小児の肺炎球菌感染症を知っていますか?
この記事では病気の説明から予防接種の意味と接種方法について解説していきます
小児肺炎球菌感染症とは
肺炎球菌は、細菌による子どもの感染症の二大原因の一つ
この菌は子どもの多くが鼻の奥に保菌していて、時に細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎といった病気を起こします
肺炎球菌による化膿性髄膜炎の罹患率は、ワクチン導入前は5歳未満人口10万対2.6〜2.9とされ、年間150人前後が発症していると推定されていました
致命率や後遺症例(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)の頻度はHib(ヒブ)による髄膜炎より高く、約21%が予後不良とされています
肺炎球菌ワクチンが普及してからは、肺炎球菌性髄膜炎などの侵襲性感染症は激減したよ!
沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン
子どもで重い病気を起こしやすい13の血清型について、子どもの細菌性髄膜炎などを予防するように作られたのが、小児の肺炎球菌ワクチンだよ!
このワクチンは、平成12年にアメリカでまず7価ワクチンとして接種が開始され、平成22年から13価ワクチンに切り替えられました。
現在では、100ヵ国以上の国々で13価ワクチンが標準的に使用されています
このワクチンを接種することで細菌性髄膜炎や菌血症を減少させることが多くの国から報告されています
我が国では、平成25年11月から接種できるようになり、同様に侵襲性肺炎球菌感染症は減少しています
その他のワクチンとの同時接種を行うことについては、その必要性を医師が判断し、保護者の同意を得て接種が行われます
それぞれ単独に接種することも可能です
副反応
接種箇所の紅斑 | 67.8〜74.4% |
腫脹(はれ) | 47.2〜57.1% |
発熱(37.5度以上) | 32.9〜50.7% |
平成25年10月28日〜令和元年6月30日までに医療機関から副反応の疑い例(有害事象)として報告されたうちの重篤症例(報告者が重篤として判断するもの)の発生頻度は、10万接種あたり1.9となっています
接種方法
小児の肺炎球菌感染症の予防接種は、初回接種の開始時の月齢ごとに以下の方法により行います
①の方法を標準的な接種方法とします
長期にわたり療養を必要とする疾病などで予防接種を受けることができなかった子も同様だよ!
①初回接種開始時が生後2〜7か月
初回接種については、標準的に生後12か月までに27日以上の間隔を置いて3回接種します
追加接種については生後12〜15か月に至るまでの間を標準的な接種期間として、初回接種終了後60日以上の間隔を置いた後であって、生後12か月に至った日以降において1回接種します
ただし、初回接種のうち2回目の注射は生後12か月に至るまでに行うこととし、それを超えた場合は、初回接種のうち3回目の注射は行いません(追加接種は実施可能)
②初回接種開始時が生後7〜12か月
初回接種については標準的には生後12か月までに27日以上の間隔を置いて2回接種します
追加接種については生後12か月以降に、初回接種終了後60日以上の間隔を置いて1回接種します
ただし、初回接種のうち2回目の注射は、生後24か月に至るまでに接種することとし、それを超えた場合は接種は行いません(追加接種は実施可能)
③初回接種開始時が生後12〜24か月
60日以上の間隔を置いて2回接種します
④初回接種開始時が生後24〜60か月
1回接種します
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