コロナ禍になり、子どもと関わる人たちがマスクで接することが増えました
マスク着用で子どもの発達の成長に影響が出るとも報じられています
実際にマスク着用が乳幼児に与える影響はどのようなものなのでしょうか。
この記事で解説していきます
子どもの笑顔がマスクで減る?
乳幼児は、免疫力が弱く、また、病気にかかった場合に症状が重くなりやすいです
乳幼児期の特性を踏まえた保育所における感染症対策の基本を示した厚生労働省の「保育所における感染症ガイドライン」には、感染症の種類、流行状況により、職員や子どもにはマスク着用を促すことが示されています
新型コロナウイルス感染症流行前においても、感染症の種類・流行状況などに応じ、乳幼児に関わる保育者はマスク着用をして保育してきました
新型コロナウイルスの流行拡大に伴い、国は、「新しい生活様式」を提唱しています
一人一人が身体的距離の確保、マスク着用、手洗いの3つの基本的対策を示したことでマスク着用は日常的なものとなりました
いつからか、テレビや新聞、週刊誌などのマスメディアで「マスクは子どもの社会性を阻害する」、マスクをつけるようになって「子どもの笑顔が減った」「子どもと信頼関係を築きにくい」など、保育者のマスク着用による乳幼児への影響が取り上げられることが多くなりました
これまで保育者のマスクの着用による子どもへの影響は調査されていなかったが、2020年12月にドイツで「子どもたちのマスクの着用生活が始まってからの心身の変化」について、親からの報告による統計を発表しています
0〜18歳25,930人のデータです。
68%の親から報告されたのは、過敏性(60%)、頭痛(53%)、集中力の低下(50%)、幸福感の低下(49%)、学校や幼稚園へ行きたがらない(44%)、倦怠感(42%)、学習障害(38%)眠気または倦怠感(37%)というものでした
さて、マスク着用による障害とされる症状や子どもたちの変化は、本当にマスクだけの影響でしょうか
マスクのせいにして本当の原因が見えていないのかもしれません
決めつけて、他方向から見ようとしないことの方が危ないです
コロナ禍だからこそ柔軟に動く必要があります
新型コロナウイルスとの共存は今後しばらく続きます
先の見えないコロナ禍の社会において、守るべきものは何か?それがきちんと見えていますか
子どもの成長発達を支えること・子どもにきちんと向き合うこと・寄り添うこと・人権を守ること・遊びや生活を保障することができていますか?
根拠のはっきりしない過度な制限をしていないですか?大人の不安を伝えていないですか?
マスクを着用でも伝わるもの
医療従事者は新型コロナウイルス流行以前からマスク着用で患者に接し、また食品加工等の工場でも作業中はマスクを着用していますが、マスクを着用しているからコミュニケーション不足となり業務に支障をきたしたなどの話を聞いたことがありますか?
乳幼児に影響を与えるのであれば、全ての世代にも先例に応じた影響を与えていることになります
医療関係者のマスク着用が患者とのコミュニケーションに及ぼす影響に関する研究の中には、マスクを着用している看護師にも患者は温かく清潔なイメージを抱くという報告もあります
また、マスクをつけていても看護師が心を込めて看護していることが患者に伝わったことを明らかです
人は相手の顔をしっかり捉え表情や雰囲気を読み取ろうとします
抱き受け止める手の大きさ、温かさ、接触する頭や皮膚から、関わる側の気持ちや思いを子どもは感じることができます
声のトーン・スピードを子どもの表情に合わせて真正面から話しかけることで、相手を受け入れようとする雰囲気は必ず伝わります
マスク着用でのコミュニケーション
赤ちゃんが人の表情を見る際の注目部位は生後7か月でも東アジア人は目元、欧米人は口元との研究結果を出しています
赤ちゃんはお母さんの表情の特徴が表れる場所をよく見ています
SNS等で使用する絵文字も日本では目で、欧米では口で、感情を表します
「目は口ほどに物を言う」「目は心の鏡」ということわざもあるように、言語を語らない「目」が真実の心を映し出すと考える日本の文化的な背景と一致します
顔全体が見えないことで失われる情報は確かにありますが、目元の表情、幸せな時・楽しい時に目の周りにできるシワ。
悲しい時の涙、目を細める疑いのサイン、目を大きく見開くときは驚いた時や関心をよせているサインなど、人の気持ちを知るために必要な情報は目元を強調することで伝えることができます
子どもたちは順応力を発揮してコミュニケーションが可能と言われており、一番大切なのは感染の基本は守りつつ、今までと同じていることです
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