スタイルの良さが妊娠の悪影響になる理由

近年は痩せ願望が強い女性が多く、世間では「スタイルが良い」と言われる女性が増えています

しかし、それは本当に良いことでしょうか

この記事では、スタイルが良いことと胎児への関係について解説していきます

若年女性の栄養状態の現状

我が国における20歳代女性の「やせの者」の割合は、1990年頃から2009年にかけて増加傾向で推移し、2010年には29%を越え、痩せ身化が進みました

その後は減少、横ばい状態が続いていますが、令和元年では20.7%とおよそ5人に1人が「痩せすぎ」で、深刻な健康問題となっています

エネルギー摂取量の減少

カバさん
カバさん

若年女性の痩せ身化の背景には、エネルギー摂取量の減少が関連しているよ!

実際に20歳代女性の平均エネルギー摂取量の推移を見ると、1995年以降の25年間で1,866kcalから1,600kcalへと10%以上減少しており、妊娠出産を迎える若年女性が徐々に痩せてきていることを裏付けていると言えるでしょう

このようにエネルギー摂取量の減少に伴い、

微量栄養素の摂取不足

特に妊娠中は児の発育のために必要量が増大する鉄や葉酸は、推奨量を満たしていない

女性本人と次世代の健康に影響を及ぼす

(↓特に葉酸はサプリから補うことも有効です)

痩せすぎが次世代の健康へ影響

痩せている成人女性は、普通体重の女性と比較して骨密度の低下、死亡率の上昇など女性本人の健康への影響に加え、低出生体重児出産率の上昇など、次世代の健康への影響も報告されています

カバさん
カバさん

肥満が妊娠糖尿病の発症リスクとなることはよく知られていますが、痩せもまたそのリスクとなるよ!

妊娠前から適正なBMIの保持と、成人以降の急激な体重増加を避けることは、妊娠糖尿病発症予防及び母児の健康を守る上で重要と考えられます

出生体重

若年女性のやせすぎと次世代の健康への影響との関連について、注目されている指標の一つに児の出生体重が挙げられます

児の出生体重の平均値は、その国の経済状況を反映している場合が多く、先進国では大きい傾向にありますが、我が国における平均出生体重は、この40年で約200g減少しており、他の先進国では見られない特異な状況にあります

特に出生体重2,500g未満の低出生体重児では、乳児死亡や成長過程の健康課題にとどまらず、成人後の循環器疾患や糖尿病発症の危険因子です

そんな中、我が国の低出生体重児の出生割合は、新生児のおよそ10人に1人の割合を占めていることから、長期的な予後改善が急務となっています

若年女性の気をつけるポイント

妊娠は食生活を見直す絶好の機会ではありますが、妊娠を希望している女性であっても食生活習慣指導に従うことは容易ではないことも研究によって明らかにされています

最初から完璧な食生活を目指すのではなく、朝食を食べる習慣がない場合には、おにぎり1つ、バナナ1本、まずは食べるなどできることから始めることが大切です

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