NICU入院を経験する子を持つ家族はどのような感情の変化を伴うのでしょうか
この記事ではNICUで出会う場面や支援の方法について解説していきます
親の辛さへの支援
何もしてあげられない
何もしてあげられない
NICUで保育器の中の小さな我が子と対面した親から、この言葉を幾度聞いたでしょう
母親は我が子に「何もしてあげられない」と罪悪感と無力感でいっぱい
父親はそんな母親にすら「なにもしてあげられない」と打ちのめされる…
家族も一緒にケア
NICUでは家族が赤ちゃんのケアや治療方針決定に参加できることが、愛着形成や赤ちゃんの発達に重要であると考えられています
家族は早期から赤ちゃんのケアに携わるよう導かれるよ!
最初は赤ちゃんに恐る恐る触れていた家族も、徐々に赤ちゃんに自然に関われるようになり、赤ちゃんの成長とともにケアは日常的な育児へと移行します
自信がない
看護師の「○○ちゃん、最近よく泣くんですよ」との報告に、家族が「そうなんですか〜?私は泣いているの見たことなくて」と曖昧そうに笑う場面を見かけることがあります
家族は赤ちゃんの成長が喜ばしい反面、面会時間にしか赤ちゃんに会えない自分が赤ちゃんを本当によく理解できているのだろうかと不安なんだね!
加えて、家族はこの小さな赤ちゃんにはNICUのようにきっちりとルールに沿ったケアをしなければならないと無意識に思い込んでおり、些細なことでも育児に「自信がない」となりやすいです
個別性の高いケアの仕方の提案
そこで、看護師は生活の中で育児ができるように家族と赤ちゃんにあった指導を行います
NICUだからこそ家族は個別性の高いサポートを繰り返し受けられ、育児に自信をつけてから退院できます
思ってた育児と違う
思い描いた出産ではない、赤ちゃんに会えない、なにもしてあげられない、自信がない…
NICUで家族はたくさんの「ない」の辛さに晒されます
特に母親は産後の体調変化に加えて、搾乳と睡眠不足、面会のための移動で身体的に疲労が蓄積し、精神的にも疲弊します
「ある」に気づく
しかし「ない」だらけの辛い時間の向こう側に「ある」ものに気づく瞬間もあります
それは、赤ちゃんの生きる力です
医療機器に助けられつつも、赤ちゃんは息をし、消化し、排泄する、温もりがある
親がどうであろうと、我が子は自分の力で生きていると気づくのです
家族はその体験を「この子が私を親にしてくれる」とよく表現するよ!
赤ちゃんの生きる力に促されて、家族は不安だらけでも親としての覚悟を持てるのです
ここでの気づきが今後の育児の心の支えとなる
事実、早産児・低出生体重児は発達や医療上の課題を抱えやすいため、家族がその先で育児困難にぶつかることもあります
しかしそんな時、この瞬間の体験に立ち戻り、愛情と親としての覚悟を自分の心のうちに再確認し、育児困難に取り組み続ける家族もたくさんいます
NICU退院後の親子の支援
支援する側が家族の周産期の体験に想いを巡らせ、語られる言葉に真剣に耳を傾けて聞くことが家族の力を引き出すケアになります
愛着形成
生後早期の母子分離や赤ちゃんの発達や医療上の課題は、愛着形成のリスク要因として認識されています
ですが、そのせいだけで愛着形成が阻害されるというよりも、家族自身の生い立ちや妊娠・出産での傷つき、生活上の困難が十分ケアされないまま、NICU入院という出来事が重なった場合に、愛着が傷を受けてしまうというケースの方をよく経験します
愛着形成は、いくつかの要因が重なることで阻害される
発達の遅れ
早産児・低出生体重児は、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症などの神経発達症群の特徴(いわゆる発達障害)を持つ割合が高いと言われています
しかし、早産児・低出生体重児の子は、タイミングが合えばやりとりが上手にできるなど、他の発達障害の子とは違った特徴を持っているように感じます
支援の力を伸ばす
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