昨今、性の多様性がよく叫ばれています
ワードとして聞いたことがあっても、その性の構成要素を理解している人は少なく、誤解している人も多いです
この記事では、性の構成要素から正しい性についての知識について解説していきます
性の要素とは
様々な要素の濃淡が一人一人異なるということが「性は多様」という意味だね!
身体的性別
身体的性別は、内外性器や性染色体などによる性的特徴のこと
2つだけには分けられず、ホルモンの量や性器の特徴、性染色体などまで、実は様々なパターンがあります
出産時に法律上の性を決めるために、主に外性器の形で赤ちゃんの性別を決めますが、大きさによっては、判断が保留になることもあります
法律上の性は多様性を認めていません
身体的には性は多様なのに、医療者や親をはじめとする社会が赤ちゃんにどちらかを割り当ててるんだね!
性同一性
性同一性とは、ある性別に対する「アイデンティティ」のこと
自認する性別(性自認)が、人から見られている性や、自分のありたい性と同じだと感じられていれば、性同一性が安定していると言えます
性役割
性役割は、社会や文化、事態によって与えられる、性別で異なる役割のこと
服装や髪型、仕草、趣味思考など多岐にわたるよ!
スカートを履くことが女だとみなす文化もあれば、そうとはみなさない文化もありますし、昨今ではメンズ・スカートといって男性がファッショナブルにスカートを履きこなすこともあります
性的嗜好
性的嗜好は、恋愛や性愛の対象となる性別のこと
性の要素の独立
性は要素一つ一つが「独立していて」グラデーション
これらの要素一つ一つが、より男性的な方向に強いのか女性的な方向に強いのかは人によって異なります
そして上記の要素それぞれが「独立している」というのが大事なポイントです
身体的に女性の特徴が強いとしても、スカートを好まない人もいます。
男性アイデンティティを安定して持つ人が、男性に対し、憧れやときめきを感じることもありますし、そしてその人の性役割志向が、強く男性的であることもあります
すべての人に、様々な性の要素がグラデーションで存在していて、それぞれをどのくらいの濃淡で持っているかが、その人のセクシュアリティの個性だと言えるね!
自分も多様な性を持つ
性を「男・女」と便宜上2つに分けていますが、実際は一人一人が異なる性の個性を持っているのです
決して、性的マイノリティの人たちがいるから性が多様なのではありません
どんな服、髪型、仕草、行動を好むか、どんな人を好きになるのか、どんな体の特徴があるかなど、人によって性の個性は異なります
「多様な性」といった時、「マイノリティを認めましょう」という理解の仕方ではなく、自分自身もその多様な性を持つ一人であることを理解することが大事だね!
決めつけず自由な選択を支持する
大人の誤った推論
ピンクとスカートが大好きな男の子が「おちんちんを取れば女の子になれるよ」と大人たちに言われ、身体を嫌悪し、「自由な」選択ではなく、身体改造まっしぐらに突き進む様を見ることがあります
多様でグラデーションなあり方を想定しない環境の中、「おちんちんいらない」と訴える小さな男の子の姿は、男女二分法の被害者のようにも映ります
ピンクのスカートが大好きなのは、性役割です。
それを大人たちが勝手に紐付けて、性同一性の話だと意味付けてしまうことが時に起こります。
ピンクとスカートが大好きならば、大好きな格好を自由に選択させれば良いだけのことです。
「ピンクとスカートが好きならば、女の子に違いない、おちんちんは取るものだ」と大人が推論付けをしていく必要はありません
色々試せる環境の用意
重要なのは、「決めつけず」、色々と試せる環境を用意することだね!
遊びやお友達、習い事など、子どもがやりたいなら、男女のイメージに囚われずにいろんなことを試させてあげたいです
洋服もいろんな売り場から、本人の好きな洋服を試させてあげたいですね。
自分の好みは、色々試してみないとわからないものです
子どもの性の流動性を理解する
欧米のデータにおいても、小児期に異性になりたいと訴える子どものうち、青年期・成人期以降になってもその訴えが持続していたのは2、3割程度だと言われています
また、思春期に入ると、そのような訴えを示していなかった子どもが自分の性別を受容しにくくなることもよくみられます
セクシュアリティはグラデーションであり、流動性があり、アイデンティティ
アイデンティティであるからこそ、思春期以降のモラトリアム期に探求するようになることを本人、保護者、園や学校の先生、そして母子保健の専門家の方たちに共有されていくことを願っています
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