乳幼児期の下痢への対処法

乳幼児はよく下痢になりますが、どうして下痢になってしまったかわかっていない時が多いと思います

この記事では、下痢になる原因と下痢への対処の仕方を解説していきます

下痢の原因となる感染症の種類

カバさん
カバさん

乳幼児の下痢症は、多くは2週間以内に症状が収まる急性下痢症だよ!

その原因として、アレルギー化学物質(ヒスタミンなど)などが関係することもありますが、ほとんどが感染症によるものです

主にはウイルスと細菌によるもので、水溶性の便はウイルスせいで、血便や粘液便は細菌性で見られることが多いです

ロタウイルス、ノロウイルスを代表としてアデノウイルス、サポウイルス、アイチウイルス、パレコウイルス、エンテロウイルスなど多様なウイルスが下痢症の原因となることが知られています

カバさん
カバさん

細菌性の方が、発熱・腹痛が強い傾向があるよ!

流行時期

感染性胃腸炎は以前は年末から年始にかけてのピークがノロウイルスに、3〜5月のピークがロタウイルスによるもので、細菌性の胃腸炎は目立った季節性はないと考えられてきました

2020年、2021年は年末年始のピークが認められず、2020年初頭から流行した新型コロナウイルス感染症への対策により、胃腸炎の流行も全般的に抑えられていた可能性が指摘されました

2022年の年末から、若干患者報告数が増え、地方衛生研究所からの報告では、サポウイルスやノロウイルスが検出されているようです

ロタウイルスに限る胃腸炎も2013年10月より基幹定点から報告が開始されました

こちらは最近の報告の増加はなく、これが後述するロタウイルスワクチンの効果によるものなのか、もうしばらく様子を見る必要があるのかと考えられています

下痢をしているときのホームケア

嘔吐や下痢で体から水分が大量に失われると、「脱水」という状態に陥る

急性下痢症に伴って稀に痙攣を起こしたり、意識障害が見られたりしますが、入院を必要とするお子さんのほとんどの原因がこの「脱水」によるものです

症状改善のためには

「脱水」症状を和らげるためには、経口補水液と総称されるブドウ糖と塩分、水分が適度に含まれたものが用いられます

予防

急性下痢症の感染性微生物の感染経路は「経口感染」であり、そのほとんどが「接触感染」と言われる形式で広がります

これには、嘔物や下痢便などに含まれるウイルスや細菌で汚染された手指から直接感染する場合と、汚染されたドアノブなどを触り、間接的に手指が汚染されて、そこから感染する場合がります

汚染された表面の消毒には、消毒用エタノールだけでは不十分なウイルス(ロタウイルス、ノロウイルス)などもあり、次亜塩素酸ナトリウムの使用が推奨され、流水と石鹸による十分な手洗いが必要となります

(↓指しゃぶりも感染の原因となるため、これを機にやめさせるための参考にしてみてください)

お尻のケア

カバさん
カバさん

下痢が長く続くと、特に赤ちゃんでは、お尻周りが被れることが多いよ!

こまめにおむつを変えてあげることに加えて、下痢便を拭き取るのではなく、ぬるま湯を入れた霧吹きでお尻を洗い流すようにしてから、清潔なコットンで水分を軽く拭き取るだけにしてあげると、皮膚への刺激が減らせます

ロタウイルスワクチンについて

2011年11月に1価のRotarixが2012年7月に5価のRotaTeqが任意接種として導入され、2020年10月に両者が定期接種化されました

Rotarixが2回接種、RotaTeqが3回接種ですが、両者同等にロタウイルス感染症の重症化を防ぐ効果があります

腸重積の副反応を避ける目的で、初回接種が生後早期に設定されていることに留意する必要がありますが、このロタウイルスワクチンの定期接種化を機に日本においてもワクチンごとの接種間隔制限が撤廃されました(注射生ワクチン同士のみ27日以上空ける制限あり)

カバさん
カバさん

かかりつけの先生と相談しながら、効率よく乳幼児期のワクチン接種を進めていこう!

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