早産児や低出生体重児は様々なリスクがあります
早産児や低出生体重児の出生を防ぐためにはどうしていったら良いのか解説していきます
早産児・低出生体重児出生のリスク
低出生体重児で最も多い原因は早産で、早産を防止する1番の目的は低出生体重児の出生を回避すること
胎児発育遅延があれが正期産でも低出生体重児となるため、早産と胎児発育不全を予防することになります
既往早産、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、子宮内膜症、自己免疫疾患、子宮奇形、円錐切除後、歯周病、細菌性膣症、頸管無力症、切迫早産、子宮筋腫、喫煙、母体低体重、妊娠中体重増加不良、母体ストレス

胎児発育不全のリスク因子のほとんどが早産リスク因子と重複しているね!
予防するための体重増加量
女性の妊娠前の体格と妊娠中の体重増加量は、出生体重や早産率に相関することが知られており、特に胎児発育へ大きな影響を与えます
日本の平均出生体重は
1980年:3190g→2019年:3010g
と大きく減少しています
推奨体重増加量の変化
1999年 | 2006年 | 世界 | |
BMI<18 | 10~12kg | 9~12kg | 12.7~18.1kg |
BMI18〜25 | 7~10kg | ~12kg | 11.3~15.9kg |
BMI>25 | 5~7kg | 5kg | ~9.1kg |
昔は妊婦の過食、肥満、運動不足の傾向があり、妊娠後半期の栄養負荷量を抑制していました
現在でも、日本と世界を比較すると、世界の方がかなり多い増加量を示しています
推奨体重増加量が間違っているかも⁉︎
体重増加量の目安の普及によって早産児・低出生体重児の出生減少が期待されています
体重増加量の目安や胎児期の栄養と将来への影響等指摘されているが、確証はない
これはDOHaD仮説に基づいていますが、胎児期の健康・栄養状態が将来の健康に影響を与える場合のリスクを最小にする日本人の出生体重は、まだ明確にはされておらず、またDOHaD自体もまだ仮設の域を超えていません
さらに、低体重の女性に12〜15kgの体重増加を求めることがストレスになるのも懸念が残り、この基準は完全なものとは言えません
そのため「至適」や「推奨」という言葉は使われておらず、「目安」であることが強調されていることに注意する必要があります
さらに目安には、出生体重4000g以上の「巨大児」を減少させることも考慮されています
糖代謝異常に基づく巨大児は抑制できていますが、今回の目安の普及によって妊娠中の体重増加が多くなり、妊娠糖尿病の発症率が増加することも懸念されます
妊娠前からの対策
低出生体重児の比率は増加しています

胎児発育は妊婦の体重増加量とともに妊娠前の体格にも依存しているよ!
平均出生体重が最も高かった1980年と比較すると、20歳、30歳代の女性のBMIは著減しています。
最近20歳代のBMIは持ち直していますが、30歳代は依然として低値です
従って妊娠中の栄養管理のみならず、妊娠前からの女性の栄養管理が、早産・低出生体重児の抑制に有効であると考えられ、今後は妊娠前から栄養管理を考えていきましょう
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