この時期は対人関係の発達が大きく伸びる時期です
・人見知りが強い/ない
・父親になつかない
・指差ししない
・感情を共有できない
などのなやみはありませんか?
この記事では、社会性や対人関係の心配への対応のポイントを解説していきます
人見知りがない
子どもの状況
・いつも世話をしてくれる保護者にも知らない人にも同じように笑顔
・知らない人の後をついて行く
・保護者にも未知の人にも同様に笑顔にならなかったり、話しかけても応答しない
この時期は既に人を見分け、愛着の対象の選定ができる子が多いよ!
原因として、信頼できる人と信頼できない人の区別が持てないからと考えられます
対応のポイント
抱っこをたくさんして、保護者等と一緒にいれば安心できるという実感をつくる
子どもに語りかけ、子どもの好きな遊びを一緒にする等、共有体験を多くして、子どもの心に「特別な人」として保護者等を認識してもらいましょう
不安な時や緊張している時に安心できるように抱きしめるのもいいね!
抱っこや遊ぶことで視線が合い、特定の人として意識していくことができるようになっていくかを観察しましょう
人見知りがひどい
子どもの状況
・いつも世話をしてくれる保護者でなければダメ
・家族であっても他の人が近づくと泣き叫んだり、過剰に保護者にしがみついてパニックになる
生活に支障が出るね!
対応のポイント
子どもが他の大人を徐々に受け入れられるように工夫する
・無理をせず、子どもが安心できる距離を把握
・子どもに気付かないふりをしながら近づく
・母親と仲良く話している姿を見せる
また、もともと分離不安の強い時期であることを考慮した上で、他の大人に関わろうとする行動が出てくるかを観察します
生活に支障が起きるほどひどい場合には、こだわりの強さが素因にあることも考えられるので、専門機関へ相談しましょう
母親ベッタリで父親になつかない
子どもの状況
・抱っこも後追いも母親を求め、お風呂や寝る時、食事を食べさせてもらうのも母親にやってもらいたがる
・父親が代わりにやろうとしても、母親の方に行ってしまうか、泣く
・母親には安心感を持っているが、父親には持たない
原因
父親の原因
父親になつかない原因が、子どもと関わる時間の短さや父親の役割の違いのことがあります
その場合は、関わる時間を増やしたり、関わり方を子どもに合わせることで、母親べったりが緩和され、父親にも要求がみられるようになることがあります
母親の原因
母親の「子どもを離したくない思い」からきている場合もあります
また、夫婦関係が安定していないと、子どもを自分の側につけたい思いから、子どもがそれを察して母親にべったりすることもあります
どちらも愛情があるが故の行動だけど、無意識のうちに子どものあるべき立場を決めつけてしまっているね!
子どもの原因
子どものこだわりの強さの結果として表現される場合もあります
他の面でのこだわりの有無も観察しましょう
対応のポイント
子どもが楽しいと思えるダイナミックな遊び等、母親にはできない父親だからこそできる関わりをする
子どもが絵本を読んでほしい等と父親に要求してきたら、きちんと応えていきましょう
また、子どもと父親の二人で公園や買い物に行く等、社会の中で父親しか頼れない状況をつくることも、父親になつくことにつながります
環境調整や役割分担が大切だね!
子どもが母親を求めないよう、母親には外出してもらい,その間に子どもと関わるようにするのもよいです
両親一緒に遊んだり、食事を食べさせたり、お風呂に入って遊ぶのもよいです
生活に支障を来たすようであれば、専門機関へ相談しよう!
指さしをしない
気になる姿
・欲しい物があり手が届かないとその場で泣く・保護者の身体にしがみつく
・絵本を見せて「ワンワンどれ?」とたずねても反応がない
指差しの種類
指差しには3つの種類があります
子どもがどの指差しをしないのか確認する必要があります
要求の指差し | 自分の欲しい物を指差す |
定位の指差し | 見た物を何でも指差して周囲の人に共感を求める |
可逆の指差し | 「ワンワンどれ?」の問いに答えて指差す |
また、1歳前に物を手に取って大人に見せる行為があったか、大人が指を差した方向を見ていたか確認します
なお、ここでは指差しと表記しましたが、要求の指差しにおいて人差し指を使わずに手全体を使って指す(手指し)、大人の手をつかんでその手を使って差す(クレーン)場合があります
対応のポイント
要求の指差しがみられない時は、例えば牛乳とお茶を提示し「どっち?」と聞き、子どもが欲しいものを取ろうとしたり、手差しや指差しで示すようにする等、要求を表明する方法の獲得を促していきましょう
定位の指差しがみられない時は、「ワンワンだね」「お花だね」等と大人が見た物を指差して子どもに伝えて共感を育てます
可逆の指差しが見られない時は、子どもとやり取りを楽しみながら質問をし、聴いて、見た物を指差すということができたら大いに壊めて、指示理解の意欲も育てます
相談の目安
指差しは1歳~1歳半にみられ、言葉の出現とともに定位や要求の指差しはみられなくなります
1歳半になっても言葉がなく、指差しがみられない時は専門機関へ言葉の相談をしましょう
また、可逆の指差しで指示ができない時は人との関係に注目して、2歳までに指示が入りにくい時も同様に専門機関へ相談しましょう
親が見ている・指さされた方を見ない
子どもの状況
正常な発達
子どもは保護者と最も共感する関係にあり、保護者のまねをよくするよ!
その1つに保護者が見ている方向を一緒に見たり、保護者が指を差した方向を見るというものがあります
気になる姿
・子どもが保護者の動作に興味がなく保護者の動きに関心を示さない(共同注視に欠けている)
・他者とのコミュニケーションに心配がある
このような場合は、保護者に共感できていない・対人関係が苦手であるかもしれません
対応のポイント
対応の基本
子どもが保護者に関心を示しているか確認しよう!
例えば、親子で遊びをした時、楽しさを共有して「もっと」と要求を示してくるか等です
家庭では子どもが興味を示すことを一緒に行います
大人には遊びに思えないこともあるかもしれませんが、最初は一緒に行うということを優先します
保護者に再現を求める要求行動を通して人としての保護者に関心ができ、共感が育つ
一人遊びが好きな子の場合
皆さんとの共感が育つ前に、親とのやりとり遊びが成立しにくい、人と遊ぶよりもひとり遊びを好む等の状況があります
子どもの興味が広がらないうちは、家庭での取り組みだけでは限界があるよ!
そのため、子育て広場等の第三者が介入して様々な遊びができる場へ行くこともオススメです
2歳近くになっても共感が得られなければ専門機関へ相談
まとめ
今回は1~2歳のコミュニケーションの気になる姿について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります
この時期の発達についてより知りたい方は↓の記事を参考にしてください
・「うちの子大丈夫?1歳〜1歳6か月の正常な発達」
・「うちの子大丈夫?1歳7か月〜2歳児の正常な発達」
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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