どもに後見役を頼んだり、「みんなで一斉に」という形をなるべく減らして個別的かかわりを増やす、などです

「平均より遅い」を、その子どもの問題としてだけとらえないで、まわりの環境を改善することで、子どもが適応しやすいようにします

能力面で遅れがあっても、みんなに支えられれば、過不足なくやってゆける

大人なら一つの個性になる

子どもと大人の視点の違い

小さいうちは子どもの生活範囲も狭く、「問題」や「遅れ」や「偏食」は、とでも大きな心配事です

でも、中学・高校を経て20歳にもなると、生活全体が大きく広がり、「理解が遅い」とか「食べ物に好き嫌いがある」といったことは、相対的に小さな問題になってしまいます

視点の変化

「平均的か」「標準に合っているか」「計算が速くて正確か」というようなことは、あまり大きな問題ではなくなる

おとなには、せっかちな人も、のんびりな人も、力持ちの人も、頭の切れる人も、口の達者な人も、器用な人も、いろんな人がいます

カバさん
カバさん

社会はいろんな人が混じり合っているね!

健診で気をつけるべきこと

発達が「遅い・速い」が問題になるのが健診の現場です

カバさん
カバさん

「平均」や「標準」を手っとり早い判断の基準として頼りたくなるよね!

それはよくわかりますが、そういう「今・ここ」の視点をちょっと変えて、「20歳になったときに、この子がどんなおとなとして地域に住んでいるだろうか」「どんな大人に育って欲しいのか」というように、想像力をはたらかせてみてほしいのです

  • 健診や、その後のフォローの場が、「正常」「異常」の振り分けに終わらせない
  • 「正しい子育ての方法」についてのお説教の場にしない

健診は子どもをりっぱなおとなに育ててゆくために保護者が元気や励ましをもらう、良き出会いの場にする

元気が出るような健診を

発達のみちすじは、遅い子も速い子も基本的には同じです

ふつうの子どもはほおっておいても自然にできるようになることが多いけれど、発達に弱さのある子どもには細かく配慮された育児が必要ですし、そのためには経験ある人の援助やアドバイスが必要です

カバさん
カバさん

実際的な援助や的確なアドバイスを求めているよ!

「できる・できない」で振り分けたり、判定したりするのではなく、「どういうふうに手伝ったら、できるようにしてあげられるだろう」という発想を大切にしましょう

振り分け・レッテル貼りの健診ではなく、迷い多き、悩み深きお母さんたちが元気にがんばれるよう支援する健診にしましょう

まとめ

今回は発達がグレーソーンの子への対応のコツについて解説してきました

今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります

まとめ

①グレーゾーンの子は、障害か個性かの判断が難しく、親も受け入れに抵抗が強い傾向があるため、時間をかけて支援していく
②健診では一つの基準で判断してしまいがちだが、環境調整での解決策を考えたり、その子が大人になった時のことまで考えるようにする

また、支援者としての個人の力を伸ばす・より力を発揮できる場所で働くという点では転職を考えてみるのも一つの方法です↓(保健師の求人も多くおすすめです)
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最後までご覧いただきありがとうございました

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