口腔機能発達不全症を治す方法3選

口には想像以上に多くの役割があります

最近は、お口ポカンの状態になっている子は多いです

このような口の動き方にはあの問題が隠れているかもしれません

口腔機能発達不全症の原因や口腔機能の育み方について解説していきます

この記事がおすすめな人

・お子さんの口腔機能に心配がある人
・お子さんの口呼吸が気になる人

口腔機能の役割

口腔機能は、「食べる機能」「呼吸機能」のように生命に直接関与するだけでなく、「話す機能」「表情を作る機能」といったコミュニケーションにも関係し、人間形成においても重要な役割があります

さらに口腔機能は、生涯に渡り、おしゃべりや食を楽しみ、QOLを維持するためには、小児期に一定のレベルにまで機能発達させる必要があります

口呼吸では、口から息をするために舌を下げている「低位舌」が常態化し、そのため舌筋の筋力は低下するという研究報告もあります

また、口腔機能は、全身の運動機能との関連性があり、外遊びなどの運動が減ることの影響も危惧されます

口腔機能発達不全症

口腔機能発達不全症とは

口腔機能発達不全症とは、「食べる機能」「話す機能」その他の機能が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができていない状態で、明らかな摂食機能障害の原因疾患を有さず、口腔機能の定型発達において、個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態

近年、子どもの虫歯は減少傾向ですが、一方で、歯列不正や口腔機能の問題を抱える子どもの増加が見られることを受けて、2018年に新病名ができ、保険収載されました

症状

以下の3項目があげられますが、中でも食事や発音の問題は、日々のことですので育児の悩みになることも少なくありません

食べる機能の問題

・噛まないで丸呑みをする
・食べるのに時間がかかる
・口を開けたままくちゃくちゃ音を立てて食べる
・固いものを嫌がる

話す機能の問題

・言葉がはっきりしない
・舌足らずの発音をする

その他の機能の問題

・口唇閉鎖不全(お口ポカン)で口呼吸をする

お口ポカン

口腔閉鎖不全「お口ポカン」は、最近は認知度も上がってきましたが、言葉から連想されるように口をぽかんと大きく開けている状態と思われていることが多いようです

口腔閉鎖不全とは

日常的に口唇が閉じられていない状態を指し、上下の口唇が接触していないうっすら唇が開いている状態も該当する

全国の小児の30.7%に認められます

カバさん
カバさん

安静時の口唇は、一般的には1歳3か月頃には閉鎖しますが、子どもの口が空いていても気づかないことも少なくないよ!

口唇閉鎖力は、6歳までは増加傾向にありますが、学童期はあまり筋力の変化が見られないことから、就学前に「お口ポカン」に気づいて対応することが望まれます

原因

口を閉じられないのは、鼻閉や咽頭・口蓋扁桃肥大など、鼻咽頭疾患があることも考えられます

その場合は、小児科や耳鼻咽喉科の受診が必要になります

デメリット

口唇閉鎖不全で口呼吸である場合の身体的健康のデメリットをしっかり留意する必要があります

医学的デメリット

・感染症にかかりやすい
・換気効率が悪い

歯科的デメリット

口腔機能が低下する多くのデメリットがあることから、早期に気づき早期に対応することが重要です

・咀嚼/嚥下機能低下
・発音機能低下
・口呼吸/口腔乾燥/う蝕/歯周病になりやすい

咀嚼が十分にできない

普段から「お口ポカン」で口を閉じていないと、食事の時も口を空いたまま咀嚼することになり、くちゃくちゃ音を立てるだけでなく、十分に咀嚼できません

よく咀嚼することは、食べ物を噛み潰し、飲み込みやすい食塊を形成するだけでなく、安全に食べることや食事を味わうことにも繋がります


口腔機能不全症を治す方法

歯医者での治療

歯科医療機関では、「口腔機能発達不全症」への対応として
・虫歯/歯列/咬合の治療や舌小帯の処置
・機能への対応として口腔周囲筋の筋力強化のためにトレーニング
などを行います

しかし、基本は、食生活をはじめとする生活指導になります

日常生活での工夫

日常の動作を少し工夫することでも口腔機能の育成は可能です

うがい

「ぶくぶくうがい」では、しっかりと口唇を閉じ、頬に圧力をかけることで、口唇閉鎖の口輪筋と頬筋を強化できます

さらにうがい中は鼻呼吸するので、鼻呼吸を促進します

低年齢幼児では、水を含まず空気による「エアーうがい」から取り組むことをお勧めします

遊び

カバさん
カバさん

遊びの中で楽しみながら口腔機能発達を促そう!

大きな声で歌うこと、早口言葉、睨めっこは、口周りの筋肉、舌筋、表情筋の運動には効果的です

口を閉じる

また日常的に「お口ポカン」では、口周りの筋肉の筋力や筋圧のバランスが悪くなり、それが歯列に環境要因として働くため、歯並びや噛み合わせが悪くなります

小児期は顎顔面の骨格系及び筋系の成長発達期ですので、口腔周囲の筋肉のバランスを保つことが特に大事なのです

姿勢

咀嚼のためにはより姿勢が大切

しかし、子どもたちの姿勢を見ると、猫背で、首は前傾し、少し顎が上がって口は開き、低位舌になっている「悪い姿勢」が散見されます

近年では「こどもロコモ」も問題視されていますが、姿勢についても多角的なアプローチが望まれます

まとめ

今回は口腔機能発達不全症について解説してきました

今回の記事の要点をまとめると、以下の3点があります

まとめ

①口腔機能は生涯のQOLに大きく影響する
②口腔機能発達不全症は成長発達の様々なことに影響し、育児の悩みの原因になりやすい
③口腔機能発達不全症は食生活をはじめとする生活習慣の改善が大切

子どもの歯の健康のために、もっと知りたい方はこちらを参考にしてください↓

「子どもの月齢ごとの歯磨きの仕方」
「子どもの歯の健康のためにすべきこと」
「奥歯を使って食事ができない乳幼児」
「歯磨きや爪切り、耳掃除を嫌がる子への2つの対応のコツ」

この記事が、少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです

最後までご覧いただきありがとうございました

コメント