言語発達が遅れていると、発達障害も心配ですよね
言葉の発達が遅れている子には似たような特徴があります
特徴から原因がわかると、その子に合った対応ができるようになります
この記事では、その特性を解説していきます
マネが出来ない
言葉のマネ
人間はことばを「まね」すなわち「模倣」によって覚えます
フランスに生まれるとフランス語を、日本に生まれると日本語を話すようになるのは、そのためです
そばにいる人に注目し、まねようとすることが、ことばの獲得にとって、きわめて大切
動作のマネ
ことばの模倣の前に動作の模倣が出てくるよ!
大人がボールをカゴに投げ入れるのを見て、自分も投げる、などです
「オムツてんてん」「チョチチョチ アワワ カイグリカイグリ トットの目」のような「芸当」は、繰り返しによって出来るようになります
ゴルフクラブの柄を持って畳の上を押して歩いているのが、実は、掃除機をかけているお母さんの姿のまねだったり、いろいろ可愛らしい場面が見られると思います
それパターン化した行動じゃない?
特徴的な行動や遊び方をする子どもたちの場合、「まね」というよりもパターン化した行動としてインプットしてしまうことがあります
「まね」と「パターン化した行動」の違いは、そこに感情や視線の交流があるかどうかという点です
一見「まね」のように見えても、自分の世界の中だけで「決まりきった行動をする」ことは「場面を理解し、その人のすることに注目し、それを再現する」(まねる)こととは似て非なるものです
音や話しかけへの反応
反応がない要因
振り向きに時間がかかったり、反応がはっきりしない場合は、次のような要因が考えられます
- 聴力障害がある
- 知的な遅れがある
- 外界への興味が薄い
- 遊びに夢中になっていた
1度で決めないで、再度試してみよう!
聴力に問題ないか
耳が聞こえていることが、ことば獲得の重要な条件です
しかし、耳が聞こえていても外界への興味の持ち方が偏っていると、反応してくれません
見きわめがむずかしいね!
反応の内容としては、顔を見たり、返事をしたり、というわかりやすいものもあれば、顔をそむけるとか、からだを固くするとか、持っているオモチャを投げつけるといった、わかりにくいものもあります
呼ばれる前と後とで明らかに行動上の変化があれば、聞こえていると考えていいでしょう
全く聞こえない場合は、大声で呼びかけても、知らん顔で遊び続けるものです
外界への興味が薄い
外界への興味の薄さから音への反応が鈍いと考えられる場合は、以下の状況を振り返ってみましょう
- お気に入りのコマーシャルが始まると、後ろを向いていても、隣の部屋で遊んでても、飛んできますか?
- えびせんやポテトチップの袋を開ける音かすると、耳ざとく聞きつけて、やってきますか?
意味のある音に対しては、小さい音であっても敏感に反応するのであれば、耳は聞こえているよ!
ことばの理解・表現
本当に理解できてる?
おとなは、小さい子に話しかけるとき、ついつい身振りをつけたり、オーバーな表情による手がかりを与えることが多いので、「ことばだけ」を意識してはたらきかけをしてみます
その上で、答えてくれるかどうか確認しよう!
自閉的傾向がある子の特徴
以下は、いずれも自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに見られがちな状態像です
- 機械的にまねている感じがする
- イントネーションが平板で、語尾が上がる話し方をする
- コマーシャルなど決まりきったことしか言わない
また、「取って」を「トル」と言うのは「自分」と「相手」の関係の理解ができにくいために起こる混乱と考えられ、これも自閉的傾向の子どもに多く見られます
発声
言葉の出る一歩手前!
声がたくさん出ている子は「ことば」につながりやすいよ!
特に、さも何か言っているような調子の声を出す子は、意味のあることばにつながる可能性大です
有意味語につながる発声は余分な力の入らないリラックスした声であり、聞いていても、いかにも何か伝えようとしている、という印象があります
また、音の種類も、平仮名で書き表わせるほど整ってはいないものの、いろいろな音の要素を含んだあいまいな音であることが多いものです
自閉的傾向がある子の特徴
- レロレロとかギガギガなど決まりきった意味のない音を出している
- 甲高い声、おしつぶしたような声、うなり声
発声発語器官の緊張を思わせるような声の出し方、決まりきった音の種類しか出さないのは自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに多く見られます
一般の子の発声がレロレロとかギガギガのような音だけに限られることは非常にまれだよ
親の様子と子どもとのかかわり
ことばの成立には「好きな人の存在」「その人のすることをまねしたい気持ち」が必要です
つまり、一番多くの時間かかわっている、親と子どもが良い関係を保つことは大切だね!
子どもとのかかわり方が上手なお母さんもいれば、あまり上手でないお母さんもいます
お母さんのかかわり方は、子どもの行動特徴との組み合わせに関係し、どの程度の援助が必要かはケースバイケースです
相互の関係がうまくいってないように思われるときには、遊びのグループなど、第三者の目と手を借りられる場所に、親子を連れ出す方策が必要に
まとめ
今回は言葉が遅い子の特徴と対応のコツについて解説してきました
今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります
言葉の遅れについてもっと知りたい方は「言葉がなかなか出ない子への対応のコツ5選」の記事を参考にしてください
ここで上げた特徴がみられる方は、発達障害の可能性がありますので「自閉症と関わり方のポイント6選」の記事を参考にしてください
この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです
最後までご覧いただきありがとうございました
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