お子さんの言動に悩んでいませんか?
他の子と違う..
発達障害も心配になりますよね
この記事では、心配な行動への関わり方のポイントを解説していきます
特定のものを異常なほど怖がる
子どもの状況
子どもは、1歳を過ぎる頃より自分のまわりの世界に起こっていることに敏感になりますが、不快な物に対して身を守れないため、特定の物に恐怖心や不安を示すようになることが多いです
恐怖の対象は、特定の物(犬や猫,鳥)や特定の状況(暗闇,頭を洗うこと)、特定の場所(トイレ、扉のすき間)等、様々ですが、身近な物がほとんどです
その動物に追いかけられた経験がある、周囲の大人が怖がる様子を見た,痛い思いをした等、子どもなりに恐怖を感じた原因がある時に怖がります
一度何かで怖がらせてしまうとそれを見ただけで外出できなくなるよ!
頭を洗えなくなる等、しつけがうまくできない状況に陥る場合もあります
対応のポイント
子どもの恐怖や不安に寄り添い、それを軽減する関わりを進める
身近な大人が、その物が安全であること、平気であることを態度で示したり、絵本で見せたりします
怖がる物への対処の仕方について行動のレパートリーを広げましょう(目をつぶる、お守りを持つ、好きなヒーローに変身する等)
怖がるものを無理強いするのではなく、遊びや生活の様々な場面を通じて子どもが自分の力に自信を持てるようにします
中には、特定の物への恐怖が、独特の注意の向け方や、感覚の過敏さからきている場合があります
慣れない建物は怖がって入れない
正常な発達
子どもは好奇心が旺盛で何に対しても興味を示すものの、ショッピングセンターや屋内駐車場、映画館等の建物を初めて目にした場合、子どもからみれば、その中がどうなっているのか予測がつきません
そのため、それを怖がる場合もあれば、子どもなりにそれに何らかの恐怖を感じる理由がある場合もあります
気になる姿
- 怖がり方が尋常でない(パニックを起こす、失神する等)
- 特定の建物には入れるが、それ以外の建物に入ろうとすると著しく抵抗を示す
感覚過敏や独特のこだわり等が背景にある場合もあるよ!
対応のポイント
不安を軽減させる
子どもの恐怖や不安に寄り添い、不安を軽減させます
その建物の中に何があるのか、パンフレットやビデオ、事前に撮った写真等を見せます
子どもに予測を持たせるために、その建物で何をするか、パンフレット等を用いて子どもにわかりやすいように説明します
自信をつける
小さな目標で成功体験を持つために「建物の入り口を見る」「一歩だけ中に入って帰る」等、無理強いせずできそうな目標で取り組みましょう
日常的に褒める等、肯定的に対応し、子どもが自分の力に自信を持てるようにします
また、新規の場所については、子どもが安心できるよう丁寧な対応を心がけます
初めての物・場所を怖がる
子どもの状況
子どもは好奇心が旺盛な一方、初めてのものや場所、場面を目にすると、知らない環境にどう対処してよいのかわからないため不安感を抱くことがあります
子どもが初めて出会う乗り物や動物、遊具等を怖がるのはある意味自然なことだね!
一方、初めてのものや場所への反応がパニックを伴うほど極端な場合、「いつもと同じ」へのこだわりから初めての場所に抵抗を示していることが考えられます
また、失敗を恐れて関わろうとする意欲がみられない場合には、見通しを持つことの困難、こだわり、自己肯定感の低さ等がその要因として考えられます
対応のポイント
子どもが好きな物や好きな遊びを増やしていく中で、外界への好奇心を育てていくことを大切にします
子どもへの関わりが、過干渉であったり、否定的でないか振り返ろう!
初めてのものや場所への関わり方を大人が具体的に示します
あるいは、事前に説明する等して子どもの不安を軽減すると共に、楽しみや期待を持たせましょう
関わる時間や場所を区切り、無理強いしないようにし、成功体験が積み重ねられるようにする
反対に、子どもの中には、初めての場所への過剰適応をみせる子どももいます
一見その場でおとなしくしていても、帰宅後や翌日にそのストレスが出てくる場合があるので、無理強いしないように注意しましょう
妙に神経質
気になる姿
- ゴミ箱の位置がズレていると直さないと気が済まない
- 部屋のドアが少しでも開いていると気になり、その度に閉めに行く
- 本棚の本が一定の規則で並んでいないと不機験になる
- 決まったメーカーの肌着しか着ない
- 手や服が少しでも汚れるのを嫌う
このように、物の位置や順番、服装等に几帳面すぎる子どもがいます
対応のポイント
できるだけ許容する
こだわりは自分を安定させるための手段でもあるよ!
そのため、許容できるものは許容し、子どもの興味・関心を広げていきましょう
生活上支障のあるこだわりについては,許容しやすい条件や、よいこだわりに変えていきます
例えば、ゴミ箱の位置へのこだわりには、一定の範囲を線で囲み、その中に置けばよいことにします
感覚の過敏さの場合は、無理強いをしないよう、受け入れることのできる刺数の種類や範囲を少しずつ広げていきましょう
親子でのやりとり遊び等の楽しいやりとりの中で、相手の要求や、ルールの変更等を受け入れる経験を積みます
わかりやすい環境を整える
神経質となる行動の背景について確認するとともに、遊びの内容や他児との関わり等の面で気になる特徴がないか確認します
不安が強くなるとこだわりも強くなるので、次に何をするか見通しが持てるように、実物や日課表等で具体的に示します
環境の変化やスケジュールの変更についても、事前にわかりやすい方法で予告しよう!
支障が出ている場合には、専門機関へ相談しましょう
ごっこ遊びをしない
子どもの状況
正常な発達
2歳頃になると、象徴機能の発達により、大人と一緒に簡単なごっこ遊びを楽しむようになります
3歳頃には、イメージを広げながら、ままごと、ヒーロごっこ等自分以外の何者かになって遊ぶごっこ遊びを発展させていきます
気になる姿
この時期になっても、
- ブロックを積んでは壊す等、単純でパターン的な遊びに没頭する
- 友達と遊具の取り合いをするが、やりとりをしながら遊ぶことができない
- 1つの遊びに集中することができない
など、ごっこ遊びがみられない子どももいます
対応のポイント
全体的に発達が幼い | その段階の遊びが十分に楽しめる環境を整えるとともに、経験を増やし子どもの興味・関心を広げる |
自発的には人のまねをしない | 大人と1対1のやりとり遊びを通して、人への意識を育て、やりとり遊びで使うスキルを教える |
動くことが好き | 大人がついて三輪車遊びやボール遊び等、身体をよく動かすやりとり遊びを心がける |
子どもが興味を持っている絵本やキャラクター、買い物や動物園等、実際に経験していることを遊びに取り入れるとよいです
この時期の子どもには、内気な性格のため、友達の輪の中に入ってごっこ遊びをすることができない子どももいます
自分の世界で遊ぶ
気になる姿
一見、楽しそうにごっこ遊びをしているようにみえますが、近くで見ると、
- 保育園での先生のセリフや登園の道順をそのまま再現
- 電車のアナウンスやアニメの台詞を記憶し、延々とそれをひとり言で再現
している場合があります
目の前に実在しないものを想像することが苦手な子は、再現遊びに没頭することが多いよ!
この場合は、大人や友達が介入しようとしても、セリフが決まっているため違うセリフを言うと抵抗を示したり、役割の交代ができなかったりします
環境の変化等の不安な状況や苦手な活動から自分を守るために、再現遊びに没頭している場合もあります
対応のポイント
大人が部分的にその遊びに加わり、一部のセリフを受け持ったり、ほんの少しセリフをアレンジしたり、他の子どもとの関わりを仲介したりします
遊びの終わり方についても、子どもと取り決めをしましょう(チャイム,サイン等)
当番活動や小集団活動等においても、友達と一緒に物を運んだり簡単なゲームをしたりする中で、相手を意識すること、役割交替やルール等、人と関わるスキルを具体的に経験させます
また、一人で再現遊び等、好きなことに没頭できる一定の時間や空間を保障しましょう
相談の目安
強い不安から再現遊びへの没頭がみられる場合には、専門機関へ相談し、助言等を得ましょう
子どもが見通しが持てる環境を工夫する中で、大人とのやりとりや信頼関係を育てよう!
かんしゃく・パニックが多い
正常な発達
この時期の子どもは、自我の育ちの表れとして、「自分で」「イヤ」と強く自己主張することも多くなり、思い通りにいかないと、泣いたり、かんしゃくを起こしたりして親を手こずらせます
中には、床にひっくりかえって大泣きし、平気で1時間程泣きわめく場合もあります
程度の差はあれ、かんしゃくはこの時期の子どもにごく当たり前にみられる成長過程の1つです
「パニックになる=異常」ではないよ!
子どもは、自分を見守ってくれる大人の存在によって、自分の感情を鎮め、気持ちを立て直していくことを学びます
気になる姿
以下のことからパニックを起こし自傷や他害がみられる場合は気になります
- 特定の物や言葉へのこだわりがある
- 音等の特定の感覚刺激
- 見通しが持てない不安
- 大人との愛着関係の問題
対応のポイント
パニックの対応は、心身ともに疲れ切るよね!
パニックになった時は、焦ったり、怒ったりせず、気持ちを落ち着けて淡々と子どもに接します
場所を変える、別の物を与える等、代替手段を用意しておく、原因となっているものがあればそれを隠します
パニックがおさまってから、子どもの気持ちに共感する言葉をかける
周囲の人が迷惑するとわかってやっている場合には毅然として応じないようにしましょう
パニックのこれまでの経過、遊びの内容、他児との関わりの様子を振り返りましょう
その上で、日常生活の中で褒める等、肯定的に対応できる場面を考えましょう
かんしゃくへの対応について、もっと知りたい方は「予定の変更が許せず、パニックになる子への2つの対応のコツ」の記事を参考にしてください
まとめ
今回は2~3歳児の気になる行動について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります
これらの行動が見られる子は発達障害の可能性もありますので、「自閉症と関わり方のポイント6選」の記事も参考にしてください
また、この時期の発達についてより知りたい方は↓の記事を参考にしてください
・「2歳頃の発達」
・「うちの子だけ?2歳〜2歳6か月の発達」
・「周りの子から遅れてる?2歳7か月〜3歳の発達」
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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