働く女性が妊娠・出産を迎え、産休・育休を取得の後、職場復帰を果たして、仕事と育児を両立させたいと願うことは自然の流れです
また、育児に協力的な男性も特別ではなくなってきました
それだけに働く環境や状況は多様化している一方、こうあるべき、こうあらねばとの期待は一様で、情報の差から生じる不安などに対し、皆さんはどのように支援できるのか解説していきます
働く妊産婦を理解するとは
働き方を理解する
妊産婦の生活背景を知るにあたり、家庭や職場環境をヒアリングする際、働くことに関してどこまで話題を深めることができるでしょうか
職業を聞いて理解できることはどこまででしょうか。
家庭環境同様に話したがらないこともたくさんあるとは思います
不安の根源が働くことに関連していた場合、その解決の糸口を一緒になって考える、あるいは寄り添うだけでも働く妊産婦の不安軽減に役立つよ!
職業や会社名を聞いて理解できることは、一般化されたイメージに過ぎません
雇用形態・勤務形態・業種や職種・職位・勤続年数・転職歴など、今、置かれた立場や状況を理解するため、知っておきたい基本事項は無数にあります
働き続けることに対しての不安
「今、働くことでどんなご苦労をなさっていますか?どんな働きがいを感じておられますか?」
など、そのような投げかけをしてみることで、働く妊産婦の不安に気づくお手伝いができることもあります
ちゃんと働けるだろうか
今のキャリアを継続できるだろうか
夫はどこまで協力してくれるだろうか
妊娠するだけでも、出産して母となるだけでも、大きな不安なのに、働き続けること自体への不安は果てしなく広がっていきます
支援者が気をつけること
この状況で働くことで、この妊娠・出産・産後の経過は順調に進むか
どのような働き方が、妊娠経過や産後の復帰に支障をきたすだろうか、無理をさせてはならないギリギリの限界はどこだろうか、ということを一緒に考えていく必要があります
働く妊産婦の職業的背景に注目するだけでも、それぞれの不安の根源とその解決に向けての糸口を把握することができるね!
また、妊産婦自身も母性健康管理や法律や制度、社内での就業規則などを十分に知らない、あるいは周知されておらず、基本的な情報不足で不安を膨らませていることも多く、非正規だから守ってもらえない、不当に扱われても泣き寝入りするしかないと誤解しているケースも多々あります
その人にあった正しい制度の使い方を伝えていこう!
職場復帰に向けて
母親の心情
出産前と同様の働き方、成果を出さねばならない
これは妊娠中ももちろんですが、職場復帰にあたって躓きやすいケースの一つで、精神的に追い詰められてしまっている場合があります
妊娠中は経過も順調で幸いいつも通りに働くことができたばかりに、育児期における働き方への想像力が欠如してしまう場合もあります
産休・育休の期間中に、職場復帰に向けた相談の機会を、企業としてあるいは職場として制度化、習慣化していける場合はまだ良いのですが、母親だけで復帰の準備をしたり決めたりできることなどは限られています
支援の仕方
憶測ではなく、職場関係者ときちんと打ち合わせできるのか、それはいつ頃なのか、夫とも話し合えているのか、確認をとるよう促そう!
社内の産業保健スタッフがご本人から見えているのかどうか、それも確認してください
大企業にお勤めで、当たり前のように健康管理室があり、随時、相談できる場合は連携も取りやすいでしょう
しかし多くの企業では嘱託産業医が月に一度訪問していれば良い方(五十人未満の事業所では選任義務がない)で、本社に産業看護職がいても、その存在を知らないことも多いはずです
その他に衛生管理者や衛生推進者、母性健康管理推進者など医療職でなくても企業における母性の相談窓口の存在を確認してみるのも良いでしょう
母健カードの活用
ただ、実際のところは連携といってもどの手段で動けば良いのか、難しいところだと思います
産科や持病等の主治医と連携できる場合には、「母性健康管理者指導事項連絡カード(以下、母健カードと略す)」を発行してもらうルートで職場とつながることも可能です
母健カードは、医師等の女性労働者への指示事項を適切に事業主に伝達するためのツールで、働く妊産婦の方が医師等から通勤緩和や休憩などの指導を受けた場合、その指導内容が事業種の方に的確に伝えられるために利用するもの
母子健康手帳にも記載されているよ!
母健カードの改正により措置が必要となる症状等があれば予防的に早めに対処してもらえる様式になりました
この母健カードを利用すれば、働く妊産婦の窮状をわかりやすいルートで、企業側へ伝えることができます
利用して、指導事項が現場で適切に実行されたか、その流れを妊産婦に聞いて、不安解消の一助となったか確認する
おわりに
女性が働くことは当たり前となったものの、妊娠時期も幅広い年齢層に及び、置かれた状況下で妊産婦の不安は多様化しています
その背景において、職場や仕事の要因を丁寧に聞き出し、抑えておくべき情報は何か、連携先はどこか、などを共に探り、働くことでの不安に寄り添えれば妊産婦の働き続ける意欲への支援とつながることでしょう
支援の力を伸ばす
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