3歳ごろの発育や発達などをまとめました
今のお子さんの状況と比べ、正常な発達を遂げているかを確認してみてください
生理的機能
・身長93〜100cm程度、体重13.5〜16kg前後となる
・脳の重量はおよそ1100〜1200gに増加し、成人の脳重量の約80%に達する
・中枢神経系に新たな成熟段階に入り、姿勢制御に大脳皮質がより深く関与することによって、走る、跳ぶ、よじ登る、投げるといった制御の巧ち性が増大する
・心臓などの臓器の中心器官が強くなるとともに、機能も増大する
・脳下垂体から分泌される成長ホルモンの働きが強まり、骨の成長の促進や筋肉組織の強化につながる
手指の操作
3歳〜3歳6か月
・手を左右同時に開閉するなどの制御から、左右別々の制御を1つにまとめる「〜しながら・・・する活動」への挑戦が始まる。例えば、右手を開きながら左手を閉じ、次に右手を閉じて左手を開くといった左右交互開閉は、モデルがあれば遅れながら数回交互に開閉できるが、モデルがないと手が閉じ気味になったり、左右の腕を上下させたり、左右同時開閉になったりしてしまう
・描画では、紙いっぱいに丸をたくさん書く「丸のファンファーレ」と呼ばれる現像が見られたり、丸の中に複数の円や点、線などを描き、顔らしきものを表現する
3歳6か月〜4歳
・モデルがなくても、もつれながらも左右の交互開閉が数回でき始める
・顔の表現(耳・目・鼻・口・ほお・髪の毛)などが豊かになり、顔から手足が出る「頭足人」を書くようになる
・ハサミで形を切り抜くことに挑戦し始め、左手で髪を動かしながら右手でハサミを操作するという「〜しながら・・・する」ことができ始める
全身運動
3歳〜3歳6か月
・自分の足は左右同時に制御することから、左右別々の制御を1つにまとめる「〜しながら・・・する活動」への挑戦が始まる。例えば、片足を上げることとおろすこと、前に進むことと止まることそれぞれはできるが、片足をあげながら前に進むけんけんでは、その場で連続して跳んだりつま先立ちになったりする
・三輪車では、ハンドル操作で方向を調節することとペダルを踏んで前に進むことは難しく、どちらか一方へ注意がいくと他方が疎かになる
3歳6か月〜4歳
・けんけん、三輪車や自転車を漕ぐ、さらにうさぎ跳びなどといった「〜しながら・・・する活動」が、もつれたりつまずいたりしながらもでき始める
言語・認識
3歳〜3歳6か月
・語彙数は1000語〜1500語となる。
・数についての多面的理解がはじまる。例えば、1つのものに1つの数字を「対応」させて数えること(3個のものに、それぞれ1つずつ「1、2、3」と対応させる)や、「1、2、3」と数を順に「呼称」すること、さらに複数の数を記憶して再生すること(数の復唱)は「2」まではでき、「3」に挑戦し始める
・「お腹が空いたときどうする?」「寒いときどうする?」といった質問に対して、「お腹空いてない」「寒くない」などと否定したり、現時点での自分の状態に基づいて答えたりする
・自分の経験を言葉で伝えることができるようになる
3歳6か月〜4歳
・数の理解では、対応・呼称だけではなく、概括(「1、2、3、4」と呼称した結果、全部で「4」あることがわかる)が「10」くらいまでできるようになる
・数の選択(「3個ください」と言われて、たくさんの中から3個選ぶなど)や数の復唱では、3まで可能になり、「4」に挑戦し始める
・「お腹がすいたときどうする?」「寒いときどうする?」といった質問を一般化して捉え、それに応えることができ始める
・「運転手はこういうもの」「狼はこういうもの」といった認識をもとに、そのイメージを行動で表現できるようになり、よく知った物語のストーリーに沿ったごっこ遊びが展開される
自我・社会性
3歳〜3歳6か月
・家族、兄弟、保育所・幼稚園のそれぞれに属している自分を、「僕」「私」と認識し、表現するようになる
・一方的な自己主張が見られることに対し「反抗期」と呼ばれるが、同時に他者を受容する気持ちも強まり、お手伝いを喜んでするなど、自己主張と他者需要とが不可分の関係にある
・出会いや再会の場面で、それまで楽しみにしていたのに目を瞑ったり、大人や物陰に隠れて相手の顔を見ることができなかったりする
・好きな友達ができ、その関係において、貸し借りや順番・交代などができ始める
3歳6か月〜4歳
・相手のことを「あんた」「お前」あるいは「〇〇さん」などといって、年上の子のしていることを真似、年下の子には全てしてあげるのではなく、できることを導こうとし始める
・「一人前の自分」や「役に立つ自分」を発揮したくて、友達の着替えや大人の掃除、片付けなどを手伝おうとするが、実際にやり遂げることは難しい
・チャレンジ精神旺盛で、なんでもできるという自信に満ち溢れている
・自分の「したいこと」と「しなければならないこと」が分かり始め「〜だけれども・・・」と、気持ちを調整し始めるが、うまくできず感情的になったり、攻撃的になったりする
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