うちの子の成長は普通なの?
友達の子と比べるとこの子の成長はゆっくり?
この育児方法はあってるの?
0〜3か月児を育てている方であればこういった疑問には日々悩まされているではないでしょうか
初めての育児の方はもちろん上のお子さんがいる方でも兄弟で全く違う成長を遂げていくこともあります
育児は分からないことだらけで当然なのです。
なぜなら普通に生活してきたら赤ちゃんの発達や成長について教えてもらう機会がないからです!
今回は保健師から見た0〜3か月児の発達について説明していきたいと思います
0〜3か月児の発達の特徴
睡眠
12〜20時間と個人差が大きい
平均は16時間ほどです
動き
生後間もない時期の体の動きは原始反射によるものです
2〜3か月になると少しずつ 自分の意思で動かせるようになります
原始反射とは?
赤ちゃんの原始反射は、生命維持の目的もありますが、反射を繰り返すことによって中枢神経系が発達するという作用が起こります
原始反射の結果筋力や知的能力も発達する
3〜4か月になるとほとんど原始反射が消え、無意識な運動から意識した運動ができるようになります
1年くらい残る反射もあるけど、いつまでも原始反射が消えない場合は発達上注意が必要だよ!
原始反射にはいくつか種類がありますがここでは有名な3つを紹介します
吸啜反射
唇に乳首などが触れると強く吸い付き、母乳やミルクを飲もうとするものです
把握反射
赤ちゃんはいつも手を握りしめた状態でいますが、手のひらに軽く触れるとさらに強く握ってくれるものです
あれ、幸せですよね!
小さい手で握られて、なんとも言えない幸福感を味わった方は多いと思いますが、あれは赤ちゃん側からしたら特別な感情はなくただ反射の一つとして握っていただけなんだね!
モロー反射
これは大きな音がすると赤ちゃんが驚いたように手を広げる反射です
筋力
2〜3か月頃にはうつ伏せにすると少し頭を持ち上げます
また手を口に運んで舐めて確認し始めます
感情表現
0〜3か月の、時期では保護者の方への気持ちの伝え方が泣くことでの表現となります
泣くことで不快感や不安感を教えてくれるよ!
また大人の口の動きの真似のようなこともします
笑い
0〜1か月の頃は生理的微笑、2〜3か月頃の笑いは社会的微笑といいます
首がグラグラ
赤ちゃんの体の中で1番重いのは頭です
1か月頃までは頭を支える筋肉や骨の発達がまだ十分ではないため仰向けで正面も向くことができません
体の発達は頭に近い体の上部から首、肩、腕、手、腰、ひざ、足というように上部から下部へ、そして体の中心から末梢へと段階的に発達する
赤ちゃんの運動機能の発達をみるうえで首の座りは重要なポイントです
およそ4か月頃に首のすわりが完成されます
寝かせっぱなしで赤ちゃんへの働きかけが少ないと、首のすわりの完成が遅れます
機嫌のいい時には遊びを通して発達を促していこう!
赤ちゃんの体はどうなってる?
耳
皆さん、赤ちゃんはどれくらい音が聞こえていると思いますか?
話しても反応がないことから耳もまだあまり聞こえてないと思うかもしれません
赤ちゃんでも耳はよく聞こえており、音がする方向もわかっているよ!
首がしっかりしてくると音や話し声がする方に顔を向けるようになります
音の高い低いに関係なく聞き取れますが、低い声より高い声の方が反応しやすいと言われています
視力
20〜30cmに焦点が合います
ちょうどお子さんを横抱きしてる時の距離くらいだよ!
だいたい視力は0.02程度ですね
保護者の方に見つめられると見つめ返すこともあるでしょう
その見方は1ヶ所をじっと見る「固視」というもので、動く物を追う「追視」が始まるのは1〜2か月頃
胴体
仰向けの姿勢では2〜3か月頃までは正面を向くことができず、左右どちらかを見ていることが多いでしょう
この時期は向いている方の手足が伸びて反対側の手足が曲がっているまるでフェンシングのような姿勢が見られるよ!
2〜3か月頃になれば正面を向くことができたり手足が左右対称の動きをしたりします
赤ちゃんのどうして
なんで泣くの?
赤ちゃんには、生理的な快、不快の感覚が備わっており、空腹になったりオムツが濡れたりすると泣くことでその不快感を周囲に知らせます
どんな理由であっても赤ちゃんが泣いている時は、何を訴えているのかを読み取り、速やかに要求を叶えることが必要です
その繰り返しが愛着形成につながっていくよ!
構っていられないとばかりに投げ出してしまうと赤ちゃんは一層激しく泣くようになります
大切なのは自分の思いを伝えようとしている赤ちゃんを体ごとしっかり受け止めて抱きしめ、赤ちゃんの身になって泣く理由を知るよう努めること
理想通りにはやってられない
上記は理想像ではありますが、実際には泣きに毎回付き合っていたらこちらが泣けてきてしまいます
いくら世話をしてもなかなか泣き止まない時は抱っこしたまま外に出てみたり、オルゴールメリーを回してきれいな音色を聴かせたりして落ち着かせましょう
安全を確保した上で一旦赤ちゃんとは別部屋に行き自分の気持ちを落ち着かせるのもいいね!
実際に支援した方でも安全を確保した上で別部屋で音楽をガンガンに流し一歌いして気持ちをリフレッシュしてたって方もいました!
とても上手に泣きと付き合ってますよね!
笑ってくれるのはなぜ?
赤ちゃんには早い時期から人に対して反応し、関わろうとする力があります
その一つが原始反射の生理的微笑です
1か月頃まで見られ、あやさなくても寝る時などに微笑みのような表情を浮かべることがあります
これはあやされて笑う社会的微笑とは異なり、嬉しいなどの感情とは無関係です
不快な時に微笑むことはないので幸せなことは間違いなさそう!
この生理的微笑は自分を守るための笑いだとの一説もあります
笑ってる顔を見ると育児者としてはどこか癒されたり嬉しくなり、「育児がんばろ」って思えるよね!
大変な育児ですが、保護者に可愛がって育児をしてもらえるように防衛的に笑ってるのではないかとも言われています。
おもしろいですよね
社会的微笑は人に対する信頼感を獲得し、コミュニケーションがとれるようになった証拠です
授乳がうまくいかない…
赤ちゃんにとって授乳は栄養摂取のためだけでなく、保護者の愛情を感じ、信頼関係を築くためにも大切です
一人で哺乳瓶を持って飲めるようになるまでは赤ちゃんをしっかり抱いて、ゆったりした気持ちで授乳しよう!
目と目を合わせ、微笑みかけたり、語りかけたりしながら行う
飲み方も一気に力強く飲む子もいれば何度も休みながら少しずつ飲む子もいます
上の子と飲み方が違うと思っても、この子の飲み方なんだなと思えば良いです
その子にあった哺乳瓶を使う
哺乳瓶での授乳の時は空気を飲み込まないように常に哺乳びんの乳首部分にミルクが満たされている状態にしましょう
乳首の穴の大きさは出が良すぎたり悪すぎだりしないよう、吸う力に合わせて選びます
乳首を舌で押してくるのはもういらないのサインなので無理に飲ませないようにしよう!
排気(ゲップ)
そして飲んだ後は必ず排気をさせます
背中を下から上にさすったり、軽く叩いたりします
排気をさせようとしても出ないこともあると思います
その際は寝かせた後の吐乳に注意!
授乳の大切な役割
赤ちゃんは授乳によって抱かれていることの安心感と食欲が満たされるという生理的満足感から授乳に喜びを覚えます
これは食事の基本である食べる楽しさに通じ、授乳は食生活の土台になるともいえます
また、授乳時の口の動きは舌や口の筋肉を発達させます
舌や唇の動きは発語に重要な役割を果たすため、吸う行為は言葉の発達に直接的に結びつく
オムツ交換
オムツを交換する時は、新しいオムツや蒸しタオルなどの必要なものを全部揃えてから、赤ちゃんの目を見て「オムツ変えようね」などと言葉をかけます
赤ちゃんに意味がわからなくても、これからすることを常に言葉で伝えることが大切
やがて赤ちゃんは言葉を聞いただけでその行為を予測できるようになります
交換時は赤ちゃんの腰の下に手を入れてお尻を持ち上げるようにし、足首を引っ張り上げないように注意します
この時期は関節が外れやすいので無理に足首を持ち上げると外れてしまう可能性があるよ!
言葉の発達
機嫌の良い時や人からあやされた時に、赤ちゃんは「あーうー」などの音声を発するようになります
これはやがて言葉の前段階である喃語へと繋がっていきます
言葉は真似して覚える
言葉の発達は耳に入ってきた言葉を真似することから始まります
日頃から保護者の方の感情でいいので言葉にすることは大切だね!
「あー、晴れて気持ちいい」など保護者の言葉を耳にすることで言葉への関心が広がっていきます
また、赤ちゃんが見ているものを言葉にしていくことも大切です
「ワンワンだね、大きいね」
など、言語化することによって、今はわかってなくても物と音声が徐々に結びついていきます
赤ちゃんの気持ちを代弁
赤ちゃんの気持ちを言葉にしていくことも大切です
授乳中に「おいしいねー」などと気持ちを代弁することで、気持ちをわかってもらえ安心感を覚え、伝えたいと言う気持ちが育っていきます
遊びと運動
1〜2か月の赤ちゃんは、十分に眠り、お腹も満たされて機嫌が良いときは、周囲の動くものや音のするものに興味を抱いてじっと見つめたり、聞いたりしています
それがこの時期のふさわしい遊び方で、脳に良い刺激となります
おもちゃは、赤ちゃんが認識しやすいようにカラフルや原色の音の出るものが向いてるよ!
そして、赤ちゃんから離れた所でそのおもちゃを使っても意味がないので、先ほども説明した赤ちゃんの見える20〜30cmの距離でゆっくり振ってあげましょう
ハンドリガード
そして2〜3か月頃になると、たまたま自分の手が視野に入ってきた時、赤ちゃんはそれをじっと見つめるようになります
これをハンドリガードといい、その手を口に持っていって舐めて確認する行動も見られます
まだ手が自分の体の一部だという認識はないよ!
じっと見つめたり舐めたりする行為を繰り返すことでだんだんそれがわかってきます
ガラガラ
この時期は優しい音色のガラガラなどを持たせてあげると良いです
持ち手が細いものであればしばらく握っていることができます
上手に握って音が出せた時は笑顔で褒めよう!
腹バイ
2か月頃から少しずつ遊びの中に腹バイの姿勢を取り入れていきます
腹ばいは生理的には苦しい姿勢ですが、いつもと違う角度から周囲を見ることで視界の変化を楽しめます
最初から長い時間は無理なので5分前後からはじめよう!
上半身を支えやすくするためにバスタオルなどを丸めたものを胸の下に入れてあげると腹這いの姿勢が楽になります
腹バイは移動行動開始に備えた動きとして、寝返りとともに重要ですが、赤ちゃんの機嫌や体調の良し悪しを考えずに無理やり腹ばいにするようなことはしてはいけません
赤ちゃん自身が興味を示し、自分の意思で動こうとしなければ発達を促す遊びにはならない
まとめ
・生後間もない時期の体の動きは原始反射によるものですが、2〜3か月になると、少しずつ自分の意思で動かせるようになる
・運動機能の発達は頭に近い体の上部から下部へと進む
・赤ちゃんは1日のほぼ半分以上は眠りの時間ですが、授乳中やオムツ交換の時にはスキンシップや語り掛けを行うようにしましょう
・赤ちゃんが発する音声を喃語といい、2〜3か月頃から機嫌の良い時に声を出すようになります。真似をしたり気持ちを代弁し言葉を育んでいきましょう
・自分の意思で自由に移動できない赤ちゃんは、おもちゃを見たり、音を聞いたりして遊びます。中でも見る遊びは大切です。上手に働きかけて、見ようとする力や追視する力を育てましょう
いかがでしたか?
今回は0〜3か月児の発達について大まかに説明していったため、また何か気になる点があれば個別で質問いただければと思います
最後までご覧いただきありがとうございました。
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