それぞれの問診項目にはどのような意味があって、何に気を付けるべきかを理解して、問診を取ることができていますか?
これを知らないと、確認すべきことを逃してしまっている可能性があります
この記事では、問診で追加質問すべきことについて解説していきます
目的
- 運動機能、視覚機能等の障害、精神発達の遅滞等障害を持った児童の早期発見
- 心身障害の進行を未然に防止
- 生活習慣の自立、むし歯の予防、幼児の栄養、その他育児に関する指導
幼児の健康の保持および増進を図ることを目的としているね!
アンケート項目のとらえ方
児の個性が顕著にあらわれてくるとともに、身体面、精神面の発達において個人産の大きい年節です
グレーソーンの範囲が広い時期でもあるよ!
したがって健診の場面だけでは、現在の保護者や児の状況をとらえきれなかったり、主訴が解決されないこともあり、結週観察が必要になる場合が多いです
保護者に不安を与えないようにしなから、経過観発の必要性を理解してもらえるよう働きかける
現在どんな言葉が出ているか
有意語がどれだけ出ているか確認しよう!
例えば「ママ」は自分のママのことをのみさしており、女の人全てを「ママ」とは言わないことがポイントです
話し言葉以外の全ての発達項目にわたって問題がある場合、精神発達遅滞が考えられます
発達の遅れの原因
- 言語刺激の不足(対人関係の希薄さなど)
- 言語刺激の不適切さ
- 言語の必要性に欠ける環境
- 言語意欲を失わせる環境
追加質問・判断の仕方
言葉が少なくても、指さしや見たて遊びができていれば、言語的知能の基礎構造ができていると考えられます
また、話しかけた人の口や表情を見て、発音をまねしようとするか、模倣があるかなどを聞き、話し言葉の獲得への過程にあるかどうかを確かめます
上記の状態であれば様子をみよう!
上記のことが見られない場合や保護者の不安が強い、また言葉のみの遅れの場合は、原因を探り、必要に応じてアドバイス、後日フォローや個別相談へ
上手に歩けるか
全体の運動発達を示すよ!
精神発達の観点から、自由に歩けるということは児の「人」と「物事」との相互作用を活発に豊かにし、児の認知世界がさらに広がることを示します
「ものを拾って立つ」「階段を手をひかれて昇る」ことができれば問題なし
乳児期からの発達や既住歴を併せて考えます
小さなものを指先でつまんで拾えるか
微細運動の発達を示すもので、手指の使い方と目の協応運動を見るためのものです
小さいものをつまみ上げるには、しっかり見るという視覚注視、さらに追視があり、その視覚と運動とが協応しなくてはなりません
積木を親指と人さし指を使って積んだり、なぐり書きができれば問題なし
スプーンやフォークを使って食べるか
運動機能の発達や精神発達にともなって食事動作も進みます
コップで飲むことはほぼ完成し、スプーンを持って食べたり、ストローで飲んだりするが、食事をひっくり返したり、こぼしたりすることも多く個人差も大きいです
判断基準
- ほとんどこぼさずにコップから飲めるか
- 食べ物をすくい、裏返しにならず口まで運び、ほんの少しでも口の中に入れれるか
現在どういう食事動作をとっているか聞きます
道具を使えなくても、使おうとする行動が見みられるならば様子を見よう!
そのような行動が全く見られない場合は、精神発達面を併せて考えます
食事の心配事はあるか
食事についての心配は児の心身の発達段階や生活のパターン、保護者のから生じる問題が多いです
この時期は、体型が「やせ型」になってくることもあり、保護者の心配が大きくなりやすいです
保護者に児の発達段階を理解してもらい、焦ったり心配しすぎたりしないよう伝えましょう
よくある心配事
- 食欲不振
- 好き嫌い
- 遊び食い
- 食事時間が長い
追加質問・判断の仕方
具体的な内容を聞こう!
問診での2次質問で保護者が解決策に気づくことも少なくありません
必要に応じて栄養の個別相談を勧めます
また、当日以外でも、いつでも相談できることも伝えましょう
食欲不振 | 生活のリズム、間食の時間・量・内容、外遊びなど、身体測定値も併せて考える |
好き嫌い | 一時的なものが多く、無理強いはしない |
遊び食い | 食事時のまわりの様子を聞く。少し大人が手伝って後は片づける、などをアドバイス |
食事時間が長い | 調理法が合っているかなど |
名前を呼ぶと答えるか
児の見えないところから名前を呼んで確実に振り向くか確認する
声に振り向くのは、すでに5、6か月でほとんどの乳児ができます
この年齢では人の声に注意を向け、聞き分ける聴力と同時に、自我の発達上、自分の名前がわかっていることが大切
追加質問・判断の仕方
「自分の名前(愛称でもよい)が言えますか」
他のことに夢中になっていて振り向かないこともあるので確認します
言葉が出ていない児は、返事がなくても振り向くかを確認しよう!
指差しや理解ができているか
コミュニケーションの様子を見る項目で、指さしは言語獲得への過程です
追加質問・判断の仕方
(いいえ)に丸がついていれば、現在どうしているか、保護者が心配したり困ったりしていないかを聞き、必要に応じて個別相談などのフォローをしましょう
(わからない)に丸がついている場合は、絵本などを見せて「~はどれ?」と聞き、指さしできたり、日常生活で「ワンワン」と言って犬を指さすなどができていれば問題ないです
また、積木を「ちょうだい」と言って返してくれるか、「バイバイ」と言って手を振ってくれるか(ジュスチャーで示さず促す)、できれば理解ができています
保護者が(はい)に丸をつけていても気になる場合は、チェックなど他のスタッフがわかるように印をつけよう!
おもちゃで遊ぶか
おもちゃの形状や機能をある程度理解し、それが本物でないことを理解した上で、本物のつもりになって遊ぶことができるということを意味しています
自動車をただ並べたり、投げたりといった、意味のない、つまり自動車のもつ性質、機能とは無関係な扱い方でないことがポイントです
追加質問・判断の仕方
他のアンケート項目と併せてとらえよう!
(いいえ)(わからない)に〇がついたり、その他の精神発達面で気になる場合は、普段オモチャでどういう遊び方をしているか聞きましょう
積木を渡して遊び方を見るものおすすめです(投げる、なめる、たたく、積む、こわす、など)
まねをするか
模倣は、発達を基本的に支える機能です
また、人への関心も必要であり、社会的な応答性への指標でもあります
追加質問・判断の仕方
社会性の発達から見れば、テレビより人の身振りのまねのほうが重要ですが、どちらでもほんの少しでもまねることができるのであれば問題ないです
また、お手本が目の前にいないとまねできないということでも大丈夫です
対人関係の希薄さが原因で模倣行動は遅れるよ!
他のアンケート項目や保護者や他児とのかかわり方も併せて観察しましょう
怖いことがあると親にしがみつくか
何か不安におそわれたとき、なじみの人にしがみついたり、後を追ったりすることで、心身の安全を確保することができます
その体験を重ねることによって、自分や自分の置かれている状況を信頼し、大丈夫という実感が得ることができます
これが心の健康の基本となるよ!
追加質問・判断の仕方
(いいえ)(わからない)に丸がついている場合、どういう行動をとるか聞き、保護者と児の関係を観察します
声のかけ方や児の反応など、気になる点は記録する
目を合わせられるか
自閉傾向を見るための項目だね!
人との結びつきの形成や発達に関与する行動で、目と目の見つめ合いは重要な役割を果たしています
遊具や備品の適切な使用がなく、注視があっても、自分の手やものに限られる場合は、要フォロー
追加質問・判断の仕方
(はい)(わからない)に〇がついている場合、身近な人となら目が合うか、人見知りの恐れが生じて目が合わないのかを確認します
合うのなら問題ないよ!
見つめ合いがない場合は、人との結びつきを中心に行動観察を行い、フォローにつなげる必要があります
名前を呼んたり積木を渡したりして、視線が合うかどうかを見よう!
目的なく動き回っているか
自閉傾向を見る項目だよ!
自閉症児の多動では、独自のルールに基づいて、その目的のために動いています
なじみの人や見知らぬ人にも恐れも好奇心も示さず全く無関心で、話し言葉もなかったり、あっても伝達的でないことが多いです
また、この年齢では動くこと自体楽しく行動量も多いですが、それを上まわった極端な多動性があるかを聞いています
追加質問・判断の仕方
児の多動の程度や原因を知ろう!
- 目的をもって(他人が見ても納得できる)動いているか
- 保護者がいることを確認しながら動きまわっているか
- 常時手をつないでいないと外出できないほど動きまわっているか
- 迷子になったことがあるか
他のアンケート項目を参考にしたり、待合室や問診での児の様子を観察し、保護者の不安や大変さを共有して、必要に応じて個別相談を勧めましょう
視聴力が気になるか
聴力や視力に気になる点がないかを見る項目
保護者が何が気になっているか確認しよう!
診察で見落としがないよう診察へのひきつぎ欄に記入します
まとめ
今回は1歳半健診について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります
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最後までご覧いただきありがとうございました