皆さんは、「ファブリー病」という病気を耳にしたことはありますか?
ファブリー病は、糖尿病や高血圧など一般的な生活習慣病とは異なり、希少疾患の一つで、滅多に遭遇することはありません
しかし、本当にそうでしょうか?
この記事ではファブリー病の解説をしていきます
ファブリー病とは
皆さんが診ている子ども達は、原因不明の手足の痛みや、汗が出なくて一人で苦しんでいませんか?
ファブリー病は、特定の酵素(αガラクトシターゼA)が欠損または活性が低下することにより、細胞内の小器官であるライソゾーム内に糖脂質・グロボトリアオシルセラミド(Gb3)が進行性に蓄積することで生じる先天性代謝異常症
つまり、ファブリー病は、生まれつき遺伝子に異常があって、そのために、特定の物質を分解する酵素ができない。
すると、分解されない物質が様々な臓器に蓄積し、やがて多くの臓器障害をきたす遺伝性疾患だね
日本では約1000名の患者さんが報告されています
遺伝形成はX連鎖性遺伝です
症状
小児期での発症が多く、手足の痛み、発汗障害、被角血管腫(小さな赤い皮疹)、蛋白尿やその他の症状があるよ
病気の進行に伴い、腎機能低下や心肥大(左室肥大)をきたし、末期腎不全、脳血管障害、心筋の繊維化、不整脈などの発現リスクや早期死亡のリスクが高まり、未治療の場合(自然歴)、一般の健常者に比べ男性で20年、女性で15年程度、平均寿命が短いと報告されています
ファブリー病の臨床症状は多彩であり、また出現する症状及びその程度には個人差があります
男性
男性患者では、若年期に発症し典型的な臨床経過をたどり、本疾患に特徴的な症状のほとんどが出現する「古典型」と、中年期に発症し、一部の症状のみが発言する「遅発型」に大別されます
女性
女性患者(ヘテロ型)では、無症状の者から、男性患者と同様に重篤な臓器障害を発症するものまで、臨床症状に多様性が認められます
ファブリー病を疑うポイント
ファブリー病を疑う所見には、原因不明の心肥大(左室肥大)や腎不全、蛋白病など「7つのポイント」があります
見逃せない所見
特に見逃してはいけないのは、子ども達に見られる手足の痛みや発汗障害だよ!
手足の痛みはかなりの苦痛を伴い、焼けるような・針で刺すような痛みで、その上、友達や先生にも理解してもらえず、嘘つき・変な子としていじめの対象になることがあります
また、暑い日や運動の時などに汗をかかないため顔が真っ赤になることもあり、皆さんも相談を受けることがあるかもしれません
成長痛や体質として見過ごしてはいけません。
ましてや、詐病や奇病と思うことはもってのほかです
診断
ファブリー病の診断は、血液を少し採取して、血液中の酵素(αガラクトシダーゼA)の働きを測定します
他にも、血液や尿を採取して蓄積している糖脂質を確認したり、αガラクトシダーゼA遺伝子変異を調べることがあります
治療方法
ファブリー病の治療として、現在、酵素補充療法と薬理学的シャペロン療法が行われています
多くの治療効果が報告され、予後の改善、臓器障害の抑制を示唆するデータも発表されています
しかし、すでに心機能障害や腎機能障害が進行していた症例では、臨床効果が期待しにくいという報告もあり、早期診断及び早期治療が重要と考えられます
酵素補充療法
遺伝子組み換えαガラクトシダーゼA製剤を補充する治療法です
欠損している酵素を体外から2週間ごとに点滴で補充し、蓄積している糖脂質を代謝・分解します
薬理学的シャペロン療法
低分子化合物によって変異酵素タンパク質を構造的に安定化させる治療法です
これは、規定の薬を1日おきに内服する治療法です
他に、手足の痛み、腎症状、心症状、皮膚症状などへの対症療法が必要となる場合があるよ!
ファブリー病は本当に稀な病気?
ファブリー病は、男女ともに発症する進行性のX染色体連鎖遺伝形式を示す疾患で、有病率は全世界で4万〜11万7千人に1人と推定され、日本では約千人がファブリー病と診断されています
診断されていないだけ?
心疾患・腎障害・脳血管障害を有する患者さんの中で、実はファブリー病だったということがあります
また、最新の研究で、新生児の約7千人に1人がファブリー病であったとするものもあるなど、かなり多くの患者さんが潜在している可能性が指摘されています。
計算すると、ファブリー病の推定患者数は約1.8万人です。
一方、確定診断されているファブリー病患者数は、約千人です
まだ国内に1万人以上の患者さんが診断をされないままである可能性があり、時には誤った診断をされているということだね!
原因不明の手足の痛み、発汗障害(汗をかかない)などのお子さんを見たり、相談を受けたりした時には、「7つのポイント』を参考にして、子ども達の声に耳を傾けてください
皆さんのちょっとした気づきや関わりが、子ども達の未来を大きく変えるかもしれません
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