周産期の女性の心の不調は、妊産婦の自殺や子どもへの虐待など、深刻な事態に結びつく可能性があることがわかっています
この記事では、妊産婦のメンタルヘルスケアの重要性や、母親の心を健やかに保つための支援のあり方等について話していきます
妊娠や出産で心が不安定になる要因
妊産婦の抑うつや不安を主とする精神的な問題は、全体の10〜15%、深刻なうつ病は5%程度と考えられているよ
核家族化
核家族化によって、初めての抱っこの経験が我が子になることが多くなりました
つまり、子どもに触れたこともない母親が子どもと二人きりの状況で子育てするケースが増えています
また、最近のお母さんたちは孤立しがちだよ!
特に初めての妊娠・出産・子育てを経験する母親は、困ったことがあってもどこに支援を求めれば良いのかわからないことも多いと思います
孤立は大きな不安につながり、心の問題を起こしやすくなります
相談先もわからず一人で頑張ろうとする母親ほど抑うつや不安に陥りやすい
女性の社会進出
女性の社会進出が進んでいることは素晴らしいことです
しかし、育児で大変な時に、仕事についても心配になり、余計に心が不安定になってしまうことがあります
また、早く子どもを保育園に預けて仕事に復帰しなければいけないと考えている母親も少なくありません
このような状況は妊産婦の心を不安定な状態にする一つの重要な原因だね!
また、心が不安定になる要因として、出産年齢の高齢化を指摘する声もあります
年齢的な要因よりも、うつ病をはじめとする精神疾患の既往や、夫やその他の家族からのサポートの欠如、生活上のストレスなどの方が重要な要因と考えられているよ!
特に夫やパートナーとの関係は重要で、これがうまくいかない場合には、女性だけでなく夫もうつ病になったり、離婚へと発展する場合も少なくないと言われています
逆にお互いに支え合ってこの時期を乗り越えることができると、夫婦の絆が強まり、子どもの成長にも良い影響を与えるよ!
マタニティーブルーズ
マタニティーブルーズは、出産後数日から2週間頃までに見られる一時的な気分変調で、気持ちの落ち込みや集中困難、不眠などの精神症状のほか、疲労感や頭痛、食欲不振などの身体的な症状もよく見られます
出産前後に急激なホルモンの変化が起こることや、出産に伴う喪失感、周囲の注意が新生児に向けられていくことの寂しさなどが原因ではないかと言われていますが、十分に明らかにされているわけではありません
マタニティーブルーズは40%前後の産婦が経験すると言われ、頻度の高いものですが、通常は数日で自然に軽快していきますので、特別な治療は必要ありません
ただ、産後うつ病を発症した女性ではマタニティブルーズを経験していた女性が多いと言われていますので、その後の経過を注意してみていく必要があります
必要なサポート
現在日本は周産期死亡率や母体死亡率は世界一低い水準を誇っています
しかしその一方で、妊産婦の抱える心理的社会的問題が児童虐待や妊産婦の自殺の原因となっており、心のケアの必要性が高まっています
若い人に限らず、最近の母親の中には子育てや子どもができた後の生活について、具体的なイメージを持ててない人が多いように思います
妊娠・出産がゴールで、その後はまた元の生活に戻るように思っている人もいるよ!
これから家庭を持ち、親になる人たちが、家族が増えるということや子どもがいる生活について、もっと情報収集していけるようにする必要があります
子育ては大変なことかもしれませんが、一人で頑張らず、周囲の手を借りて、程々の子育てができればいい、ということを頭に入れてあげるだけで大きく違います
子育てを支援するNPO法人の中には、学生や結婚前の若い人が乳幼児と触れ合う機会を作っているところもありますが、こういう体験も重要だと思います
支援者としての力を伸ばす
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まとめ
今回は妊産婦へのメンタルヘルスケアについて解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります
周産期の支援についてもっと知りたい方は↓の記事を参考にしてください
・「EPDS・ボンディングを用いた周産期のメンタルヘルスの支援」
・「エジンバラ産後うつ病質問票の基礎知識と産婦の支援について」
・「妊産婦のメンタルヘルスケアと産後ケア」
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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