お子さんの変わった行動に悩んでいませんか
他の子と違う…
発達障害も心配になりますよね
この記事では、変わった言動に対してのかかわり方のポイントを解説していきます
人混みを極端に嫌う
気になる姿
- 人混みに行くと大声で「おうちにかえる」等と言ったり、大泣きをする
- お遊戯会や運動会等、いつもと違う雰囲気のたくさんの人が集まる行事を嫌う
- 人混みではずっと耳を手でふさいだり、泣いて参加を拒否する
- にぎやかな場所から静かな場所に移動すると、ケロッと泣き止み機嫌がよくなることが多い
対応のポイント
安心させる
どのぐらいの人ごみでパニックが起こりやすくなるのかをよく観察し、安心できる場所を確保しましょう
徐々に人ごみに慣れていくようにスモールステップで進めよう!
事前に、どこに行き、何をするのかを伝えておき、新しい場所への不安感を軽減させます(場所等の写真があるとそれを見せながら説明するとよい)
保育園や幼稚園の行事では、初めは別の部屋や廊下、または部屋の後ろの席で先生と一緒に活動を見て、安心するようならば、徐々に参加を促します
外出時
人ごみでパニックになった時は、静かな場所に移動し、子どもの気持ちを代弁してあげ、(「人がいっぱいいてうるさかったね」等と)気持ちを安定させます
初めは場所に慣れさせていくことを目指し、混んでいない時間でのお出かけを多くし、人との接触に慣れさせていきましょう
我慢できた時は、つらかった気持ちを受け止め、頑張ったことを褒めよう!
奇妙な癖や動作がある
子どもの状況
足の裏を嗅ぐ、股間を触る、頭を振る等、指しゃぶりや爪噛みはよくあります
しかし、以下のような奇妙な動作がある場合は気になります
- ドアの開閉めをずっとしている
- 保育所や幼稚園に登園すると、職員室からトイレまで全部の部屋を見て回ってから教室に入る
対応のポイント
奇妙な癖や動作がどんな時に起こりやすいかを観察し、場面や状況に配慮していきます
癖や動作にばかり注目するよりも、子どもの不安の強さやこだわりの程度をみていき、減っていたり、他の行動に変化している状況を確認します
奇妙な癖や動作を違う行動で置き換え、軽減を図ろう!
- 不安から奇妙な癖や動作が起こっている場合があるので,直接的に子どもにやめるように言うと逆に不安が募ることもある
- 癖を行っている時(または起こりそうな時)は、さりげなく物を触らせたり、身体を動かしたりして、注意をそらせる
- こだわりで動作を行っている場合は、「ドアを開けるのはあと2回だよ」や「明日はトイレお掃除だから見ないでお部屋入るよ」等、子どもがわかる声かけで教えてあげ、徐々に回数を減らしていく(無理強いはせず、あくまでも徐々に)
- 不安が高いときに行っている場合は、不安の原因を探り、子どもの気持ちを代弁したり,お話を聞き、他のことで気持ちを安定させる
あまりにも迷惑だったり、周囲から浮いてしまう動作の場面は療育的指導も必要となります
周囲に迷惑な癖でなければ様子をみましょう
失敗を極端に恐れて行動しない
気になる姿
- 新しい活動には参加しない
- いつも行っている活動の内容を少しでも変えると「できない」と言って参加しない
- 一度うまくいかなかった活動は2度としようとせず、励ましてものらない
- 工作等で自分の思った通りにできないと、途中で投げ出して、絶対に続きをしない
- クイズや問題は答えようとせず、ずっと黙っている
対応のポイント
勝ち負けにこだわらせない
子どもは、人の声かけや表情に敏感に反応しているため、大人は「チャレンジすることが大切」「できることから積み重ねていこう」という考えを常に意識しましょう
上手にできたかどうか(勝ち負けや順位等)にはあまり重きを置かない
- 新しい遊びや参加を拒否する活動では、初めに視覚的な手がかりを与えたり、先生や保護者が見本を示し、全体の見通しを持たせる
- 「負け」や「間違い」という言葉を強調せず、どうすればもっと上手にできるかを常に意識させる。特に保育園や幼稚園では、他児が「〇〇くんまけー」等言うことがあるので配慮が必要
不安に寄り添う
どんな活動に拒否感が強いか(手先を使う活動か、ルールのある活動か)をチェックし、その活動は、先生と一緒に行ったり、他の子どもがやるのを見ながら慣れさせていきます
「初めてするから難しいよね」と子どもの不安な気持ちを言語化してあげ、安定を図ります
子どもが上手にできた時は称賛し、成功体験を積む、できるだけ失敗しないように大人がさりげなく手伝ってあげる
気分の変化が大きく、気が散りやすい
気になる姿
- 1つの活動が持続せず、目にとまった他のおもちゃや物をさわり始めたり、おしゃべりをし始める
- 最初にやっていたことは、忘れたかのように中途半端な状態のまま置きっぱなしにする
- 「こっちをやってからにしよう」「先にお片づけして」等と言ってもその時熱中している活動から行動を切り替えることが難しい
- 同じところに座って1つの活動をなんとなく続けているが、気が散りなかなかその活動が進まない
対応のポイント
環境を整える
今やっている活動に集中できるよう、余計な刺激が周りにないところで活動をさせるようにします
(例えば、おもちゃのある部屋で着替えをさせず、洋服だけを目の前に置いて着替えさせる等)
ゴチャゴチャした場所で集中させるのは難しいので、余計な刺数は減らします
気が散っている時は、意図的に声をかけたり、視線を合わせて励まそう!
また、本人が集中できる時間に合わせ活動を設定しましょう
スモールステップ
長い時間1つの活動をさせ続けることは難しいので、活動をスモールステップに分け、短い時間で区切りメリハリをつけるようにするとよいです
一つひとつの行動が終わる度にほめて次の活動を促すと、本人も達成感が持て次の行動につながりやすいです
遊びや作業にメリハリをつけよう!
また、興味がなかったり、飽きていたりする場合は、途中経過をみながら励まし、次の行動を具体的に指示していきます
ゴールを示す
工作やお絵かき等の制作活動は、どうなると「終わり」かが本人にとってイメージがつきにくく、途中で投げ出してしまいやすいです
手順や完成の形を具体的に示して、ゴールに向かって行動できるよう援助しましょう
いつでも1番でないとダメで怒る
気になる姿
- じゃんけんや、ゲーム、かけっこなどで勝つことに対して、強いこだわりをみせる
- 負けてしまうと悔しくて人や物のせいにして怒ったり、大騒ぎ(パニック)したりすねて泣く
- 負けるのが嫌だから、ゲーム自体を最初から拒否
- 負けそうになると活動を放棄したり道具をぐちゃぐちゃにする
対応のポイント
気持ちの整理を手伝う
ゲームをする時には、「ゲームは勝ち負けがあるからおもしろい。だれでも勝つ時もあれば負ける時もある」ということを伝えましょう
あらかじめ「負けるかもしれない」ことを予告しよう!
その上で、負けて感情がコントロールできなくなった時は、「どうしたの?」と言葉で表現するよう促したり、「次は勝てるといいね」「悔しかったね」と子どもに寄り添います
気持ちを代弁すると、気持ちを立て直し切り替えできるようになります
結果より過程
活動での本人の態度やプロセスに目を向けられるようにしよう!
「最後まであきらめずにがんばったね」「この前よりも上手になったね」等、結果以外の点を評価します
そして「今度は~するともっと上手になるよ」等、次回への解決策を一緒に考えていくことも重要です
負けへのイメージを変える
勝つことへのこだわりを減らすために、ゲームのルールを「負けた人が勝ち」に変化させたり、自分の実力でなく運で勝ち負けが決まるようなゲームをする等の工夫もできます
「負けることが損ではない時もある」「どんなにがんばっても負けることがある」という気持ちを持たせることで、「嫌だけれどそんなこともあるか」と負けることを受け入れられるようにさせていきたいですね
もっと詳しく対応のコツについて知りたい方は「順番・ルールが守れない、負けることが許せない子への対応のコツ2選」の記事を参考にしてください
数字やアルファベットが好きで覚える
気になる姿
- おもちゃより記号・文字・数字に興味を示し、をすぐに覚える
- 時計が安心材料となり、持ち歩いていないと不安になるが、見ると泣き止んだり落ち着く
- 友達に交って遊ぶことは少なく、一人で遊ぶ
- 言葉のキャッチボールが難しい
- かんしゃくが激しい
- いろいろなことに自身がなく消極的で、不安になりやすい
対応のポイント
数字や文字への関心をやめさせる必要はないよ!
様々な体験を通して達成感や満足感を味わうことで興味関心の幅を広げていきましょう
新しいものや活動への不安感、拒否感が強いので、大人が手をとりながら一緒に体験したり、励ましたりすることが必要になります
- おもちゃや道具で遊ぶ時に、色々な遊び方や使い方を体験する
- 様々な素材のおもちゃや、遊具で遊ぶ
- 他者とのやりとり遊びや集団遊びが楽しいことをたくさん体験する
- 「できた」「楽しい」「悔しい」等の気持ちを、大人と交流する
- 保護者からたくさん言葉を聞いて、名称ややりとりのことばを覚える
以前と同じように遊びの種類が増えない、数字や文字にこだわっている様子であれば、大人と身体を使った身体遊びや、やりとり遊びを繰り返し行い、対人コミュニケーションの発達を促し、情緒の交流を促します
数字や文字、おもちゃだけでなく大人と遊ぶことが楽しいことをたくさん体験していきます
多動
気になる姿
- 落ち着きなく身体を動かしていたり、ウロウロしたり、急に外に飛び出す
- 一斉活動の指示がわからずに、周りと違うことをする
- 身体の一部が常に動いていたり、口に手を入れている
- 上ばきや靴下をはいていられずにすぐ脱いでしまう
対応のポイント
多動を直接改善しようとしない
多動や衝動性そのものを直接改善しようとするのは幼児期には難しいです
生活や活動の見通しを持たせ、先のことを自分で推測して行動できるようにさせる
やるべきことをはっきりと示し、今何をすればいいかが具体的にわかるようにします
繰り返す中で、示された絵や歌、大人の声かけや周りの様子を手がかりに自分で判断して行動できるようにします
具体的な対応法
多動の子どもは事故にあう率も高いため、とくに注意しましょう
- 一日の流れや活動の流れを視覚的、聴覚的に示す(使うものや場所等を絵で見せる、ピッと笛が鳴ったら動く等)
- 先生が声かけをしやすいように近くの席に座らせる
- 言葉で伝わりにくい場合は、歌等の楽しいリズムや手遊びに乗せて、今やるべきことを伝える
一斉指示の後に個別に声をかけ、具体的にはっきりと、短い言葉でやるべきことを繰り返し伝えましょう
皆さんがやるべきこと
逸脱行動がみられていた場面で、子どもがどんなことにどのくらい注意を向けているかを観察します
変化がみられない場合は、大人が一緒に手を添えつつ、活動を体験しましょう
行動とことばのつながりを深め、注意をどこに向ければいいかを細かく伝えることが重要になってきます
もっと詳しく対応のコツについて知りたい方は「注意欠如多動性障害(ADHD)の関わり方のコツ8選」の記事を参考にしてください
まとめ
今回は3~4歳児の気になる行動について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります
また、この時期の発達についてより知りたい方は↓の記事を参考にしてください
・「3歳の正常発達は?うちの子は大丈夫?」
・「3歳頃の発達」
・「3〜5歳児で保健師が「あれ?」と発達が気になる子」
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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