何に気を付けるべきかを理解して、健診に従事することができていますか?
これを知らないと、確認すべきことを逃してしまっている可能性があります
この記事では、健診で気を付けるべきことについて解説していきます
行政側の目的
- 異常の早期発見から相談へ
- 地域の子育ての仲間づくり
- 母子保健施策への反映
保護者の目的
保護者は次のような期待と緊張と不安を持って健診にのぞむということを理解しておく必要があるね!
健診への期待
- 仲間づくり
- 母子手帳の欄をうめたい(イベント的)
- 自分を(自分の育児を)認めてほしい
- いいアドバイスがもらえるかもしれない
- 他の児を見たい(自分の子どもの成長発達が大多数の中に入っていれば安心)
健診のマイナスイメージ
- 児を試される、テストされる
- 自分の子育ての仕方を否定される
- 自分の子育ての仕方を注意される
健診の留意点
健診に従事するにあたって
- 保護者と児ができるだけ普段の姿で健診を受けられ、いかにリラックスして、日頃の様子や心配なことを話せるか、を意識しながら接する
- 保護者の期待に沿うような健診を心がける
- スタッフ間の情報の伝達と共有化(記録合む)
- プライバシー保護への配慮
問診
問診で健診全体の評価をされやすいよ!
(1)名前を確認(健診票に書かれている名前が正確)
(2)相談しやすい雰囲気づくり
- 名前を呼びながらむかえに行く。荷物が多いときは持つ等の配慮
- 保護者と児のそれぞれに目を見てあいさつ
- 保護者や児の顔を見ながら問診をする(書きながら問診を取らない)
- 〜ができている。~しているかなど、子どもの能力や親の養育態度の評価にならないよう心がける
- 保護者の育児を認める、ほめる、うけとめる、否定しない
- ”聞き取る”のではなく”聴く”ことが大事。評価はしない
(3)観察する点とその注意点
- 名前を呼ぶ前に、アンケート、母子手帳、ファイルに目を通し、問診の参考にする
- アンケート票はあくまでコミュニケーションの素材であり、チェックリストではない
- 保護者の訴えや健診に対する期待
- 保護者の育児に対する考え方、気持ち、気がかりなこと
- 37週未満で出生した児は修正月齢で観察
(4)次のセクションにつなげる
健診は保護者と児にとって数分の場であり、全てではないよ!
- 把握した問題や重要な訴えは次のセクションに引き継ぐ
- 保護者が気がかりな点は共有しておく
- いずれも、問診だけで判断する必要はない
- 何か問題が考えられるケースには個別相談を勧めるが、保護者がそれに同意しているか拒否的であるかを確認して、次のセクションに引き継ぐ(無理に勧めない)
身体計測
(1)正確に測定
(2)測定値を伝えるとき、不安を与えないようにする(他児と比べない、測定値の数値のみで伝えない、など)
(3)観察点
- 児の身体
- 児の様子(泣く、反抗するなど)
- 児に対する保護者の対応の仕方
(4)気になる点があれば次のセクションにつなげる
(5)抵抗する児には、他児の測定の様子を見せるなどして恐怖感をとりのぞき徐々に誘導、できない場合は無理せず、先に診察へまわす
診察
- 主訴に合った専門の医師に診察できるよう促す
- 保護者が心配している点、問診計測担当者が気になった点を医師に伝え、特に保護者の主訴には説明してもらえるよう促す
- 医師が保護者にどう説明をしたかを聞き、保護者が納得できたか確認する
- 保護者や児がリラックスして受診できるよう介助する(機械的に行わない、児をあやす、保護者側に立って医師に質問する、など)
- 児の受診態度、それに対する保護者の対応の仕方を観察
- 児の身体の観察
- 気になった点は、次のセクションに引き継ぐ
母子手帳返却
- 各セクションを全て終了しているか、その記録が記入されているかを確認
- 保護者の主訴が解決したか、あるいはその糸口が見つけられたかを確認
- 健診の結果を伝え、心配なことがないか確認
健診が終わってリラックスしているときだから、本音が出やすいよ!
要フォロー者への対応
- 動機づけ
- フォローするまでに家でできること、観察してほしいこと
- 不用意な不安を与えない
- 連絡先の確認(日中保護者がいないとき)
個別相談
- 保護者の心配、訴え、問題点を共有し、保護者の気持ちを確認しながら、問題解決に意欲がもてるような援助を心がける
- やってみようと思うような簡単なアドバイスを与えるだけでもよい
- 一回の相談で問題解決しない場合は、継続して相談したり他職種と連携していく必要がある
- 困ったときに保護者が再度相談しようと思える関係をつくる
まとめ
今回は乳幼児健診スタッフがしっておくべきことについて解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります
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最後までご覧いただきありがとうございました