地震や水害の多い我が国では、常に災害への備えが欠かせません
被災すると特に困難な状況に直面すると考えられる妊産婦や乳幼児を支えるために、どのような取り組みが必要なのでしょうか
情報共有の課題
災害時の大きな問題の一つに「情報の途絶」があるよ!
東日本大震災では被災した妊産婦からも発信ができない状況でした
しかし最大の問題は、周産期医療のネットワークと、自治体の母子保健等のネットワークの間で情報共有がなかったことです
避難所や自宅にいる妊婦さんたちの情報、例えば妊娠週数や予定日、合併症の有無などを聞き取り、医療につなげる仕組みがなかったのです
リエゾンの役割
リエゾンは情報の収集や、その情報を必要なところに渡したりするのがメインの役割だよ!
災害時にDMATや避難所などから災害対策本部などに上がってくる母子に関する情報を把握して、学会や支援団体に伝えたり、適切なアドバイスをしたりするのが仕事です
リエゾンの要請については、厚生労働省が主導しているので進んできています
各自治体、都道府県から産婦人科医、小児科医、助産師、保健師等を数名推薦していただき研修後に各自治体からその方へ委嘱されるという形になっています
情報を繋げるために必要なこと
災害時は電源が喪失することも多く、平時では当たり前に使えるSNSやインターネットが使えないことも多々あります
その時にどう情報を得るか、発信するか、どうつなげるかを考えなければいけないよ!
妊婦が取るべき行動
妊婦さん自身については、平時から情報を集めておく=例えばハザードマップや避難所の場所などを確認しておくことも大切ですし、災害時には、自分が妊婦だと勇気を出して発信する、つまり申し出ることが重要です
実は避難所で妊婦さんが災害弱者と認識されず、避難生活が困難になることが往々にしてあります
健康そうに思えても、体の中では色々なことが起きている可能性があるので、妊婦さんは遠慮せず必ず自分から妊娠中であることを申し出て欲しいね!
その情報を、保健師さんが収集してリエゾンに伝え、リエゾンが医療につなげます
妊婦への取るべき支援
災害のタイプにもよりますが、災害後は一時的に妊娠高血圧症候群が増えること、産後の精神疾患の頻度が上がることなどがわかっています
妊婦さんたちは情報がないことで不安を抱きやすくなるので、避難所の支援者は積極的に妊婦へ情報提供したり、話しかけたりしていこう!
妊婦支援の実際
しかし、2016年の熊本地震の時は日中は避難所に妊婦さんがほとんどいないのです
そのため医療機関が持つ個人情報を利用して、出産予定日の近い方から個別に電話連絡を行うことを支援しました
病院から患者さんに連絡ができればいいのですが、診療が不可能、状況の発信すらままならない病院も出てきます
実際、熊本地震では病院の稼働情報をテレビのテロップで流したりすることで、なんとか情報発信することを支援いていました
しかし、今はリエゾンが病院の稼働状況や受け入れ可能かどうかなどの情報収集をします
そして日本産科婦人科学会が運用しているPEACEという災害情報システムに病院の稼働状況を含めて必ず入力し、行政側もその情報を見られるような仕組みになっています
支援の力を伸ばす
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