子どもの発達支援に関わっていると、言葉の遅れへの対応が多いと思います
さまざまなアドバイスをすると思いますが、それは、構音の仕組みを理解した上でできていますか?
この記事を読んで、発音や発達障害についての理解を深めていきましょう
母音
母音の構音
日本語の母音はアイウエオの5種類あるよ!
声帯で出る音は単なる「ブーン」というような振動音です
これが、のどから口のS中を通って外界に出る間に「ことばの音」(語音)に変化します
声帯で出された振動音が、舌の形の変化によって音声波形を変え、違った音として聞こえるようになるのです
母音の構音の発達
1歳頃には、アイウエオとも同じような発音になっているよ!
舌をあやつる脳の働きが未熟なため、舌の動かし方が不器用で、舌を前の方にずらして構音すべき「イ」「エ」も、舌を後ろにずらして構音すべき「ウ」「オ」を全て舌を真ん中のあたりの位置に置いて構音してしまい、どれも「ア」に近い、あいまい母音になっていますのです
けれども次第に「ア」がはっきりし、次に「イ」「ウ」、最後に「エ」「オ」が区別して言えるようになってきます
舌を細かく上手に動かせるようになるからだね!
3歳ころになると、だいたいアイウエオが区別がつくようになります
もちろん、個人差があるので「3歳ごろ」というのはあくまでも平均です
子音
子音の構音
子音も母音と同じく、舌の形を変えて構音するよ!
舌は左右・上下・前後の3方向に筋肉が走っており、そのおかげで自由自在に形を変えられます
日本語の音は「子音+母音」で1つの音をつくっている
たとえば「サ」はs+aですし、「テ」はt+eです
「メガネ」という文字のことばを発音するには、「m-e-g-a-n-e」と、6回も舌の形を切り替えています
子音の構音の発達の順番
おっぱいを飲む赤ちゃんに話しかけるお母さんの口もとを、赤ちゃんがジーッと見ることがあります
赤ちゃんはこういうふうにして、「口が動く」のと「声が出る」ことを結びつけ、真似て構音するようになります
その点、マ行・パ行・バ行の音は、外から見える上、唇を閉じて離すだけのごく単純な構音運動で、最初に言えるようになります
「マンマ」とか「プープ」が最初に言えることが多いよね!
その後は、舌の先の方を使う「タテト」や「チャチュチョ」、舌の真ん中を使う「ヤユヨ」や「ヒ」、舌の奥を持ち上げる「カ」「ガ」などです
最後になるのが、「サ」「ザ」などの摩擦音、「ラ」行の弾音です
構音と体・脳の発達との関係
全ての発達が影響し合っている
発語に必要な呼吸が安定するためには、体全体の大まかな発達を待つ必要がある
そうしたのち、唇や舌の筋肉の運動を細かく調整して正確な構音ができるようになっていくのです
これら体の動きも呼吸も、構音するための舌や唇の動きもその全てを脳がコントロールしています
脳が構音の指令を出し、すべての構音機関がそれに応えてきちんと動けるようになるまでには生後5~6年はかかります
ということは、2・3歳の時期には構音がまだはっきりしないのは当たり前だね!
個人差が大きい
構音の完成までには非常に個人差が大きいものです
2歳ではっきり話すことができる子どももいれば、5歳になっても発音がはっきりしなかったり、言えない音がある子どもも少なくありません
それでも、たいていの子どもは特別な訓練をしなくてもちゃんと日本語の音を獲得していきます
就学のころまではようすを見よう!
また、ことばが遅いから構音の完成も遅いとはかぎりません
おしゃべりなのに発音がはっきりしない子、逆に、口数は少ないのに発音はきわめてはっきりしている子など、いろいろです
構音障害についてもっと知りたい方は「幼児の構音障害の原因と対応のコツ」の記事を参考にしてください
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