食物アレルギーは乳幼児期に多い疾患であり、その管理の基本は「必要最小限の原因食物の除去」です
しかし、大人の管理で食事を進めるこの時期に、その大人に食事に関する誤解があったり、不安が強かったりすれば、子どもの食習慣に過剰な影響を及ぼす可能性があります
そのためこの記事では、保護者が食物アレルギーの発症や症状出現に不安を感じて不必要な食事制限をするなどしないために、具体的で適切な情報を解説していきます
食物アレルギーは珍しくない
3歳までに20%もの子どもが食物アレルギーの症状を経験するとされています
もはや病気というよりは体質に近いものかもしれません
しかし、心配することはありません
鶏卵、乳、小麦といった乳児期発症の即時型アレルギー反応の多くは早期に自然寛解することが知られており、食物によっても異なりますが、3歳で半分、小学校入学時には9割の子が食べられるようになると言われています
そのためには「必要最小限の除去」を意識することが重要だね!
不安からしがちな行動
食事は1日3回、生活に密着した日常そのものの中にあります
保護者はその食事の時間に、誤提供や事故などによる症状の誘発がないか少なからず不安を感じることになります
だけど、保護者の自己判断によって、「念の為」「とりあえず」といった除去はダメ!
除去の場合は医師の診断に基づいた「必要最小限の原因食物の除去」を行い、子どもにとって制限の少ない生活を送ることが重要です
子どもの食事を大人が管理することは、安全ですが不都合な点もあります
「大切な子どもに間違ったことをしてはいけない」からと、保護者が「食べさせない」という選択をすれば、診断されていなくても、子どもは特定の食物を除去して食事をすることになります
食物アレルギーが不安だから、必要以上に除去する→悪影響
不必要な除去をしがちな物
不必要な除去はしていないと思っていても、勘違いでしてしまっていることがあるよ
食物アレルギーの原因になるタンパク質の特徴に基づき、「食べられないもの」と同時に「食べられるもの」を整理します
これらはアレルギー症状の原因になるタンパク質の影響を受けにくく、原則として除去不要です
食物除去の影響
必要以上に恐れることは、引き換えにたくさんの大切なものを失うことにつながります
食事制限に伴う栄養不足はもちろんですが、それ以上に社会生活が制限されてしまうことを忘れてはいけません
好きなものを自由に選んで食べたり、友達と一緒に同じものをおいしいと感じながら食べる喜びは情緒の発達にも重要な要素だね!
時には遠足に参加できなかったり、別室で食事を取ることがあるかもしれません
食事制限が子どもに(時には保護者にも)与える影響は甚大です
他にもそれぞれの食物を除去した際に生じやすい問題をカバーする方法を知っておくことも、子どもの成長発達や生活の質の維持に不可欠です
インターネットに氾濫する不確かな情報や、個人の育児経験等を根拠に、安易に育児を行うことがないようにしよう!
離乳食の進め方
離乳食の基本的な進め方については厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」に示されています
この基本は、食物アレルギーの観点からも安全に食材を試せる方法といえます
・子どもの体調がいい時
・新鮮な食材を選ぶ
・十分に加熱をして消化をよくする
・少量から(初めて食べるものは1サジから)与える
これらの考え方は、万が一予期しない食物によって症状が誘発されることがあっても、最小限の症状で子どもの食物アレルギーを発見することができる方法です
焦らなくても良いので少しずつ進めていくこと、どのような方法であれば進められそうなのかということに目を向けよう!
除去食物の解除の仕方
除去していた食物を解除に伴い食べていく過程でも同様です
子どもが安心して食べられるものを増やすことは、安全で制限の少ない生活につながります
そのためには、以下のように考え方を変えて進めていきましょう
・とにかく事故を起こさないように食事を管理すれば良い
・保護者が努力すれば症状を起こさずに済む
↓
・子どもの将来を見据え、子どもにどのようにしてあげたいか
・成長に伴いどのようにさせてあげたいか
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