胎盤関連産科合併症を聞いたことありますか?
近年、この疾患が話題となっています
この記事では、胎盤関連産科合併症と治療について解説していきます
胎盤関連産科合併症とは
近年、胎盤関連産科合併症(PMPC)という疾患概念が提唱されています
胎盤関連産科合併症とは、胎盤の形成不全や機能障害に関連し発症する産科合併症の総称で、在胎不当過小、妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、早産、後期死産などが含まれる
病態の異なるこれらの疾患を、欧米諸国の数世代にわたるビックデータから解析すると、実に多くの共通点がありました
高い再発性
これらの疾患は、それぞれ再発リスクが報告されていますが、興味深いことに胎盤関連産科合併症として一括して捉えれば、各疾患が交差し互いが互いの再発リスクになります
また、母から子へ、そして孫へと世代を超えて再発し、その遺伝要素には母親だけでなくその兄弟姉妹やパートナーの要因も関わることが報告されています
さらに、胎盤関連産科合併症における出生児では将来の成人病の発症リスクが増加します
いわゆるDOHaD仮説です
同様に母体でも胎盤関連産科合併症の既往は、のちの脳・心血管障害に関連し、米国のガイドラインでは最大のリスク因子の一つに挙げられています
治療法
残念なことに、今日まで明確な予防法や治療法が確立していません
しかし、疾患を胎盤関連産科合併症として一括することで、新たな治療戦略が構築されつつあります
実際、低容量アスピリンや様々な微量栄養の予防効果が報告され始めています
長年、「偶然でしょう」と通り過ぎ、ハイリスクである認識もなく有効な予防策も提示されてこなかったが、今後変化していくことが期待されます
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