この時期は言葉の伸びが大きい時期です
他の子と比べて気になる..
このように、言葉の発達の遅れがあるという姿に悩んでいませんか?
発達障害も心配になりますよね
この記事では、言語発達を伸ばすためのかかわり方のコツについて解説していきます
ひとり言ばかり言う
言葉の行為の関連がある場合
気になる姿
- 「〇〇しましょうね」「したらダメでしょ」等、母親に言われているように話しながら行う
- 行為の前に「〇〇しょう」と意思を表明する
- 「〇〇なんだよなぁ」等文句や感想等、頭の中の言葉がそのまま出てきたよう
- 歌を歌う等、にぎやかで楽しそう
一人で遊んでいる時や大人がそばにいても集中している時に多くみられます
大人が質問すれば回答できるよ!
対応のポイント
ひとり言は基本的に年齢相応で問題のないことが多いです
相槌を打つ等して相手をしよう!
子どもの言葉に用法の誤りがあれば復唱しながら訂正します
同年齢の集団内でひとり言が相手に同調したり、自分の意見を表明するコミュニケーションに置き換えられていくか確認
どこでも大きな声で歌う、自分の言いたいことだけ言う子どもは、他の子どもとのトラブルが目立つようになるので、気を付けましょう
言葉と行動の関連がない場合
気になる姿
- テレビの宣伝の一部分(とくに明瞭で特徴のある旬)ばかり言う
- 大人が話しかけてもひとり言を繰り返します
言葉と行動の関連はなく、他の言葉はみられず感情の表出を伴いません
ひとり言は名詞に限らず文になっていることがあるよ!
状況には一致していなくても、乱暴な言葉等、内容を聞いた大人が驚かされることがあります
対応のポイント
言語能力全体の発達を評価します
この年齢では文字を読む子ども、形は成していなくても文字を書いて表現する子どももいます
ひとり言の音の長さまでは音として覚えることができると考えて、身近な名前を覚えるところからもう一度関わります
おうむ返しの言葉が多い
意思表示の代わりに復唱する場合
子どもの状態
子どもが要求として「おもちゃ買ってあげるね」と復唱していることが明らかであれば、「ちょうだい。だね」と修正しましょう
この修正ができず復唱で意思を表明する場合は、正しい表現方法を十分に獲得していないと考えられます
対応のポイント
まず二人の大人の間で「ちょうだい」「あげる」と言いながら物のやり取りをして見せます
次に子どもを入れて「〇〇くん(ちゃん)ちょうだい・あげる」と言いながらやり取りします
何を話しかけても復唱する場合
子どもの状態
- 内容の理解を伴わず、単に聞こえた音を再現している
- 他者への興味を示さず、自発的な言葉はみられない
語いの増加、2語文の獲得という定型的な言葉の発達段階を飛び越えて復唱が生じていることがあります
対応のポイント
専門医療機関へ受診しよう!
家庭では、実物を見せながら名前を言うことを繰り返し、物と言葉のつながりを通して言葉を使うことの意味を教えます
物の名前を教える時は、子どもの好きなおもちゃ等から始め、少しずつ広げていきます
何を話しても復唱する子どもの場合、関わることが嫌になるけど、根気良く関わっていこう!
造語を話して喜んでいる
正常な発達
「これは〇〇だよ」等、子どもが考案した呼称を用います(いわゆる造語)
物の特徴や既存のキャラクター等、語源が推測できることがあります
造語を使うこと自体は問題ではないよ!
この時期語いの数は1,000を超え、言葉の意味を知りたがり、一日に新たに数語ずつ覚えます
語いが急速に増える時期のため、言葉の遅れに気付きやすいよ!
特定の音がうまく発音できない子どもがいますが、この時期全ての構音は獲得できていません(サ行等)
発音についてもっと知りたい方は「幼児の構音障害の原因と対応のコツ」の記事を参考にしてください
一部の音の省略(例:アパンマン)や入れ替え(例:トウモコロシ)はよくみられ、造語とは呼びません
気になる姿
- 造語を使い続ける
- 場面や状況に関係なく同じ語を繰り返し言う
- 大人が正しい言葉を教えても訂正できない
- 新しい言葉を覚えない
対応のポイント
実は正しい呼称を知っており、他の場面では会話のやりとりができる、他の新しい言葉を覚え続けていることがあります
その場合は、大人は正しい名称を使い続けよう!
一方で、場面や状況に関わらず同じ造語を繰り返している場合は、言語能力全体の発達を評価し、他の遊びでも喜ぶか確認する必要があります
聞こえの問題が見逃さないように注意
実年齢に相応した本を与ることが多いと思いますが、基準を下げて物の名前を覚えることの楽しみから再度始めます
相談の目安
これまで順調に言語発達を遂げていた子どもが、
- 最近急に言葉の理解が悪くなった
- 造語の他に話す言葉がなくなったり
- 意味を成さない音声を羅列するだけになった
という場合は、発達の退行という状態が疑われるので、至急専門機関を受診ましょう
言葉の発達が遅い
個人差?
言葉の発達には個人差が大きい
3歳0か月の時点で使える2語文が出ていなければ、言葉の遅れがあると判断しますが、4歳までに意味理解、発話ともに伸びることも多いです
この場合は発達のズレであり病的な意義はないです
男児に多いよ!
また、家族性できょうだいともに同じ年頃に同じような言葉の遅れを示し、後の発達には影響しないという場合もあります
環境のせい?
不適切な環境も言葉の発達に大きく影響します
保護者がスマホに夢中で、子どもとのやりとりに無頓着、あるいは子どもがテレビ漬けである等は言葉の発達にとってマイナス要因となる恐れがあります
2,3ヶ月ごとに経過をみて、変化が乏しい場合には、何らかの疾患であることも念頭におきましょう
対応のポイント
皆さんは訓練士ではないため、訓練士的なことはやらなくても良いことを念頭におく
「子育てを楽しむ手段としての言葉遊び」という程度が望ましいです
単語レベルの子には単語で、2語文レベルの子には2語文で話しかけるとよいです
楽しいやり取りの中で言葉は育つよ!
複数の大人が、たくさんの言葉をシャワーのように浴びせることは、かえって言葉の発達を阻害する恐れがあります
その子のレベルに応じた言葉かけや言葉でのやり取りをする
疑われる疾患
言葉の遅れを症状とする疾患と概要は以下を参考に、該当すれば専門機関の受診をしましょう
- 精神遅滞:発達全体が遅れている
- 自閉症:コミュニケーションや社会性等の発達が遅れる
- 聴覚障害:軽度の聴覚障害でも発語は遅れがちである
- 注意久陥多動性障害(ADHD):2~3歳頃は発語の遅れがあり、のちに多弁となることがある
- 学習障害(LD):2~3歳頃に軽い言葉の遅れを示すことがある
受診についてもっと知りたい方は「発達相談の受診時に知っておくべき流れと持ち物」の記事を参考にしてください
まとめ
今回は3~4歳児の言葉の発達について解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の2点があります
また、この時期の発達についてより知りたい方は↓の記事を参考にしてください
・「3歳の正常発達は?うちの子は大丈夫?」
・「3歳頃の発達」
・「3〜5歳児で保健師が「あれ?」と発達が気になる子」
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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