多胎の妊産婦の困難感は単胎とは別物だと言われています
育児本には多胎の情報が少ないことや、周りのママ友には理解されない悩みが多いです
この記事では多胎妊産婦の状況から必要な支援まで解説していきます
多胎妊娠・育児を取り巻く状況
多胎児の出生割合の増加
不妊治療の増加に伴い、多胎の出産件数は1995年頃から増え続けてきました
こうした状況に対し、体外受精で子宮に戻す胚を基本的には一つにするガイドラインが出され、近年では多胎の出産はほぼ横ばいとなっています
しかし、全体の出生数が減少している中で、多胎の分娩件数が横ばいなので、出生数全体の中での多胎児の出生割合は増加していると言われています
多胎妊娠の受け入れ
妊娠初期には多胎で妊娠したことを受け入れる難しさがあります
多くの夫婦にとって多胎妊娠は想定外だよ!
「双子を妊娠するとは想定していなかった」「上の子がいるのに育てられるのか?」といった戸惑いや不安から、産むことを悩む親も少なくありません
こうした悩みは多胎の親によくあることですが、当事者である親たちは
「産まない選択肢について考えてしまった」
という罪悪感を産後に至るまで抱き続けることもあります
多胎のリスク
妊娠初期の体調は単胎とほとんど変わりませんが、単胎では安定期にあたる中期になると多胎の場合は早産のリスクが高くなります
お腹が張る、浮腫が出るなどのトラブルが起こり、ママは不安を抱くよ!
多胎の出産週数の平均は36週前後、出生体重は2000g強
親はNICUで管や機械をたくさんつけられた我が子を見て、申し訳ないという気持ちや、小さく生んでしまったと後悔の念を抱いたりして、マイナスの気持ちから育児を始めることも多いです
産後の疲労
産後については、
単胎とは疲労度が違う、とにかく疲れる
とママたちはよく言います
人間は一度のお産で一人を産むようにできているので、多胎は身体的なダメージがとても大きく、母体の回復も遅いです
体が疲れている中で、子育てが始まり休むことができず、さらに体の疲労は溜まっていくよ!
育児困難感
多胎の場合は育児の困難度がとても高いです
単胎だったら一人につきっきりでお世話することができますが、多胎の場合は一人に授乳しておむつを変えている間にもう一人が泣き出すことも多々あります
首が座っていない時期では、二人同時に抱っこすることはできません
一人が泣かせたまま放っておかないといけない状況に、
「虐待をしているような気持ちになる」
と親は自分を責めたりします
子どもを平等に扱えないことに罪悪感を覚える親が少なくないよ!
多胎児向けの支援
妊娠初期の行動が大切
妊娠初期から、情報提供することと支援体制を整えることが大切です
多胎の場合、両親学級の必要性を感じるようになる中期以降は体調が悪くなったり、入院をしてしまったりして参加につながりにくいです
また、産後は育児に追われ、情報を得ることや支援者とつながることが難しくなります
妊娠初期に多胎の妊娠・出産・育児の情報の提供を行い、支援体制を整え、見通しを持てるようにすることが大切
「多胎」の情報提供
多胎の大きな課題の一つが、親が無意識のうちに単胎の家庭と比べて不安を感じてしまうことだよ!
同じ妊娠・出産・育児でも単胎と多胎はまったくの別物です
世の中に出回っている妊娠・育児の情報は単胎を前提にしたものがほとんど
だからこそ多胎の親に向けた情報提供をしていくことが支援の要だと考えています
不安・罪悪感の解消
ママの不安や悩みを共感して聴き、不安感や罪悪感を解消していくことも大切です
多胎のママは
「二人の要求に十分に答えられない」
「片方ばかり我慢させている」
という悩みを抱えます
そうやって悩んでくれていることもそのものが親の愛情だね!
誰でも関心がないことには悩みません
子どもに罪悪感を抱き悩むこと自体が子どもへの愛情なのです
多胎育児を経験したママたちが一様に口にするのが「細い糸の上を歩いてきた」「崖っぷちを歩いてきた」といった言葉です
虐待のニュースに対して「これは自分だったかもしれない」というママもいます
育児だけで大変なのに、家事などで「やれていないこと」ばかりに目がいってしまいがち
そんなママたちの「できていること」を認めていくことも大切!
よくママたちに「夜寝る前に「今日1日うちの子たちが生きていたのは私のおかげ」と自分に言ってください」と伝えています
「大変だけど、この毎日を重ねていくだけで十分だよ」とママたちの頑張りを認めることが「これでいいんだ」というマインドセットにつながればと思っています
社会資源の活用
産後はヘルパーや訪問看護などの社会資源の投入も必要です
ママは1日の大半を授乳とおむつ替えに費やし、十分に寝る時間も取れない日々が続きます
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