【支援者向け】虐待予防のための親子への支援

母子支援をしていると、必ず「虐待」の予防の視点が大切になってきます

この記事では、虐待が起こる背景や虐待が起こり得る家庭への支援の仕方を解説していきます

早期発見の難しさ

子どもの虐待を予防し、それでも起こってしまった時には早期発見することが、親と子どもに接する方に求められている

母子保健では、健康診査など地域で生活するすべての親子に接する機会があるので、不幸にも虐待が起こってしまった時、どうして見つけられなかったのかと責められることも多いかと思います

報道によると、虐待の通報があって駆けつけたが「服を脱がせるタイミングがなく、(虐待の痕を)発見できなかった」と言う事件がありました

カバさん
カバさん

これまで関わりのない人間が、突然服を脱がせるのは想像するだけでも難しいことがわかるね

衣服で覆われているところまで見るには親になんと言ったらいいのか、怒られてしまうのではないか、など躊躇したのかもしれません。
また、傷を確認できたとしても、親が「階段から落ちた」など事故というかもしれず、その場で虐待と判断するのは難しいことです

事故でも虐待でも支援が必要な親子である認識を持つ

関わり方のポイント

泣き声があり通告されたのであれば、
「どこか痛いところがあるのかもしれない。調べてもらおう」
と言い、
「親では気が付かないあざや骨折ができる病気が隠れているかもしれないので、お医者さんに診てもらいましょう。」
と連れ出すことができます

カバさん
カバさん

「子どもに何かが起こっているので親が困っていることでしょう。親を助けに来ました」が受け入れてもらいやすいね!

顔見知りの地域の支援者は、より、親を悪者扱いしないで子どもに何かが起こっている、だからこのように子どもを扱いにくくしているのだというスタンスが重要です

子どもに問題が起きて親が困っているから助けるスタンスが重要

ついつい専門職はそこで判断して起こっていることを見極め指導しようとしますが、これでは、親は指摘されることから逃れようと、本当のことを打ち明けません

親に共感し一緒に考える

日々変わる困りごと

問題ある親子を把握しようと、詳細なアンケートを行ったり、面談からアセスメントの項目を把握しようとしても、その時点での子育ての問題に過ぎません

1日たりとも同じ日がないように、子育てにも同じ日はなく、日々パートナーや自分の親との関係、経済問題、子どもの発達への対応など、誰にでも困ることがあるという視点が重要です

日々の困りごとへの支援は、支援者が問題を把握するより、親が相談してくれる関係性を作る

親子の関係

カバさん
カバさん

虐待では親子の関係が変化することも念頭に置こう!

ネグレクトと思って支援していたが身体的虐待が起こっていたということがあります

ネグレクトで子どもが世話をしてもらえない、親の関心が子どもに向かわないことの結果は、子どもが感情を出さずにこもってしまうか、反対に外に向かっていうことを聞かない等の行動に出るか、です

後者では、親が腹を立てて容易に身体的虐待が起こります

子どもの成長につれ、ネグレクトだけだったのが、身体的虐待も起こることは多いのです

支援では親が子どもに困っている、やりにくさを感じていることに共感し、解決策を一緒に考える

ネグレクトは親子の生活する時間にわたって起こることですが、身体的虐待はその時だけ起こります。
ですので、子どもに起こったこと(傷)を見抜く力も重要です

虐待予防は信頼関係作りから

親のSOSに気づく

カバさん
カバさん

誰でも見つけやすい衣服に覆われていない部分への傷は、親の「気づいて欲しい」というSOSのことがあるよ!

親が意図的にしたのではない、事故だと言っても、その事故は親が予防できないことだったのは確かです

ですから、
「こんな傷ができるような事故は、お母さん大変だね。子どもが言うことを聞かなくてヤンチャしたのかしら」
と、親の育児の大変さを労い、子どもには申し訳ないのですが
「親にとって困ったことをする子」
にして親子に接すると、支援を受け入れてもらいやすいです

指導だけでは×

カバさん
カバさん

問題を指摘されても改善することは困難だからこそ、虐待が起こっているね

問題を探し出しアセスメントを行い、支援計画を立ててから支援することも、親子関係の問題によってはあり得ます

しかし、大多数の親子関係の問題では親の問題を指摘するのではなく、「この大変な子によくやっている親」という視点で関わると、問題を隠すのではなく自ら相談してくれるようになるでしょう

虐待予防は信頼関係作りにかかっている

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