第2子、第3子の誕生は喜ばしい出来事ですが、上の子には戸惑いや混乱のタネになります
弟妹が誕生して上の子が赤ちゃん返りをして困っている
上の子を可愛いと思えなくなった
どの子も平等に関わってあげられない
など親自身が複数の子どもを育てることに悩む姿も多く見られます
そこでこの記事では、弟妹の誕生による母子への影響、上の子の行動への対処方法を中心に、複数の子どもの育て方のポイントを記載していきます
家族の子どもの数の推移
夫婦の完結出生児数は1970年台から2002年まで2.2人前後で安定的に推移していましたが、2005年から減少傾向に展示、2015年には1.94人と過去最低になりました
2015年の出生動向基本調査では、子どもが2人いる夫婦が半数を超える(54.0%)一方で、子どもが1人しかいない夫婦も増加している(18.6%)ことがわかっています
つまり、そう遠くない未来、第2子、第3子がいる家庭は少数派になる可能性があるね!
興味深いのは、この調査で理想的な子どもの数を「一人以上」と回答した夫婦にその理由を質問したところ「子どもがいると生活が楽しく豊かになる」の回答が最も高くなったことです
複数の子どもを育てることは大変なことではありますが、子どもがいると楽しく豊かになるという気持ちを忘れないでいたいね!
兄弟の誕生が上の子に及ぼす影響
上の子への影響
第2子、第3子の誕生の影響はマイナスにもプラスにも働きます
ネガテイブな感情
下の子が生まれると第1子は辛い立場に追い込まれます
今まで自分中心に世界が回っていたのに、何もかも後回しになり、我慢を強いられます
これは子どもにとってとてもきついことです
心の中では「下の子に親を取られた」という悔しさや寂しさなど負の感情が渦巻いていくよ!
ポジティブな感情
一方で、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になった」ことへの嬉しさも出てきます
子どもは友達の母親がベビーカーに赤ちゃんを乗せて保育園や幼稚園にお迎えに来ると「どうしてうちには赤ちゃんがいないのだろう」という疑問を抱きます
こうした中、弟妹が産まれて周りから「いいなあ」と羨ましがられると上の子は優越感に浸れるのです
また、赤ちゃんは自分と年齢が近い子どもに最も関心を寄せます。
上の子が叩いたりいじめたりしても、下の子は一途に慕ってくる
これは上の子にとって「自分がどんなに拒否しても受け入れてくれる人がいる」という人間関係の基本を体験することにもつながります
親の関わり方
母親が上の子にどのように関わるかということで上の子の態度は変わってきます
ですが最近の母親はコミュニケーションを取るのが苦手だったり、0が100しかないように極端に考える人が増えてきている印象があります
「上の子を大事にしなさい」というメッセージを真面目に実行し、上の子ばかりを可愛がって下の子をほったらかしにしてしまっていることがあります
極端な行動は上の子が「自分の方が偉い」と勘違いし、下の子を見下すことにつながる
上の子に見られる行動と対処法
赤ちゃん返り
圧倒的に多いのは「赤ちゃん返り」だよ!
上の子は自分にも手をかけて欲しいことをアピールするために「哺乳瓶でミルクが飲みたい」「おむつをしてほしい」など赤ちゃんと同じ対応を要求してきます
下の子の世話で心身ともに疲れ切っているので、こうした行動に対して戸惑いや怒りが出ます
他には噛み付いたり、叩いたりして赤ちゃんを攻撃するという相談も多く寄せられます
下の子におしっこをかけたり、ベビーベッドにうんちをすることもあります
親は上の子の攻撃性の強さや赤ちゃんに危害を与えることを不安に思うよね!
上の子の言い分
これらの子どもの行動に共通して言えることは「大好きなお母さんを取り戻したくて必死でやっている」ということです
必死になるほど上の子は母親のことが大好きで、これは母子の間で愛着関係がしっかり作られつつあることの証
そこまで好きではない他の人には絶対にしません
今までとてもいい関わり方をしてきた証拠だね!
赤ちゃん返りの対処法
赤ちゃん返りした子どもの不安が強い場合は、今までできていたことについて「〇〇ちゃんも赤ちゃんだからできない」と世話することを要求してきても受け入れるようにします
その際に大事なのが声かけだよ!
「本当は自分でやれるけど、ママにやって欲しいんだよね。寂しくなっちゃった?」
など上の子の心理状態を整理して言葉で伝えます
この作業は母親にとっても、怒りの感情を消失させることにつながるよ!
攻撃性のある子
赤ちゃんを攻撃しなくても母親との関係性が維持されるという安心感を持たせることが重要
親はできるだけ遊んだり一緒にお風呂に入ったり上の子と関わる機会を作って安心感を持たせます
それとともに赤ちゃんのおむつを取ってきてもらう、少しだけ赤ちゃんを見ていてもらうなど、一緒に下の子と関わる機会も作るようにします
そして、上の子が攻撃した際、母親は決して感情的にならないこと。
赤ちゃんよりも自分に注目してくれると子どもは受け取り、さらに攻撃性を高めます
危険な行為は「危ないからやめてね」と淡々と伝えることがポイントだよ!
母親への攻撃性がある場合
攻撃性の中には母親への反抗が潜んでいることもあります
母親が赤ちゃんの世話をしていると大声で騒いだり母親を叩いたりして邪魔をしてきます。
これは、今まで親がなんでもいうことを聞いていた子どもによく見られます
このようなケースは親子関係が逆転しているので関係性を整理することが必要だよ!
「赤ちゃんのお世話をしているから待っていてね」と上の子に言い聞かせ、後は困った行動を起こしても一切反応しないようにしましょう
そして、赤ちゃんの世話を終えてから、上の子がたとえ邪魔し続けて実際は待つことができなかったとしても「待っていてくれてありがとう」と上の子を認め、そこから上の子の要求に応えるようにアドバイスしましょう
混乱する子
自分の身に起こった変化が理解できず、不安が強くなって夜眠れなくなったり、中には一日中母親にしがみついている子もいます
混乱が生じやすい子は生まれつき不安傾向が強く、親子関係もしっかり作られていないことが多いため、子どもの要求通りに関わってもそれほど安心しないよ!
そのため、上の子の相手をしているとキリがなくなり、疲労から、怒りの感情が出てきやすくなります
このような場合は
「赤ちゃんにママをとられると思って不安なのね」
など上の子の気持ちを代弁した上で
「そんなことないよ。ママは〇〇ちゃんのことが大好きだよ」
などの安心させるような声かけを行います
ただ要求に応えるのではなく、上の子の気持ちを代弁し、安心させる声かけをする
また、上の子には母親と一緒に赤ちゃんの世話をしてもらい「自分と母親は協働関係である」ことを認識させます
中には妊娠中から上の子にミルクのみ人形などを与えて赤ちゃんが産まれれくる準備をする母親がいますが、不安傾向の強い子の場合は不安になる時期が長くなるだけなのでマイナスに働きます
親としての関わり方の悩み
上の子可愛くない症候群
上の子を可愛く思えなくなったと悩む母親をインターネット上でもよく見かけ、「上の子可愛くない症候群」と呼ばれています
しかし、弱い者(赤ちゃん)を守りたいと思うのは動物の本能なので、母親がこのような感情を持つのはごく自然なことだよ!
平等に関われない
子どもに平等に関われないと悩む母親も多いですが、親子といっても相性の良し悪しがあります
そもそも母親の多くは、どの子にも同じことをしてあげるのが平等だと考えていますが、子どもによって親に求めるものは違います
例えば親に話を聞いて欲しい子もいれば、ただ自分を見ていてくれればいいという子もいます
話を聞いて欲しい子には話を聞いてあげて、見てて欲しい子には言葉をかけなくてもただいていてあげればいいのです
どの子にも同じように接するのではなく、子どもの個性をよく観察して、その子が求めていることをどの子にもそれぞれやる
可愛がる時間がない
多忙で子どもをかまってあげられないという場合には朝起きた時と夜寝る前に一人ずつ順番に子どもを抱きしめて声をかけるようにしてみましょう
例えば、朝には
「おはよう。ママの大好きな〇〇ちゃん。今日は何をしようかな」
夜には
「ママの大好きな〇〇ちゃん。今日も楽しかったね。また明日ね。」
と言って抱きしめます
最初は渋々でも、子どもたちが喜ぶ姿を見ているうちに愛情を感じるようになるよ!
そして、子どもたちにもこの抱きしめられた記憶はずっと残っていきます。
この記憶が成人した後、さまざまな誘惑や困難に見舞われても「可愛がってくれたお母さんが悲しむことはやめよう」などと思える財産となるのです
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どっちの方が好きか聞かれた時
乳幼児の兄弟喧嘩の根底に「どちらの方が親に愛されているか」この心理がよく見られます
兄弟喧嘩は親の愛情の奪い合い
また子どもが親に「僕と弟と、どっちが好き?」などという場面を見たことはないですか。
あるいはそのような質問になんと回答したらいいか、急している保護者からの相談などもよく受けます
親からの愛情を確かなものにしたいという、兄弟間の葛藤が見て取れます
このような場合は、第一に親に愛されているのかどうかが不安なんだね!
だからまずは「あなたが一番」というメッセージや言葉がけが有効でしょう。
そして日常生活の中で自分が親からしっかりと愛されていることが実感・確信ができれば、このような質問は無くなっていくでしょう
そのタイミングを捉えて親は「あなたも大好き、そして兄弟も同じくらい大好き」と伝えて欲しいです
最初から「両方大好き」は結局、その子自身の親からの愛される実感にはつながらないよ。伝える順番を間違えないようにしよう!
まとめ
複数の子どもを育てることは、それぞれの子どもによって母親自身のいろいろな面が引き出され、人としての度量を広げ、成長するチャンスでもあります
「生活が楽しくて豊かになる」という子どもを育てるメリットを、第2子、第3子の誕生をきっかけに、母親に積極的に感じていって欲しいと思います
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