寝つきの悪さや夜泣きなど、子どもの睡眠に悩みを持つ保護者は多いです
この記事では乳幼児の睡眠の特徴や寝かしつけの方法などについてお伝えします
乳幼児期の睡眠の特徴
発達途中にある乳幼児の睡眠には、大人と違う特徴がいくつかあります
バラバラだった睡眠が徐々にまとまる
生まれたばかりの新生児は、昼夜問わず2〜3時間ごとに寝たり起きたりを繰り返しますが、段々と日中に起きている時間が長くなっていきます
生後2か月ごろに一時的に昼夜逆転してしまう子もいますが、3か月頃には、昼に活動して夜にまとまって寝るというリズムができるよ!
最初は細切れだったお昼寝も、3〜6か月頃に1日2〜3回程度にまとまり、9か月頃には2回、1歳過ぎには1回に減ります
3歳頃からお昼寝をしない日も出てきて、6歳ごろにはほとんどのお子さんでお昼寝をしなくなるというのが一般的な流れです
昼と夜の合計睡眠時間は成長とともに減っていきますが、減るのは主にお昼寝の時間です
生後3か月ごろに昼夜の区別がついてから就学前までの間の子どもの夜の睡眠時間は10〜12時間が目安です
睡眠中も目を開けて泣く・動く
大人では夢を見ている間は、首から下は動かないようになっていますが、乳児ではその機能が未熟です
寝言のような形で泣いているのを、保護者が「起きた」と勘違いして抱き上げ、本当に起こしてしまうこともあります
眠すぎるとぐずる
大人からすると、眠いなら寝ればいいのに、、、て思うよね!
この原因について、一説では脳の未熟さが影響しているとも言われています
脳の中でも、情動や感情を抑制する前頭葉は、乳幼児はまだ未熟です
そこに睡眠不足が加わると、感情をコントロールする働きはさらに低下してしまいます
眠いという不快な感情がコントロールできずに爆発し、そのせいでさらに眠れないという悪循環に陥る
乳幼児の睡眠の悩みとその対処
保護者からよく寄せられるのは、寝かしつけに時間がかかるという悩みです
睡眠の悩み
静かに30分程度ゴロゴロして寝るのは問題ない状態です
睡眠の悩みの解決法
睡眠時無呼吸症候群やアトピー性皮膚炎、喘息など、身体的な病気や痒み・息苦しさ等の症状が原因で夜泣きをする場合は、もちろん治療が必要です
しかし、そういった要因がないのに睡眠の悩みがある場合は、生活習慣を整えて、行動的なアプローチをすることが有効です
生活リズム
まずは早寝早起きの規則正しい生活リズムを作ることから始めます
夜の睡眠時間は10〜12時間が目安だよ!
乳児は夜中に授乳・ミルクのために起きることもありますから、まずは夜寝てから朝起きるまで11時間確保し、その後の様子を見て調節するのがおすすめです
例えば起床が朝7時なら、就寝は夜20時になります
乳児、特に生後半年頃までの寝付きの悪さは、お昼寝不足や就寝時間の遅さが原因になっていることが多いよ!
夜寝ないとお昼寝を短くしたり、就寝時間を遅くしたりしてしまいがちですが、それが逆効果になることも
月齢ごとの目安に照らし合わせて睡眠不足になっている場合は早く寝かせた方がスムーズに寝付き、しかも長く寝てくれます
生活リズムの整え方についてもっと知りたい方は「子どもの体内時計を整える」の記事を参考にしてください
幼児でも要注意
眠すぎるとハイテンション・過活動になり、大人がそれを「まだ元気で眠くなさそう」と捉えてしまうことがあります
そうすると就寝時間がさらに遅くなり、朝起きられなかったり、睡眠不足でイライラしたりということにつながります
環境を整える
寝室環境を整えましょう
暗く、静かで、少し涼しい環境が理想だよ!
明るさ
明るい部屋で寝ていると睡眠が浅くなる原因になります
照明の豆電球は、寝ている間は消してみましょう
授乳やおむつ換えなどお世話の時はライトをつけていただいて構いませんが、暖色系の明るすぎない床置きライトがより適切です
また、特に夏は日の出が早く、寝室が明るくなることで早朝起きが増えます
これは、カーテンを1級遮光の物にするなど、寝室環境の調整のみで改善することもあります
室温
室温が高すぎたり、冬場でも着せすぎたりして暑くなっているケースも多いです
少し涼しめを意識し、夏場・冬場は冷暖房を利用することで調節しやすくなります
寝る前のルーティーン
寝る前のルーティンを決めることも大切です
寝る前に毎日同じ流れで同じ行動をすることによって、寝付きやすくなります
お風呂→着替え→授乳・ミルクや水分補給→歯磨き→絵本→子守唄1曲、など、流れを決めてみましょう
幼児になると、もっと遊びたくて寝るのを嫌がるというトラブルもよくあります
このような場合は、子どもと一緒に話し合ってルーティーンを決め、視覚的にルーティーンがわかるよう、絵入りポスターにしてリビングに貼っておきます
子どもにポスターを見せながら一つ一つ行動を行なっていき、できたら褒める、ご褒美シールを貼るなど、子ども本人のモチベーションを高めるのがコツです
子どもと一緒に考え、達成感を共有
これらの生活習慣の改善を行なってみても改善が見られない場合、特に1〜2時間ごとに起きて授乳や抱っこをしないと寝付かない場合は、「授乳しないと眠れない」「抱っこしないと眠れない」という習慣自体が夜泣きにつながっていることが多いです
ネントレ
実はこうした夜泣きには、睡眠サイクルが関わっています
睡眠サイクルとは、一晩の中でも浅くなったり深くなったりの波を繰り返すこと
睡眠サイクルは生後2〜6か月頃にははっきりと発達してきます
すると、睡眠はしっかりと深くもなりますが、夜中に何度も浅くなるタイミングも出てきます
赤ちゃんが授乳や抱っこで寝付き、お布団に降ろされたとしましょう
その子の睡眠サイクルの間で半分目を覚ましたような状態になると、保護者とくっついて眠ったはずなのに、一人でお布団に寝かされていることに気づき、驚いて覚醒します
もう一度眠ろうとしても、授乳や抱っこをされないと寝付けないので、助けを求めて泣いてしまうのです
このような夜泣きを改善するためには、赤ちゃんが半分目を覚ましたとしても、保護者の助けなしにもう一度自分で眠りに戻れるようになる必要があります
そのための方法がいわゆる「ねんねトレーニング」なのです
ねんねトレーニングというと怖いイメージを持たれている方もいらっしゃるのですが、医学的観点でもきちんと効果が立証された、行動療法です
エビデンスレベルの高い研究も複数行われており、ねんねトレーニングに関する52の研究を解析した論文によると、94%の研究で効果が認められていました
まとめ
今回は乳幼児の睡眠の悩みへの解決法について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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