皆様のお仕事は、精神的な負担が大きい仕事内容に加え、相談者さんのストレスに影響されたりする方も多いでしょう
また、報告書などの事務作業が増えて、肝心の相談支援に時間が取れず、やりがいを感じにくいという状況もあるかも知れません
この記事では、ストレスを溜めない方法と、ストレスを良いストレスに変えていく方法を解説していきます
有害なストレスにしない
皆さんも、ちょっと難しい仕事に頑張ってトライして、大きな達成感を味わったという経験があるかも知れません
この場合のストレスは能力を伸ばすための良い負荷になったと言えます
ストレスは必ずしも悪いものではないよ!
ストレスには、良いストレスと有害なストレスがあるという観点が重要です
アメリカで子どものストレスに関して、3つのストレスレベルの研究があります
これは成人にも活用できる内容です
有害なストレスになる前にきちんと対処し、許容可能なストレスに変える
3つのストレス
適度なストレス
成長し、挑戦し、高いレベルの活動をするきっかけになります
自分でできそうならばサポートは断ってもOK
許容可能なストレス
比較的短い期間に生じ、抵抗力をつけることにもなります
部分的にサポートがあった方がいいのでSOSを求めよう!
有害なストレス
支援のない状況でストレスが長期にわたって頻繁にかかる状況
必要なのにサポートがない状態は成長にはつながらないことがあります
誰かに悩みを聞いてもらうだけでもいいので、一人で頑張らないようにする
対人関係に役立つヒント
皆さんのお仕事で、コミュニケーションはとても重要なことだと思います
ここでは対人関係が良くなり、対人関係のストレスマネジメントやアンガーマネジメントに役立つヒントをご紹介します
①共通点が多く、共感できると安心する
相手にいきなり正論を伝えても、なかなか受け入れてはもらえません
大切なのは、まずラポール(信頼関係)を築くことだね!
雑談を有効活用する
ちょっとした雑談の中から共通点を見つけたり、「今日は寒いですね」などと、共通の気持ちを確認できたりすると、人は安心し、心を開きやすくなるものです
相手がストレスを抱え、落ち着いて話ができない状況の時、特に大切なポイントです
②存在を否定しない
業務でアドバイスをする機会が多い方もいらっしゃるでしょう
アドバイスとは、よく考えてみると「あなたの今やっていることはダメ」「こうした方がいい」というダメ出しとも言えます
特にアドバイスをするときに大切なのが、「相手の存在や価値観を否定しない」ということだよ!
例えば、お母さんに子育てのやり方について改善して欲しい点があれば、「この点について、このようにしてみるとお子さんも安心かも知れませんね」のように、アドバイスの対象を限定し、さらに肯定的な提案として伝えることで、受け入れやすくなるでしょう
アドバイスはダメ出しになりがちだが、肯定的な提案にする
アンガーマネジメントへの応用
これはアンガーマネジメントにも応用できます
特に、利用者さんから怒りや理不尽な言葉を受け取ることが多い方は、相手は私の存在自体を否定しているわけではない、ただ問題が起こって不安なので、その問題に関して気持ちがたかぶっているだけだ、と怒りの範囲を限定するとダメージも少なくなるでしょう
職場内での応用
職場でもこの考え方を用いて、指導する際は相手の存在を否定しないように注意し、「失敗したこの言動に今後は注意して欲しい」といった伝え方をすると、職場環境も安心・安全なものになります
③相性が良くない人もいる
業務で色々な方と話をすることも多いと思いますが、どうしてもこの人とは合わないと感じたことはないでしょうか
その時は「私はコミュニケーションが下手」などと思う必要はありません
ただ相性が悪いんだと理解し、どのような言い方をすると相手は受け入れやすいのだろうかと考える姿勢が大切です
つまり、「人は自分と違う」ということを大前提にし、相手に合わせたコミュニケーションをするということだね!
対処法
基本的に怒りの原因は、予想外のことが起こる、当然と思うことをそうやってくれない、など「想定外」にあります
そのため、色々なことを想定内にしておくと、怒りモードにならず、淡々と課題解決に取り組めるでしょう
相性が良くない人もいるとあらかじめ理解しておくことはアンガーマネジメントにとって効果的だよ!
その際、心理学者のユングが指摘した以下の内容を参考にしてみてください。
内向タイプと外向タイプ
内向タイプは、特に初対面では積極的に自己開示をすることは少ないため、じっくり話を聞くのが良いでしょう
逆に外向タイプは、積極的に話をしてくれることが多いため、まず聞き手にまわって情報収集するのが良いでしょう
感情タイプと思考タイプ
感情タイプは、まず自分の気持ちや価値観を受け入れてもらったと感じることが大切ですので、じっくり話を聞き、十分に共感を示すことが大切です
思考タイプは、問題解決に疑問点があることが多いですので、疑問点を説明してもらい、データとともに納得できる理由の説明が大切です
④怒りの下にある思いを傾聴し共感
怒りの下には、必ず別の思いが隠れているよ!
例えば、「どうしてこんなことになったんだ」と怒っている利用者さんには「本当はこうして欲しかった」という願いがあったのかも知れません
願いが満たされず、がっかりして怒りになってしまっているということに気づければ、その想いに共感しやすくなる
そうすることで、相手も「わかってくれた」と感じ、スムーズに話が進みやすくなります
⑤まず自分を大切に
プールに溺れている人を助けるためには、何が必要でしょうか?
まずあなたに泳ぎのスキルがなければなりません。
さらに、泳げる体調でなければなりません
ストレスで大変な相談者を助けるには、あなた自身がいい状態で、スキルが発揮できることが必要
大人援助職の方は利他的で、自分を犠牲にして相手のために頑張る方も多いかも知れません
ただ、利用者さんの大変な話に一生懸命共感しすぎてしまうと、身体的にも感情的にも疲弊し、気力が低下してしまうよ!
共感すること自体はとても良いことなのですが、一体化しないことが大切です
ご自身のストレスマネジメントを優先し、良い状態であることが必要です
ご自身のストレスマネジメントを優先し、良い状態で仕事に向き合うことが利用者さんのためにもなるよ!
相手に一体化しすぎない
相手に一体化し過ぎないために、適切な「境界」を意識しましょう
自分と相手をきちんと区別することです
相手を客観的にみる視点を持ちつつ、相手の気持ちに寄り添う良いバランス感覚を身につける
そこにはマインドフルネスのスキルも役立ちます
⑥マインドフルネス
マインドフルネスの大切なポイントは、今ここでのありのままの気づきということです
いま、「怒りの感情があるな」ということに気づければ、言葉に気をつけることができます
ストレス状態に気づければ、休憩を取ることができます
ご興味のある方は、瞑想の本などを参考にしてみてください
対人関係に役立てるキーワードは
「考えても考えなくても変わらないことは考えない」
例えばアドバイスをした内容がよくなかったな、もっとこう言うべきだった、などと後から考えることもあるでしょう。
ただ、それはもう終わったことですので、考えても考えなくても変わりません
マインドフルネスを練習することで、それに気づき、今できることに集中することができるようになります
過去を後悔したり、未来を心配したりしてエネルギーを浪費することが減っていけば、ご自身のためにも利用者さんのためにもなる
まとめ
最近の困難事例の背景に、発達障害が疑われるケースが増えており、ストレスを感じるという御相談をよく受けます
特に、健診や健診後の結果報告やフォロー場面で、親御さんとのコミュニケーションに気を遣われることが多いでしょう
色々伝えたけど、一番大切なのは自身の心と身体の安定だよ!
ご自分を大切に、十分セルフケアをなさってください
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