世の中では様々な場面で「多様性」が叫ばれています
多様性ってわかりそうでいまいちよくわかんない..
そんな中、子どもに多様性を伝えていくことは難しいと思います
しかし、子どものうちから、多様性を理解できると、根本的な考え方が変わるので、子どもの時期から理解することがとても大切です
この記事では、多様性について子どもに伝えられる絵本を紹介していきます
とりがいるよ
赤ちゃんは、身近な大人との触れ合いを通して、また、優しい声を聞いたり目を合わせたりした時などに、保護されている安心感を覚えます
触れ合いを通して気づかれる信頼関係は、その後の情緒面の安定や知的・社会的発達の目を育てます
絵本を読みながら、声かけやスキンシップを大いに取り入れたい時期です
「とりがいるよ」は、シンプルな表現でたくさんの鳥を描き出す絵本です
よく見るとどのページにも、他の鳥たちとは異なる色、大きさ、形を持ったとりが1〜2羽いることがわかります
「青い鳥はどこ?」「このとりさんは何を見ているのかな?」と声掛けをしながら、ぜひ、穏やかに楽しく暮らすとりたちの世界を一緒に楽もう!
おむすびころりんはっけよい
人は時に、自分とは違う他者を受け入れることができず、排除しようとしてしまうことがあります
それが、その先の差別や戦争につながることも少なくありません
違うもの同士が共に生きる社会、そこで起こるトラブルと、乗り越えた先にある平和のイメージを、「さんかくおにぎりの国」と「まんまるおむすびの国」に置き換えてコミカルに描く絵本が「おむすびころりんはっけよい!」です
いがみあうふたつの国。膨れ上がる鬱憤。もうこの上は殿様同士、相撲で勝負の決着を、となりますが、さて、その結末は・・・?
大団円のラストシーンをよく見れば、どのお結びも、それぞれに個性豊かな存在であることに気付かされますよ
ぼくのママはうんてんし
厚生労働省の「2022年国民生活基礎調査」によれば、児童を持つ世帯の母親が仕事をしている割合は75.7%
4人に3人が、子どもを抱えながら仕事をしているよ!
その中で、女性の参画が少ない業界の一つに鉄道業界があります
一方、ケア労働は、男性の従事者が少ない分野の一つです
「ぼくのママはうんてんし」に描かれるのは、運転士のママ、看護師のパパ、二人の子どもの家庭
旧来の絵本とはちょっと違う設定です
でもこれこそが、多様なニーズに応える社会、現在の自然なありようではないでしょうか
母親の誕生日をめぐるドラマが、電車の運行とともに描き出されます
ドラマを陰で支える立役者・保育士の存在にもご注目ください
ライラックどおりのおひるごはん
皆さんの街にも、今やさまざまな国のルーツを持つ人が暮らしているのではないでしょうか
すべての人が生き生きと暮らせる社会こそが真に目指すべきダイバーシティといえます
多文化共生についての教育は、今後ますます進められることでしょう
文化背景の異なる隣人と知り合うために、例えば「食」を会した交流なんていかがですか
「ライラックどおりのおひるごはん」の舞台はマンション。カレーを作るインド人のシンさん、和食を作るイシダさん、中東料理を作るイブラハムさん等、住人がそれぞれの故郷の味を持ち寄ってパーティです
どれも本当に美味しそう!<いつでもみんなだいかんげい>・・・素敵ですね
レシピ付きの絵本です
スイミー
「スイミー」は子どもから大人まで多くの人に知られる、有名なお話の一つです
1977年に初めて国語の教科書に採択されて以来、実に50年近くに渡り掲載が続いています
作者のレオ=レオニは、ユダヤ系とオランダ人の母親のもとに生まれた人物
戦時、ファシストから逃れるためにアメリカに亡命したという過去を持ちます
彼は、このお話の中で最も重要な場面は、一匹だけ他の魚と色の違うスイミーが「ぼくが、めになろう」という場面だと語っています
誰にでもそれぞれの個性と役割があるのだということ、広い視点を得て世界の美しさを知ったスイミーだからこそ、それを伝える役割を担えたのだと。実に美しい本です
みえるとかみえないとか
多様性が認められない社会では、常に誰かが犠牲になり、苦しい思いをしてしまうことになります
そういったことを無くそうと、2024年には改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者の合理的配慮の提供が法的義務化されることになりました
「配慮」という言葉を聞くと、思いやりの行為と思われがちですが、そうではなく、そもそもの機械の不平等を正そうということ
「みえるとかみえないとか」が、考え方のヒントを与えてくれるでしょう
ある日、別の星に降り立った宇宙飛行士が、3つの目を持つ異星人と出会い交友を深めます
コミカルな物語の中で、「当たり前」とは何か?終始問いかけます
想像と対話の重要性を優しく説いてくれます
いろいろいろんなかぞくのほん
多くの児童が、「自分と似た主人公」を探しています
SDGs教育の広がりと同じタイミングでマイノリティを描く絵本も少しずつ増えてきました
「いろいろいろんなかぞくのほん」は、(例えば家族構成や経済状況において)周りとは違う自分や家族のことで人知れず悩み胸を痛める子どもを、励まし、勇気を与える絵本です
みんないろいろ、それでいいいんだよ
多様化する社会を映し出し、周囲への理解を促しながら、すべての親と子にエールを贈る本です
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