2歳ごろの発育や発達などをまとめました
今のお子さんの状況と比べ、正常な発達を遂げているかを確認してみてください
生理的機能
・身長85〜95cm程度、体重12〜14kg前後、脳の重量はおよそ100g程度増加する
・乳歯は20本生えそろう
・心臓、肺、胃、腸などの内臓組織や機能が急速に成熟する
・胃の容量は約500mlを越え、成人の1/3〜1/4となり、食事の際に、舌を回しながら噛んで食べるようになる
・膀胱や肛門の括約筋が大脳皮質によって制御されるようになり、排泄の予告、さらに排泄の自立が進む
・自律神経系の成熟と関わって、ストレスなどによる自律神経失調症が起こりやすくなる
・2歳後半は、吃音の第一始期である
手指の操作
2歳〜2歳6か月
・積み木を高く積んだ後に長く並べるなど、「積む→並べる」「高く→低く(積む)」といった複数の異なる操作を順に展開する
・粘土など変化する素材を、引っ張ったり捻ったり、指先に力を入れて形を変えたりし始める
・モデルを真似て縦線や横線を描くといった手の制御ができ、十字にも挑戦し始める
・Vサインをする
・シールを剥がす、紙を折って折り目をつけることをし始める
2歳6か月〜3歳
・「並べる」+「積む」という異なる操作を組み合わせて1つのもの(トラックや家など)を構成する
・縦線と横線を組み合わせた「十字」や始点と終点を組み合わせた「丸」を描くようになる
・折り紙を表に返し、指先に力を込めて、二つ折りや四つ折りをする
全身運動
2歳〜2歳6か月
・立位から斜めの姿勢を獲得する
・大風に向かって歩いたり、水の中を渡ったり、小さな溝を跨いだり、段差から飛び降りたりなど全身でさまざまな抵抗に立ち向かう
・「速いー遅い」「強いー弱い」「高いー低い」などの動きを自己調整し始め、言葉に合わせて動作を開始・静止することに挑戦する
2歳6か月〜3歳
・静止姿勢では直立ができ、モデルがあれば開脚、背伸び、股覗き、あるいは両手を前に伸ばしたり、上にあげたり、片足をあげたりなど上肢、下肢にもう一つの制御を加えるという姿勢がさまざまでき始める
・左右交互に足を出して階段を登る
・三輪車に跨り、足で蹴って前に進む
言語・認識
2歳〜2歳6か月
・語彙数は2歳ごろで300前後、2歳6ヶ月には500語
・語彙の増加に加えて、「わんわん、いた」「ブーブー、きた」「おもちゃ、ちょうだい」など軸になる語(わんわんやブーブー)に動詞を組み合わせて、多様な2語文を話すようになる
・積み木の構成や粘土など自分で作ったものを、食べ物や乗り物など何かに見立てるようになる
・「大きいと小さい」「たくさんと少し」「長いと短い」「熱いと冷たい」などのさまざまな二次元的認識を獲得し、表現し始める
2歳6か月〜3歳
・語彙数は3歳でおよそ1000語
・「なんで?」を含む問いが、対比的な二次元の一方を知りたいときに多く見られる
・発展的な二次元の概念として、性別(男女)、姓名(苗字と名前)、年齢(2歳の次は3歳など)を獲得する
・見立てから簡単なごっこ遊びへ展開し始める
自我・社会性
2歳〜2歳6か月
・二次元的な認識は、自分の領域と他者の領域を捉え、「他者の」ではない「自分の」領域を「もっと、もっと」と大きくしていく
・自分の領域を守ろうとして、食べ物やおもちゃ、気に入ったものなどなんでも独り占めする
・お菓子などを配るように頼むと、全て自分のものにする(「自我の拡大」の特徴)ことから、次第に自分の分を最大にしつつも他者にも最小限は配るといった他者とのつながりを持とうとするようになる
・自分の椅子や午睡の布団などは、自分の大切な「場所」であり、そこへ他児や他者が座ったり入ったりすると、怒ったり、泣いて追い出したりする
・衣服の着脱や階段登りといった日常の行動を、初めから最後まで手伝われずに「自分でしたい」という気持ちや、自分でできないところは「手伝って」と助けを求める気持ち、またできる姿勢を「見てて」と要求する気持ちなど、自分の思いを認めて欲しい気持ちが強まる
2歳6か月〜3歳
・信頼できる人間関係の中で、自分の意図や要求を主張し、受け止められる経験を通して他者を受け入れること(=「自我の充実」)ができ始める
・お菓子の配分などでは、自分と他者とは同等にし、余りがある場合はそれを自分に配るといった特徴が見られる
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