健診や子育て広場に出かけ、他の子が話しているのを見ると焦りますよね
その言葉の遅れは異常?個人差の範囲内?
発達障害についても心配になりますよね
この記事では、気にすべき状態について解説していきます
2歳のことばの遅れはよくある
自分の子どものことばが遅いと、まわりの子が“みーんな”ペラペラお話してるみたいに思えて、あせったりしてしまいますね
ことばが遅いなんて、相談できる人もいないし、健診で何か言われたらどうしようと心配だし、ほんとに困ってしまいます
心配しすぎる必要はないよ!
たしかに、たいていの子どもは1歳6か月くらいまでに話しはじめますが、それより遅い子もけっこういるものです
たとえば、2歳のお誕生すぎには言えることばがひとつもなく、2歳半ころからポツポツ単語が出てくる、といつたお子さんがよくいます
ところが、そんなお子さんが、ある日突然お話が達者になり、お母さんは「最近はしゃべりすぎてうるさいんです。口にチヤックってできないでしょうか」と、ぜいたくな悩みををかかえて相談にみえたりします
発達にかかわる「問題」の多くは、大きくなるにつれてだんだん消えていくよ!
心配いらないケース
- まわりからの話しかけかよくわかっている(言語理解)
- 「ゴミポイして」と言うと、捨ててくれる
- 「お出かけするよ」と言うと、玄関に行って待っている
- 耳が聞こえている(聴力)
「わかること」は、「言えること」の基礎だよ!
聞こえの確認
玄関でピンポーンと鳴ると「アツ!」とすぐに気づくのは、音がちゃんとその大きさに聞こえているだけでなく、脳のはたらきがしっかりしている証拠です
後ろから名前を呼んでも、振り返るのに夢中になって遊んでいるときや、テレビを見てるときに呼んでも、振り向かないことはよくありますから、別のときにやってみてください
中には、人に興味がなくて、聞こえてはいるけれど振り向かないという子もいます
大人と一緒に楽しく遊べるか
おとなが「ちようだい」と言うと「ハイ」と渡したり「イヤ」と拒んだりするのは、やりとりする力のあらわれです
おとなと一緒に楽しく遊んだり、やりとりしたりできるのは、ことばの基礎になる”人との関係”ができている証拠です
待っていればだんだんに、ことばも増えてくるよ!
これらができているなら、たぶん個人差によってことばが遅いだけです
あまり心配せずに、楽しく遊びながらすごしましょう
全体発達を促すべきケース
ことばの遅れ+落ち着きがない
ことばも遅いし、落ち着きがなくてあちこち走り回る落ち着きなく動き回るのは小さい子の特徴です
脳が次々動き回るよう指令を出しているのですから、しかたありません
大きくなれば落ち着くのがふつうだよ!
落ち着く時期にも個人差があり、1歳6か月でおさまる子もいれば、2歳半、3歳すぎまでかかる子もいます
中には、軽い障害のあらわれとしての”落ち着きのなさ”もありますが、からだを使った乱暴な遊びをいっぱいすることが、落ち着く力を育てます
落ち着きのなさへの対応についてもっと知りたい方は「注意欠如多動性障害(ADHD)の関わり方のコツ8選」の記事を参考にしてください
ことばの遅れ+呼んでも反応しない
呼びかけても、全然振り向きもしないし、反応もしない多くは個性によるもので、幼稚園に入るころには、だんだん外のことに注意を向けられるようになり、お返事したりできるようになります
でも中には、人への関心がもともと弱く、その結果、ことばの発達も遅れるお子さんもいます
よく遊んで、人への興味や関心を育てることが大事です
健診後の「遊びの教室」などが開かれていたら、参加するのがオススメ!
ことばの遅れ+理解できていない
こちらの言ってることがわかっているのかどうか、わからない、話しかけられていることがよく理解できていないとすれば、身ぶりを使ったり、表情豊かに話しかけるなど、その子にとってわかりやすい話しかけ方を工夫する必要があります
ことばの遅れ+ひとり遊びが好き
ひとりで黙々とミニカーを1列に並べてばかりいるそれだけだと遊びのはばがひろがりません
もっと、からだを使った遊びもしましょう
一緒に遊ぶのが嫌いみたいなんだけど..
性格や個人差の場合もありますが、よく遊んであげるに越したことはありません
「おとなと一緒に遊ぶと、ひとりだけで遊ぶときよりずっとおもしろい!」と思えるようになれば、上手に人を頼れるようになり、ことばも覚えてゆきます
もっと知りたい方は「人と関わらず、いつも一人な子への2つの対応のコツ」の記事を参考にしてください
脳の発達の順番
人間の脳は、積み上げられるような構造になっており、下から
①からだの脳
②こころの脳
③ことばの脳・考える
と3つの部分からできています
お正月のお供えのお餅が小さいと大きなミカンが乗せられないように、土台をしっかりつくらないと、一番上に乗る「ことば」も大きく育ちません
土台は「からだづくり」「こころ育て」だね!
「ことばを話す力」は体と心が整ってからです
ビルを建てるときに、1階からじゅんじゅんに建ててゆくように、生活を基礎に、1階ずつていねいに積み上げてゆきましよう
関り方のコツ
たくさん遊ぶ
「遊び」は子どもが伸びてゆくための栄養です
無駄のように見えても、必ずどこかで役にたっているよ!
オモチャを使うよりもからだを使った遊びのほうが効果的です
からだを使って十分に遊ぶには、遊び方を教えてもらう必要があります
近くに「遊びのグループ」があるなら、それを上手に利用しましょう
楽しく自然に話しかける
ことばが遅いと「話しかけてあげましょう」とよく言われますが、「わんわんよ、わんわん!」とせっせと話しかけたり、「これなあに?言ってごらん」と迫ったりしても、まだお話しする時期が来ていない子はいやがるだけです
朝は「おはよう」、食事のときは「おいしいね」お風呂のときは「お風呂はいろうね」、着替えのときは「はい、パンツはきますよ」などと、思わず話しかけてしまいますよね?
そういう自然な話しかけで十分だよ!
なるべく楽しそうに話しかけてあげましょう
「むにゃむにゃ語」も「ことば」
ちゃんとした日本語でないけれど、いっぱい「ことば」を持っている子がいます
「ミ」は「おやすみ」のこと、「ゴ」は「りんご」のこと、「(むにゃむにゃ)マア」は「ごちそうさま」のこと
ことばの一部だけしか言わなかったり、「むにやむにゃ語」でも、いつしょうけんめいお話しているのですから、「ゴじゃなくて、り、ん、ご、でしょ!」とか注意しないで、さりげなく「りんごだね!」とか「ごちそうさまー」と言ってあげましょう
自分の言ったことを認めてもらうと、うれしいな、もっと言おうという気になるよ!
暮らし方の工夫
生活リズムを整える
早寝早起き、食事やお昼寝の時間を一定にするようにします
からだを動かして十分遊ぶ
からだを動かすと、その刺が脳を発達させます
気持ちを安定させる
一緒に楽しく遊んでくれる人がいることが大切です
手を使う
手のはたらきは、ことばのはたらきと深い関係があります
いろいろな経験を積む
なるべくテレビやビデオに頼らずに、ほんものに触れましょう
ものをよく噛んで食べる
よく噛んで口や舌を動かすことが、発音するための動きの準備運動になります
まとめ
今回は言語発達について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります
もっと知りたい方は「言葉がなかなか出ない子への対応のコツ5選」の記事を参考にしてください
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました