妊産婦の食事について、各参考書等を読んでも実際に自分と起こることが異なるためどうしたら良いかわからないという方は多いと思います
この記事では、Q&A方式で悩みを解決してきます
体重増加が大きい
Q.二人目を妊娠していて現在30週です。
切迫流産で19週ごろから自宅で安静にしています。
家事が出来ないことへのイライラや入院になるかもというストレスを食べることで発散させていたら、妊娠前と比べて15kg近くも太ってしまいました。
元々太り気味です。
体重をこれ以上増やさずに維持したいのですが、お勧めの料理や食材を教えてください
回答
A.現在の体重をキープするには和食が最適。ルールを決めて規則正しく食べましょう
30週までよく頑張ったと思います
食事の管理法
現在の体重を維持するために、体重計には毎日同じ時間に乗って動向を確認しましょう。
食事は決まった時間に1日3回と間食1回を取り、夕食は遅くならないようにします
空腹を我慢しないで体重を安定させるには和食が向いています。
主食はご飯を中心にします。
主菜は、脂質の少ない赤み肉や魚介、卵、大豆製品を組み合わせます
麺類、丼もののように1品で済むようなものは、口寂しくなるのでヨーグルトや果物などを添えます
野菜、きのこ、海藻、こんにゃくなどは満腹感を与えてくれるよ!
宅配などを利用してまとめ買いをしても良いでしょう
タンパク質と野菜が簡単に取れるもの
具沢山汁や鍋料理、ポトフなど汁の多い料理はお勧めです
制限のしすぎは×
脂質、塩分、糖分量を確認して、多すぎるものはできるだけ避けるというように選びます
菓子パン、デザート菓子、甘い飲料はなるべく控えたいね!
あまり厳しく設定するとストレスが溜まってしまうので、お菓子や揚げ物、ファストフードなどは週に1回までは食べてもOKなどと決めます
お腹が空いた時のために、リンゴを切ってタッパーに入れておいたり、干し芋、干しマンゴー等を用意すれば、口寂しさを防いでくれます
出産まであと一息ですから、もう少し頑張りましょう。無事の出産をお祈りします
生物を食べてしまった
Q.妊娠5か月です。
外食の時、生ハムのパスタを食べてしまいました。
生ハム自体は食べませんでしたが、生ハムが乗っていたパスタを食べました。
生ハムにはトキソプラズマの感染のリスクがあるということを食べた後で知り、不安になっています。
他にも今後、出産までに食生活で気をつける点があれば教えてください
回答
A.生肉や生魚は食べないようにして。感染症や食中毒から身を守りましょう
妊娠中の感染は胎児に影響
妊娠中は非妊娠時より免疫力が低下するので、感染症に十分な予防が必要
また、感染症は胎児にも影響があることがあります。
インフルエンザや麻疹などの感染症を予防するように、食事からもトキソプラズマなどの感染症を防ぐことが大切なのです
ご質問の生ハム入りのパスタについて、ご心配ならきちんとした検査を受けることが安心につながると思います
トキソプラズマとは
トキソプラズマは肉眼では見えない寄生虫です
トキソプラズマの感染に関しては、推計で妊娠中の感染は全国で年間約500人程度、母子感染はそのうち3割、障害児として生まれているのは10人程度と言われています
出生児に異常が見られなくても、成長とともに視力障害があることが分かったという報告もあります
予防策
生肉(ユッケ、レバ刺し、生ハム、ミディアムレアステーキ、ローストビーフ等)を食べないようにしよう!
生魚の扱いに慣れていない諸外国では、生魚は食べないようにします。
念のために妊娠中は日本でも控えてください
生肉や生魚だけでなく、感染した猫の糞や庭の土などにも注意が必要だよ!
食中毒を予防するためにも妊娠中は衛生面に気をつけましょう
手をよく洗う、まな板や包丁はこまめに消毒をする、生野菜はよく洗う
リステリア菌
トキソプラズマ以外に気をつけることとして、リステリア菌の感染症にも注意喚起がされています
リステリア菌は食品を介して感染する食中毒菌で、塩分にも強く、冷蔵庫でも繁殖します
肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン、滅菌消毒をしていない乳製品(ナチュラルチーズ)は避けましょう
鶏肉や七面鳥などにもリステリア菌が見られることもあります
なんでもしっかりと中まで加熱して食べる
つわりで食べられない
Q.妊娠6週、つわりが辛いです。
病院でケトン体が3+だと診断され、毎日点滴に通うことになりました。
ケトン体が3+とは、どういうことでしょうか?
食欲がなくてスイカくらいしか食べられません。
つわりで吐いてしまうことになっても、食べた方が良いのでしょうか?
食べないと赤ちゃんにどんな影響がありますか?
回答
A.赤ちゃんの成長は心配しなくても大丈夫。無理に何かを食べるよりも体を休めましょう
妊娠初期、つわりが辛いですね。
食事が全く取れていないので不安なのですね
自分の体のことも気になりますが、赤ちゃんのこともご心配になりますよね
ケトン体とは
ケトン体は脂肪が分解されて、エネルギー源として利用される際に出てくる物質
尿検査で検出されるもので、食事が普通に食べられている時は、炭水化物などの糖質がエネルギー源として代謝されるため現れません
しかし、悪阻によって食事が十分に取れなかったり、食べられたとしても、嘔吐してしまったりすると、エネルギー源としての炭水化物などの糖質が不十分となり、体内の脂肪がエネルギー源として分解されるため、尿中に出て陽性を示すのです
ケトン体が3+でているということは、食事が取れない分、体に蓄えられた脂肪をエネルギー源として使っている状態ということだね!
ケトン体が出ている状態を放置すると脱水の恐れがあるため、点滴治療が必要になる
無理に食べる必要はない
現在、点滴治療が始まったということですので、点滴で水分やビタミン類が補充されますから、無理に口から食べる必要はありませんよ
病院からも説明があると思いますが、食べるのは無理だけど飲むのは大丈夫ということでしたら、スポーツドリンクなど体に吸収しやすい飲料を少しずつ飲んでみると良いでしょう
一番辛い時期を抜ければ、少しずつ食べられるようになるから、無理しなくて大丈夫!
つわりへの対応
冷やさない
体が冷えるとつわりが悪化することもあります。
靴下を履いたり、半身浴や足湯をするなどして体を温めるようにすると良いでしょう
リップケア
少し脱水状態になっているので、唇も乾いていることでしょう。
リップクリームを塗って保護しておくと良いでしょう。
メントール系のリップクリームはスッキリするので使用される方も多いです
スイカを食べる
また、つわりの時や妊娠中に「スイカなら食べられる」という妊婦さんも多いです。
スイカはほとんどが水分で、カリウムが多いため浮腫をとると言われます。
スイカを食べて下痢をしてしまうなどの症状が出るようなら控えたいですが、下痢もなく、少し口にできそうということであれば食べてみてください
ただ、今はそれも辛そうですので、無理に口から何か食べようとしなくてもいいよ!
赤ちゃんへの影響
何も食べられなくて、お腹の赤ちゃんの成長は大丈夫なのかと気になると思います
しかし、この時期の赤ちゃんは、お母さんが栄養を取れなくても、自分が成長する分は十分お母さんから取ることができていますので安心してくださいね
つわりのピークは妊娠8〜11週ごろで、妊娠12週ごろになってくると落ち着いてくるよ!
まだ先が長いと感じるかもしれませんが、つわりの長さには個人差がありますし、終わりがないことではないので、今は体を休める時期と割り切って過ごしましょう
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