多胎児家庭は単体児家庭と比べ、異なる困難感があります
この記事では、多胎児家庭が直面する困難感や必要な支援について説明していきます
多胎育児家庭が抱く困難感
妊娠期
多胎家庭が抱く困難感は、妊娠期から始まるよ!
多胎妊娠は単胎妊娠と異なるリスクが加わるため、多胎妊娠が判明すると、妊娠の喜びを超える大きな不安・戸惑いを抱きます
医療機関から説明があっても不安は尽きません
また、何がわからないのか漠然としており、質問もできない状況でもあります
さらに、単胎家庭とはマタニティライフが異なり、単胎家庭と一緒に母親学級・両親学級に参加しても疎外感を感じる場合も多いです
漠然とした不安・戸惑い・疎外感
育児
出産後の多胎育児に関する具体的な情報を得る機会も少ないです
多胎育児期においては、疲労が蓄積し不慣れな育児の中、さらに多胎児特有の育児スキルが必要であり、育児書の育児展開では困難が生じます
周囲に多胎育児の困難感を共有できる人がおらず、孤独感を抱きます
外出も困難だから、多胎育児経験者との出会いも難しいよ!
ゴールの見えない切迫感、疲弊し虐待寸前となるような思いを抱える一方で、地域の中で支援を求める術を知らずに孤軍奮闘して多胎育児に望んでいる家庭が多いのが現状です
育児本が役立たない、孤独感
子どもの特徴
多胎児の約7割が2500g未満の低出生体重児です
二人あるいは三人の低出生体重児の育児という子ども側の特徴から、親の身体的・精神的な側面の負担が増し、また社会的な側面での情報・支援不足が育児の孤軍奮闘に拍車をかけているよ
育児負担が重なると、産後うつや虐待寸前といった育児破綻を招きます。
こうした状況は、特別な多胎家庭に起こる問題ではないです
多胎児の虐待リスク
多胎児の虐待リスクについては、単胎児と比べて2.5〜4倍
家庭要因
多胎家庭が単胎家庭よりも虐待死事例の発生頻度が高い理由は、
多胎家庭に限定されない要因(過度な育児負担、親の養育能力の低さ、ひとり親、望まない妊娠、十代の妊娠など)と、
多胎家庭に固有な要因(双子両児に見られる差や両児の比較など)
が関係しています
親要因
母親による虐待の発生要因は、以下の場合虐待リスクが高いと言われています
・DV
・身体的虐待経験
・一人親
・健康不良
・鬱傾向
支援不足
子どもが「低出生体重児」で、周囲からの育児支援が十分に得られない家庭状況にいる母親ほど虐待リスクが高いです
多胎児が虐待リスクの要因に含まれていることが理解できるね
多胎家庭に必要な支援
多胎家庭の約8割は核家族で、孤軍奮闘の育児の中で、助けてというSOSが出せない母親は多いです
SOSが出るのを待つのではなく、SOSを出せない家庭を見つけ出すのが大切だね!
多胎家庭に必要な支援として、
①家庭の育児状況の確認と多胎妊娠・多胎育児に関する情報提供 ②精神的サポート(不安・ストレス・孤立感) ③身体的負担の軽減 ④仲間作りと多胎育児の思いの共有、多胎育児スキルの伝授
などが挙げられます
妊娠早期からの支援
多胎妊娠が判明すると母子健康手帳を2冊・3冊と交付することになり、多胎児家庭を妊娠早期から把握することが可能で、支援介入できます
多胎妊娠・多胎育児の情報については単胎児の情報と比べるとはるかに少なく、情報も入手しにくいです
また、誤った情報に翻弄される可能性もあります
多胎妊娠期から個別に働きかけ、育児期を通じて継続的に面談や家庭訪問を行い、情報提供とともに、不安や困りごとに寄り添う姿勢を示していく
家庭訪問により、家庭内の状況を見て現状を適切にアセスメントし、必要な支援を展開していきましょう
多胎児の母親に向けた支援のみならず、父親や祖父母に向けた支援も重要だね!
育児中の母親が求める支援
多胎児の健康状態や発育・発達の確認、母親の心の健康を保つケアをして欲しい
その気持ちには、以下の要望が込められています
母親の思いや心的状況を適切に見極め、寄り添い、必要な支援へとつなげていきましょう
レスパイト支援の紹介
育児中の母親は、眠りたい、一休みしたい、子どもから離れたい、心身ともに壊れそうといった状態であり、レスパイトが必要だね!
買い物の代行や家事・育児支援、沐浴・お風呂などの育児サポート、外出時の手伝い、など、母親の身体的負担を軽減するためのレスパイト支援の紹介は重要です
一方で紹介の際に手続きの煩雑さから利用できない事態を招かないように、手続きに負担がかからない支援の仕方も大切です
多胎育児経験者との交流
二人あるいは三人の同年齢の乳幼児を育てるには、やはり多胎育児経験者の体験談は欠かせません
多胎育児経験者との出会いの場を設けることは必要です
そこで多胎育児に対する共感を得られ、想いを共有することができれば、連帯感も生まれるよ!
体験談から多胎育児の今後を見通すことができ、多胎育児を乗り越える術を持つことができるようになっていきます
ピアサポーター
多胎家庭支援には、医療専門職の支援は重要ですが、エンパワメントされた多胎育児経験者(ピアサポーター)の存在も大切です
ピアサポーターとなる人材を見つける、育てる、一緒に連携・協働
大変だった多胎育児を乗り切った母親、多くの支援を体験してきた母親は、自分に余裕ができた時、この育児体験を生かしたいと行動する母親も多いです
子育て支援の担い手を発掘し、循環型の支援システムが構築していきましょう
支援の力を伸ばす
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